Misson13 死の予感

今日もいつもと変わらない日常のはずだった
だけど、今日に限ってはなにやらブリッジが騒がしい

「ガルドーズさんが帰ってきた!!」
「え、やっぱり死んでなかったんだ!!」

どうやら未帰還機兵が戻ってきたらしい

「ガルドーズ、はて・・・どっかで聞いたことあるような・・・」

フリスはヴェルゼに居た時のことを思い出す
だが、すぐそこまで出てきてはいるのだが一歩思い出せない

「ん~・・・、ラユにでも聞いてみるかな」

気になったフリスはラユの元へと向かった

シュッ!!シュッ!!

ラユは一人で筋力トレーニングをしていた
いつも努力を忘れないラユ、今の彼女があるのはこの努力の賜物だろう

「なあ、ラユ」
「ん~、な~に?」
「ガルドーズって人、どっかで聞いたことないか?」

ラユは一旦筋力トレーニングをやめて考えはじめる

「ちょっと待って、思い出す」

あごに手をおき、う~んと考え始めるラユ
少し考えると何かを思い出したみたいだった

「そうだ、以前捕虜で捕まえた人だよ」
「あ、そうか!!でもなんで今ここに・・・?」
「逃げ出してきたんじゃないの?」
「そんな簡単に機兵ごと逃げられるもんなのか?」

戻ってきたということは逃げてきたか開放されたのかのどちらかだとは思う
だが、逃げるにせよ開放するにせよ、どちらも考えづらいことではあった

「まあ、どちらにしても無事だったんだからいいんじゃない?」
「それもそうなんだが・・・」

どうにも腑に落ちないフリス、自分の国だとはいえ捕虜を簡単に逃がしてやるとは思えない

「ちょっと、確認してみよう」

とりあえず、フリスはリシェルへ話をする為に司令室へと向かった

コンコン

「はい」

中からはいつもと変わらぬリシェルの声がする

「失礼します」

フリスが中に入ると、リシェルは書類とにらめっこしていた
よく見るとリシェルの周りには大量の書類が置いてある

「こっちまで足を運ぶなんて珍しいですね」
「ええ、ちょっと気になることがあって」

フリスはガルドーズがヴェルゼの捕虜になっていたことを話す

「なるほど・・・、ガルドーズに何かあると」
「確証はないですけど・・・、ただ余りにも気になったので・・・」
「分かったわ、これから彼に会いに格納庫に行くところだったから、一緒にどうぞ」
「はい」

フリスはリシェルと共にガルドーズに会うことにした

カンカンカン

廊下を歩く音がやけに今日は響く感じがする
いつもと変わらないはずなのに、違うように感じた

「おかえりなさい、ガルドーズさん」

格納庫ではガルドーズが仲間達に囲まれて揉みくちゃにされていた
その表情はここに帰ってきたことを本当に嬉しそうにしていた

「リシェル様、今まですいませんでした」
「いえ、貴方が無事でなによりですよ」

リシェルに会えたこと、戻ってきたこと、本当に嬉しそうであった

「貴方の奥様や息子さんにも早く元気な顔を見せてあげなさい」

リシェルがねぎらいの言葉をかける
だが、急に彼の表情が変わった

「残念ですが、そういうわけにはいかないのです」

ガルドーズは懐から銃を抜き出すと、リシェルを人質に取った

「全員動くな!!」

リシェルを盾に脅迫するガルドーズ
フリスの予感は当たっていたのだ

「やはり、ヴェルゼの・・・」
「すいません、リシェル様自分にはこれしか・・・」

取り押さえられるものなら取り押さえたいが、リシェルを人質に取られていては動きようがない
彼はリシェルを連れ徐々に機兵の方へと歩いていく

「いいな、少しでも動いたらリシェルを殺す」

リシェルを人質に取られたらウロボロスの人間は動けるはずもない
ただ、黙ってガルドーズの行動を見るしかなかった

「すいません、リシェル様・・・、みんなを助けるにはこれしか・・・」
「ガルドーズ・・・?」

小声で何かリシェルに囁いているようであるが
フリス達には何を言っているのか聞こえない

「誰も近寄るなよ」

ガルドーズとリシェルは徐々に機兵へと近づいていく

「今、ウロボロスにヴェルゼの工作部隊が近づいてきています」
「それで、貴方・・・」
「すいません・・・、後5分後には私の乗ってきた機兵は爆破されます」

ガルドーズは見張られている、裏切りを強要させられていたのだ
囁くようにリシェルのみへとそれを告白する

「さあ、機兵の動かす準備をしろ、ハイシェントだ!!」

ガルドーズはハイシェントの起動を要求する
下手なことをすれば、リシェルの命はないと思っているクルー達は素直に言葉に従うしかない

キュイイイン

ハイシェントの駆動音がする

「もう一機動かせ、パンツァードでいい」

続いて、パンツァードの起動を要求し、ガルドーズの元へと運ばれる

「さらばです、リシェル様・・・」

ドンッ!!

ガルドーズはリシェルをハイシェントの方に押しやると自分はパンツァードに乗る

シュゴォォォォォ!!

パンツァードはブースターを吹かせ、宇宙へと飛び立とうとする

ガシィィィィ!!

その際にガルドーズは自ら乗ってきたパンツァードを掴むと一緒に出て行った

「リシェルさん、無事か!?」

フリスは慌ててリシェルへと近づく

「フリスさん、あのパンツァードをハイシェントで追ってください・・・」
「はい!!」
「爆発したところに・・・敵が居ます・・・」

リシェルの言ったことが少し理解できなかったがとにかくフリスはハイシェントで出撃する
フリスが出撃してしばらくすると

ドォォォォォオオオオン!!

物凄い大爆発が前方でおこる

「あそこに敵が・・・」

リシェルの言ったとおり、爆発の周辺にヴェルゼの機兵部隊が居た

「このっ!!」

ズバッ!!ドオオオオォォォン!!

次々と切り払っていくハイシェント
敵を掃討するのにはそう時間がかからなかった

「相手はかなり慌てていたみたいだが・・・どうしたんだ・・・?」

とにかく敵を掃討したフリスはウロボロスへと帰還した
フリスがガルドーズのことを聞いたのはそのすぐ後のことであった
彼がわざと裏切った演技をしていたこと
あの爆発はガルドーズが皆を守るために爆弾をつんだパンツァードを持っていったこと

誰も彼を攻められるものはいなかった
それよりも彼を称えるべきであった
助かろうと思えば自分は助かることができた
だが、それをせず、皆を助けた事を
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by meruchan0214 | 2006-09-09 00:25 | 守護機兵 ハイシェント


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