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18、差し伸べる優しさ

「今度は打って変わって敵の山か・・・」

地下通路を発見した私達は奥へと進んでいる
しかし、地上に居た時とは違いたくさんの亡者の群れが私達を襲う

「夕子ちゃん、大丈夫?」
「はい、大丈夫です、亡者には私の攻撃が良く効きますからね」

確かに、ここは私の攻撃よりも夕子ちゃんの方が効果が大きい

「敵がこれだけいるってことは、近寄ってほしくないってことよね」

私達は亡者を退けながら先へと進む
このくらいなら、どおってことないくらいの障害だ

「早く陽子さんを探さないといけませんしね」

夕子ちゃんの言うとおりだ、きっと一人で寂しい思いをしているに違いない
それに、彼女は初めての実戦だ、一人でどうこうできるという問題ではない
実力と経験というのはまた別物なのだ

「どいて頂戴!!」

私は思い切り亡者達を吹き飛ばす
だが、痛みを感じない彼等は倒しても倒しても起き上がってくる

「ここは、わたくしに任せてください」

夕子ちゃんの天使の輪が光り輝くと亡者達を聖なる光が包み込む

パァアアアアァア

「自然の摂理へと帰りなさい・・・」

光を浴びた亡者達は次々と崩れ去っていく

「安らかに眠れるように・・・、鎮魂歌(レクイエム)・・・」

夕子ちゃんの鎮魂の歌が辺りに響く、
崩れ去った亡者にもうやる必要もないのだが
彼女は天国への道標にでもなればと、毎回やっている
そこが彼女の優しいところである

「流石ね、見ていて頼もしいわ」
「私はただ彼らを呪縛から解き放っただけですよ」

夕子ちゃんは照れているのが分かる

「じゃあ、先を急ぎましょう!!」
「はい、分かりました」

私と夕子ちゃんは先へと進む

「!!」

そのときだった、大きな力のぶつかり合いをこの先から感じた

「この感じ、片方は陽子ちゃんね・・・」
「もう一人は今回の黒幕でしょうか」
「とにかく行きましょう」

私達は駆け抜ける、このどこまでも続きそうな地下道を
by meruchan0214 | 2006-04-06 01:03 | 妖の調べ


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