宇宙から見た地球、もうずっと何年もあの星を見ている
文明の発達により効果的なエネルギーの開発、自然への配慮などにより、自然破壊も落ち着き、徐々に青い星に戻ろうとはしていた 「人とは何故同じ事を繰り返すのでしょう」 一人、いや正確には人間ではない一つのコンピュータがつぶやいているのだ 幾重にも厳重に保護された空間、そこに立ち並ぶ機械類の数々 「私達はリシェル達と約束しました、それまでは見守ると」 「だが、一向に変わる気配が無い、これでは同じことだ」 一つのコンピューターに複数の人格 この隠されたこの場所こそ、全ての始まりの場所でもあった 「我々、ノルンが全ての決定を下すべきではないのか?」 「ですが、彼女達との契約を破ることになります」 「既にあの時から150年だ、人間は何も変わってはいない」 彼らはこの地球を守るために作られた存在 3つの意識を併せ持ち、全てが承認され始めて可決される 「我々が動かなければこのまま終わらないぞ」 「後少しだけ待ちましょう、彼女もそれは分かっているはずです」 「ウロボロス、お前は何を見ているのだ」 地球の奥深く、暗く誰も立ち入ることの無い研究施設 封印され、誰の目にも届かない 彼らは待ち続けている、人が変わるということを 「そろそろ、ノルンも我慢の限界かな」 リシェルは司令室で独り言を呟いている だが、それは独り言というよりは誰かに話しかけているようであった 「そうだな、早く決着をつけ、人々が変われることを証明しないといけない」 「ウロボロス、貴方には何時も世話になりっぱなしね」 「気にするな、親友であるお前の頼みだ、それにリシェルこそ一番過酷な運命を背負わせてしまった」 リシェルはコーヒーをすすると、笑いながら話す 「前にも言ったでしょ、自分で望んだことなんだから」 「人間か、150年前が懐かしいな」 「そうね、貴方の名前もまだウロボロスではなかった頃ね」 「もう、その名前は忘れたさ」 ウロボロスのAIは元々人間の脳を移植しデータ化したものが使われていた 何故そのように作られたのかは分からない だが、彼らは自分たちからそれを望んだのだ 「さて、と、説得にでも行ってくるかな」 「例のヴェルゼのレオルとかいう者か」 「ええ、彼が仲間になってくれれば、きっとこの戦況は変わるわ」 リシェルはいつもより明るそうに司令室を出て行く 150年、長い長い年月を過ごしてきた彼女 何を思い、何を感じていたのかは彼女しか知らない 全ては一つ、人間を救う為に彼等は動き始めたのだ
by meruchan0214
| 2006-09-23 13:38
| 守護機兵 ハイシェント
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