Misson35 警告

リシェルはあの日以来皆の前に滅多に姿を現すことはなかった
姿を現すときはいつもと同じではあるのだが、それ以外では何をしているのかさえ分からない

「リシェルさん、大丈夫かな」

流石に心配も絶頂になってきたフリスは司令室へと足を向けた

「あ、フリスもリシェルさんのところに?」

リシェルのところへ向かう途中にアコナと出会った
アコナも丁度向かっているようだった

「ああ、流石に今までと違って滅多に出てこなくなったからな」
「そうだね、指令とかに変なところはないんだけど」

姿が見えないときでも司令室からの声でウロボロスは動いていた
その声はいつもと変わらない力強い声ではある、姿が見えない事を除いては

コンコン

フリスは司令室のドアを叩く

シーン・・・・

返事が無い、もしかしたら中に倒れているかもしれない、そう思ったフリスは慌てて扉を開けようとした

シュィィィン

その瞬間に扉は開かれ中にはリシェルが椅子に座っていた

「ごめんなさい、ちょっと作業中だったから」

作業中というのは何を指しているのか分からなかった
自分を整備でもしていたのか、それとも書類の作業だったのか
リシェルの喋る口調はいつもと変わらない声であった

「リシェルさん、体は大丈夫ですか?」

フリスは心配そうに尋ねる、アコナもそれに同情するようにウンウンと頷いている

「貴方達は私がアンドロイドだって知ってるわね・・・、じゃあ隠しても仕方が無いか」

フゥと溜息をつくリシェル

「本当はもうちょっともつと思っていたんだけどね、体が限界に近いのよ」
「限界というとやっぱり・・・?」
「そう、何とか整備しながら騙し騙しやってるけれど、そろそろ限界ね・・・」

リシェルは全く動こうとはしない、正確には動こうとしないのではなく動けないのだ

「何とかならないのですか?」
「地球に行けばもしかしたらだけど・・・、素直にアースラインが降ろしてくれるかしらね」

地球、元々リシェルは地球で活躍していた科学者だったという話だ
もしかしたら予備のパーツか何かが地球に残っているのかもしれなかった

「ウロボロス毎地球に降りるというわけですか?」
「それができれば苦労しないけどね、これが見つからずに降りるなんて不可能でしょ」

確かにタダでさえ普通の戦艦の何倍という大きさがあるのだ
近づいただけでもアースラインには見つかってしまうだろう

「ハイシェントとエルブラストは単機で地球に降りれるけど・・・」
「けど・・・の先は何なのですか?」
「機兵を単体で地球から宇宙へと上がるユニットが地球にないのよね」

リシェルの言うとおり、戦艦を星から離脱させるユニットはあっても単機で離脱させるユニットというのはフリスも聞いたことない
そもそも、単機で大気圏に突入できる機兵すら少ないのが現状だ

「でも、地球に向かわないと、リシェルさんがいなくなるなんて考えられない・・・」

アコナは皆の気持ちを代弁するかのように話す
そう、誰もがリシェルにはいなくなってほしくはないのだ

「地球から宇宙に上がるのは何とかします、とりあえず地球に向かいましょう」

フリスの言う事にリシェルはやれやれという顔をする

「地球から出られなかったらどうするの?」
「ハイシェントとエルブラストがあれば戦艦一機くらいは強奪できるでしょう」
「えらく強引な手段をとるのね」

リシェルは口ではそういうもののどこか嬉しそうな口調であった
ここまで自分の為に動いてくれている皆が彼女にとって嬉しい事なのだ

「分かったわ、地球に行きましょう」
「ウロボロスはどうします?」
「そうね・・・、月で待っててもらいましょう」
「妥当なところですね」

月にも当然アルカディアは存在する
月のアルカディアは中立地域として一切の戦闘行動が禁じられている
それはアースラインやヴェルゼ、ウロボロス全てに言えることでここを攻撃するという事は全てのアルカディアや国を敵に回すことと同義であった

「二人とも、お願いできる?」
「任せてください」
「はい!!」

初めての地球、こんな形で降りる事になるとは思わなかった
ヴェルゼやウロボロスの自然は全て地球を模したものだという
どんな場所かフリスはワクワクしてきていた、当然リシェルを救う為の任務でもある

フリス、アコナ、リシェルの3人はウロボロスを離れ、地球へと向かった
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by meruchan0214 | 2006-10-03 00:52 | 守護機兵 ハイシェント


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