Misson49 誓いの為

もうじきヴェルゼの防衛ラインに突入する
ウロボロスのパイロット達はブリッジへと集められた

「皆さん、今まで良く戦ってくれました」

珍しくリシェルが全員相手に話をしている
いつもいつも緊急による発進ではない、この一戦が大きな意味を持っているのが分かっている

「この戦いに勝てば、ヴェルゼの支配力はなくなるでしょう、ですがそれは相手にとっても同じ事、必死で抵抗がくるはずです」

負けられない一戦、それにここに勝っても問題が全て解決するわけではない
だが、全てを始める為にもこれには絶対に勝たなければならないのだ

「この宇宙の真の平和の為に・・・皆の力を私に貸してください!!」

リシェルが指揮官であるにも関わらず兵士達全員に頭を下げた
本来ならば命令する立場である彼女、彼女にとって彼等は部下ではなく仲間なのだ

「それでは、皆さんの絶対に生きて・・・生きて喜び合いましょう」

リシェルの言葉でウロボロス全体の士気が上がる

「では、皆さんよろしくお願いします」

パイロット達はそれぞれ自分達の機兵に乗り込み始めた

「ヴェルゼとはこれが最後になるんでしょうか?」
「そうですね、この戦いに勝つことができたらですが」

言葉では勝つ事ができたらといっているが、実際の彼女には迷いが無い
勝つ事を前提としているのだろう、そういう自信も見え隠れしている

「ウロボロスは私が守りますよ」

横からジョニカが割って入ってきた

「アースラインはこれからどうなるんですか?」
「そうだねぇ、ヴェルゼが倒れたらウロボロスだけに敵がなるからねぇ」
「ウロボロスだけって・・・、まあそれは和平が結べないって事なんですね・・・」
「ヴェルゼよりはマシだとは思うけどね」
「ジョニカもよろしく頼みますね、絶対に死なないで」
「分かってますよ、リシェル様」

ジョニカは自分の言いたいことだけを言って去っていく
彼女には助けられている、そしてフリス達にとっても大事な仲間の一人

「ねぇねぇ、フリス~」

今度はラユとレオルがフリスに話しかけてきた

「これが終わって、ヴェルゼに戻れたら皆でパーティーしよ」
「ああ、それいいな」
「フリスは酔うと脱ぎだすから、それだけはやめてくれよ」
「そ、そんなことしないって」

フリスは顔を赤くしながら否定する、ラユとレオルはそれを見て笑っていた

「私も一緒に参加させていただいてもいいかしら?」

リシェルがそれに割り込むような形で入ってくる

「もちろん、アコナや皆も一緒にやりましょう」
「そう、じゃあ楽しみにしているわね」

ラユとレオルとパーティーの約束をする
それは絶対に死なないという約束でもあった

「フリス、いい?」

最後はアコナであった

「ヴェルゼとはこれで最後になるけれど・・・、大丈夫?」
「まあね、決心は以前から変わらないよ」
「そう、フリス・・・」
「何?」
「死なないって、約束して」
「あ、ああ」

いつもとちょっと感じが違うアコナに少し戸惑いを感じながらも約束をする

「ん~・・・、私ちょっと通信の子と話す事があるから」

リシェルはその場の雰囲気を悟ったのかその場から立ち去った

「最初に会ったときの事、覚えてる?」
「ああ、アコナの乗ったハイシェントに落とされたのも覚えてるよ」
「最初は敵国の人間を助けるなんて信じられなかったけど、リシェルさんは人をちゃんと良く見ていると思ったよ」
「ははは、最初アコナは俺に敵対心剥き出しだったしな」

思い出すようになった今ではそれもいい思い出である
思えば彼女と戦ってからフリスの生き方は変わったようなものだ

「ねぇ、フリス」
「ん?」
「全部終わったら、二人でどこか遊びに行こう」
「ああ、そうだな」

二人はお互い惹かれあっていた、自分でもごく自然に磁石が引き合うかのように

チュッ

アコナはフリスのほっぺに軽く口付けをする

「それじゃ、がんばろうね」

最後にそれだけ言うと、彼女はエルブラストへと向かっていった
いきなりの行動にしばらく赤くなって固まっていたフリスであったがより一層気合がはいった

「よし、いくか!!」

今、ヴェルゼとの最後の戦いが始まろうとしている
[PR]
by meruchan0214 | 2006-10-15 22:29 | 守護機兵 ハイシェント


<< ジャンルについての独り言 Misson 48 追い詰め、... >>