Misson 38  空蝉の体

モイライに案内され、辿り着いた先
そこにはリシェルと瓜二つの体がいくつも並んでいた
中には数体のロボットがおり、その体を整備していた

フリス達が部屋に入ると、ロボットのうちの一体がこちらに近づいてきた

「リシェル様ですね、モイライから伝達がきております」

ロボットはフリス達を案内する
奥の機械にはすでにリシェルの体が設置されており、いつでも始められる準備が終わっていた

「フリスさん、あそこのベッドに私を寝かせてもらえる?」
「分かりました」

フリスはリシェルに言われたとおり、ベッドにリシェルを寝かせる
すると、辺りの機械が動き出し始めた

「時間がかかりますので、お連れの方々はモイライの所でお待ちください」

丁寧ではあるがやはりどこか機械的な部分を感じる
これが、フリス達も知っているロボットであった

「こうしてみると、リシェルさんの体って本当に機械なんだね・・・」
「ああ、そうだな」

今までの行動などからは決して想像できない姿であった
辺りの機械が凄い音を立てて動いており、激しさが目に見える
リシェルは黙ってそこに横たわっている、既に意識はそこにはないのだろうか

「こちらへどうぞ」

ロボットに案内されモイライのところへと戻るフリス達

「リシェルのデータ移行は1日程で終わります」

モイライがフリス達に話しかけてきた

「そうですか、時に貴方はどういったシステム何ですか?」
「どういった、と言われても返答しかねますが、ここの辺り全域を監視しています」
「何の為に作られたのですか?」

フリスは疑問に思った事、リシェルしか知らない事を知るチャンスだと思った

「そうですね、地球を守る為に・・・です」
「地球を守る為に・・・ですか」

余りにも漠然とした答え、だがそれが冗談には聞こえない

「地球を守る為って具体的にはどんなことですか?」

フリスの後を継いでアコナがモイライに問いかけた

「地球が死の星にならない為、ですが・・・」

モイライはそれ以降の言葉を詰まらせた

「今もまだ死の星に向かっていると?」
「その通りです、我々の再三の警告に対して人間は理解しようとしていません」

その言い方には何か含みのある言い方だった
聞き入れなければまるで人間を滅ぼすような言い回しである

「とにかく、ここはアースラインの兵士達も入れません、ゆっくりなさってください」

アースラインが入ってこないと言うだけで安心ではあるが
残してきたハイシェントが少し心配になった

「モイライさん、この辺りに機兵を収納できる場所ってありますか?」
「貴方がたが乗ってきたものですね、分かりました、ハッチを開けますのでそちらへ移動してください」
「ありがとう」

フリスとアコナはハイシェントとエルブラストを研究所内へと格納する
モイライが裏切らない限りはこれで大丈夫なはずだ

「足りない事がありましたら、私に申しくださればできる限りご用意させていただきます」

モイライはそういうと様々な機能を説明し始めた
ゲームから、食べ物、音楽、ほぼ全て用意されているみたいであった

「ああ、大丈夫ですそれよりも貴方に聞きたい事が」
「何でしょう?」

フリスは今まで疑問だったリシェルの事についてたずねる

「リシェルは私やノルンを作った研究員の一人です、私が作られたのはもう150年ほど前になりますでしょうか」

ジョニカが言っていた通りだった、100年以上も前の存在
しかし、技術力は今よりも上と言っても良いかもしれなかった
こんなものを開発するくらいなのだから、よほど優秀な科学者だと分かる

「貴方達は何も知らないかもしれませんが、人間を宇宙で暮らす為のベースを作ったのもリシェル達を含む研究員達の成果です」
「アルカディアもか!!」

今は月や火星などに当たり前にあるアルカディア
それの礎もリシェル達が作ったという事には驚いた

「しかし・・・いえ、ここから先は言わないでおきましょう」
「一体どうしたんだ?」
「いずれ分かる事です、私が言うべき事ではありません」
「答えてくれよ!!」

聞いてもモイライは答えてはくれなかった
結局リシェルが150年前から居る人間だという事くらいしか分からなかった
フリスはモイライの最後に口を止めたことが気になってしょうがなかった

「まぁまぁ、モイライさんも言いたくないんだし、いいじゃない?」
「でも、いずれ分かるっていつのことなんだよ」

ふてくされるフリスをアコナがたしなめる
しばらくはそういったことが続いたが、そのうちに二人は眠りについてしまった

「私はまだマシなほうですよ、お二人とも」

モイライは小さい声で呟いた

「時間はもう迫ってきています、貴方方が思っている以上に」

寝ている二人には聞こえていない
モイライは優しく二人に話しかけていた
まるで未来を二人に託すかのように
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by meruchan0214 | 2006-10-05 22:20 | 守護機兵 ハイシェント


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