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Misson36 重力に惹かれる

ハイシェントヤエルブラストがいくら小型とはいえ、大気圏突入は目立つ
地球に無事に降り立ったとしても、すぐに身を隠さねばならないだろう

「それじゃあ、行きますよ」
「お願いね」

ハイシェントとエルブラストは地球へと降りていく

「シールドを展開して」
「了解」

ゴォォォォォォ!!

物凄い摩擦熱で周囲が赤くなっているのが分かる
ハイシェントやエルブラストだから無事のようなものの、他の機兵であったらすぐにでも燃え尽きてしまうだろう

「リシェルさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

機兵にかかっている負荷も相当なもの、機兵そのものは大丈夫とはいえ激しい振動がパイロット達を襲う

「後少しね」

リシェルがぽつりと呟くように喋る

フワッ

急に機体が軽くなった、完全に地球上へと入りこんだのだ

「おっとっとっ」

急に抵抗がなくなったせいかハイシェントは少しぐらつく

「ここが地球・・・」

アコナは魅入るよるに空から海を見つめていた
宇宙から見た地球は青い星であった、それを今この目で見ているのだ

「アコナ、とりあえずどこかに隠れよう」
「そ、そうね、分かったわ」

フリスが言うとアコナはどこか名残惜しそうに移動を始める
降り立ってみるとずっとずっと広い地球
その水平線はどこまでも続くのじゃないかと思うくらいであった

「お、あそこがいいな」

適当な島を発見するフリス

「近くに他の反応は・・・なし・・・、大丈夫だな」

ハイシェントとエルブラストは島へと着陸する

「リシェルさんはこの辺りは分かりますか?」
「分かるわよ、生まれ故郷だしね」
「それじゃあ、誘導お願いします」
「ここからだと、ジャパンに向かうのが確実かな・・・、ここから、北東に向かってもらえる?」
「分かりました」

リシェルの案内で進むフリス達
初めての地球で分からないことばかり、珍しいものばかり
本当ならゆっくりと見て行きたいところではあるが、今はリシェルの体の方が先である

「モイライの所まで無事にいければいいのだけど」
「モイライとは?」
「私達が作ったAIの一つよ、それがジャパンにあるのよ」

まずはそのモイライがある場所まで行こうというのだ

「ただ、おそらく敵陣の真っ只中だから、覚悟はしてね」
「はい・・・」

地球に降りたと言う事自体、既にアースラインの勢力内に飛び込んだと言う事だ
今更という感じではあるが、それでもできる限りは戦いたくはない

「戦争でもなければ、ゆっくり案内してあげたのだけどね」

リシェルは悔しそうに話す、確かにゆっくり観光できたらどんなにすばらしいだろう
その為にはまず戦争を終わらせなければいけない

「ノルンは・・・怒っているだろうな・・・」
「ノルン?」
「3つのAIからなるスーパーコンピューターの事、モイライの兄弟機だけど、能力は圧倒的にノルンの方が上、なんていったって、地球を元に戻す為に開発されたコンピューターだからね」
「地球を元に戻すですか・・・」

いまいち、リシェルの言っている事は分からなかった
元に戻すと言うのは一体どういうことなのだろうか

「ま、とにかく向かってみましょう」

フリス達はジャパンに向けて機兵を進める
まだ何を待ち受けているのかは分からない
無事に済むのかも分からない
ただ、この地球を戦の火で燃やしたくはなかった
by meruchan0214 | 2006-10-04 00:21 | 守護機兵 ハイシェント


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