Misson53 宇宙をみつめて

一進一退を続けていたウロボロスとヴェルゼの戦い
数で勝るヴェルゼであったが、士気が上がっているウロボロス相手には数は意味をなさなかった
少しずつではあるが、ヴェルゼを押し始めているウロボロスの軍

「このまま、おしきるよ!!」

ジョニカの通信がウロボロスの全員に響き渡る
敵も押されているのが分かっているのか、やや引き気味の防戦主体になっている

「アコナ、あっちは任せたよ」
「了解です」

戦場は徐々にヴェルゼがある、火星へと近づいていった

「このままでは不味いですね」

ルゲルゴは呟いた、ここで死ぬわけにはいかない
ここで死んだら今までの苦労が水の泡になってしまうからだ

「せっかく、王に取り入ったと言うのに・・・ここで死んでは元も子もありません」

ルゲルゴは密かに自分だけが逃げ出す機会を伺っていた

「ルゲルゴの様子がおかしいな」

グローズはルゲルゴが逃げ出すよう機会を伺っているのを何となく感じていた
だが、今は戦闘中だ、ルゲルゴにその事を詰め寄っている暇は無い

ガキィィィィィン!!

もう何度目になるか分からない刃が交わる音
実力拮抗、いつまでも続くような戦いである

「今ですね!!」

ルゲルゴは戦いの隙を見て、急に戦場が離れた

「ルゲルゴ!!逃げる気か!!」
「こんなチマチマやるより、一気に殲滅した方が早いでしょう」
「・・・、お前あれを使うつもりか!!」

グローズが叫ぶ、それを使うのをやめさせる様な大きな声

「味方も巻き込まれるんだぞ!!」
「勝てばいいのですよ、勝てば!!」

ルゲルゴはわき目も振らずにヴェルゼへと逃げていく

「ちぃ!!」

ガキィィィィィン!!

後を追いたかったが、フリスやレオルとの戦闘中で追うわけにも行かない

「ヴェルイン!!」
「分かっている」

一旦間合いを取り、射撃武器でけん制すると、ルゲルゴと同じように二機のアルオルスは戦場を撤退する

「フリス、聞こえるか!?」
「グローズ教官・・・?」
「今すぐにここから離れろ、ブラズデッドがお前達を狙っている」

ブラズデッド、もうそれはないと思っていた
あの巨大兵器がまだあることを知り、フリスは驚愕した

「何故、そんなことを・・・」
「こっちの指揮官の一人が仲間ごとウロボロスを倒そうとしている、それが許せないだけだ」

グローズが嘘を言っているとは思えない、恐らく最初に逃げたのがそれを使おうとしているのだろう

「リシェルさん!!ブラズデッドがまだあるそうです!!」
「こちらも今確認したわ、都市の中にあんなデカブツ隠しておくなんて・・・」

フリス達は慌てて引き始める、ヴェルゼの機兵も巻き込まれてはたまらないと戦場を退きはじめた

「ヒヒヒ、逃げてももう遅いですよ」

ルゲルゴはいち早くブラズデッドに到着すると、発射の準備を完了させた

「一気に蹴散らしてやる!!」

発射スイッチを押す、ルゲルゴ

ドガァァァァァン!!

だが、ブラズデッドからは熱線が発射される事はなく、ブラズデッド自体が自爆した

「な、何事ですか!!」

凄まじい爆発はあっという間にブラズデッドを消滅させる

「何故、何故こんなことがぁぁぁ!!」

激しい爆発はウロボロスからもハッキリと確認できた

ドガァァァァァァァン!!

その爆発はブラズデッドのみならず、その周囲一体をなぎ払う

ズズズズズズズズッ!!

建物が崩れ、地響きをあげ砂煙を巻き起こす

「城が・・・崩壊する」

フリスが呟くとヴェルゼの象徴でもあった城が崩落していく
ブラズデッドの近くにあったのが原因だろう、恐らくあの中にいた人間達は助からない
城周辺は建物は多くは無いが、やはり爆発の余波は受けていた

「一体、どうしたんだ・・・自爆なんて・・・」

フリスは訳が分からないままそれを見つめていた
ヴェルゼの機兵もこれ以上戦う気力はなくなったようだ
城が崩れたということは王がいなくなったということ、戦う意味もないのだ

「何が起こったのかわかりませんが・・・終わったようですね・・・」

リシェルの通信が聞こえる
戦っての勝利ではないが、ヴェルゼには戦う意味が無くなった
ウロボロスとヴェルゼとの戦いは自爆と言うあっけない事で終幕を迎えた
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by meruchan0214 | 2006-10-21 00:47 | 守護機兵 ハイシェント


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