真達が帰ってきたときには既に全てが終わった後だった
「大丈夫か!?」 隆泰は急いで恵達に駆け寄る 「ん、大丈夫だよ、危なかったけど」 にこやかに笑う恵の顔に隆泰はホッとした表情である 「まさか、メルに助けられるとは思わなかったけどね」 「あいつにか?」 意外そうな言葉、何度も戦ったことのある相手 ライバルなんて関係ではない、ただ向こうは遊んでいるだけだ 「でも、みんな無事でよかったですよ」 真も安心した声をだす 何があった云々よりも、みんな無事だったことが嬉しかった 「そうね~、少し店がボロボロだし、この辺りも大変なことになってるけど・・・」 恵の言う言葉にあたりを見回すと確かに大変なことになっていた 被害が少ない場所を選んでいるとはいえ、住人がいないわけではない 妖との戦闘は普通の人にはただの災害にしか見えない それ故に人目につくことはほぼないが、危険でもあるのだ 「みんな無事で本当に良かったよ」 隆泰は安心したせいかどっと腰を落ち着かせる 今まで気を張り詰めていたせいか、いつものような感じではない 安堵感で一杯と言う感じだった 「一応、恵さん体を診せてください」 「え、私大丈夫だよ?」 「お腹の赤ん坊ですよ」 こういうときの千夏は実に頼もしく感じる 両親が医者で本人も医者志望 本人自身、医者としての勉強は既に終了しており、後は年齢制限と実習のみ 「ふむふむ」 慣れた手付きで診察をする 流石に天才と言ったところであろうか 「特に問題はなさそうですね」 5分くらいで簡単な診察は終わった 「だけど、一応病院で精密検査も受けた方がいいと思いますよ」 「分かったわ、今度そっちの病院にでも行くね」 戦闘が終わって和やかな雰囲気が流れる だがそれを遠くから見ている影があった 「これで本当に良かったの?」 「ええ、ありがとうねメル」 一人は恵達を助けた少女、メル・クローバー もう一人は女性にしては背が高く170cmくらいで顔には目隠しを巻いている 「私達の目的の邪魔になるかもしれないのに、リーシェもお人好しだね」 「ふふ、彼とは切っても切れない関係だからね」 目が隠れている為に表情を深くは読み取れないがそれはどこか笑っているようであった 「同一存在ってやつだっけ?同じ魂の共有とかなんとか?」 「そうよ、彼は分かっていないみたいだけどね」 メルとリーシェと呼ばれた女性はしばらく彼らを見つめていた
by meruchan0214
| 2006-07-02 22:42
| LittleGarden
|
カテゴリ
全体 読むにあたって 独り言 妖の調べ 妖の調べ ~番外編~ 妖の調べ登場人物 カナシミノウタ カナシミノウタ登場人物 LittleGarden LittleGarden登場人物 リトルガーデン外伝 守護機兵 ハイシェント 守護機兵 ハイシェント機兵設定 守護機兵 ハイシェント2 竜の翼 ハイシェント ウィザード&ブレイド 狼が鳴く時 知らぬが幸せ 詩 短編小説 落書き 架空世界[フリトアネイス] バナー、リンク等 感想、コメントとか コラム ネタ タグ
ハイシェント(87)
短編小説(85) フリトアネイス(69) 光と闇を持つ者達(66) 妖本編(63) ハイシェント2(58) 独り言(47) リトルガーデン(38) 詩(32) 知らぬが幸せ(17) ウィザード&ブレイド(10) リトルガーデン外伝(10) カナシミノウタ(9) あの日の思い出(8) 妖番外(7) 二人が出会った時(6) ハイシェント設定(5) ネタ(5) コラム(2) バナー(1) メモ帳
以前の記事
2008年 11月 2008年 10月 2008年 04月 2008年 02月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 お気に入りブログ
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||