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Misson 54 気づいていたもの

あっけない結末であった、長引くと思われていた戦闘
ブラズデッドの自爆により、一気に戦いの幕が下ろされた

「グローズ教官・・・」
「我々の負けだ、王が死んだ以上戦う理由がない」

次々と投降するヴェルゼの機兵達
良くも悪くもブラズデッドが自爆したお陰で最小限の戦いで済んだ
ヴェルゼとの戦いはウロボロスの勝利で終わったのだ

「でも、良かった教官を倒さずにすんで・・・」
「あのまま戦っていたら、俺に勝てていたと思うのか?」
「勝つしかなかったですから・・・」
「ははは、言うようになったな」

戦いは終わった、敵であったヴェルゼのグローズ中佐と語り合うフリス
フリスは内心ホッとしていた、尊敬する人間と本当は戦いたくなかったからだ

「だが、王がいなくなりウロボロスが勝った、少なからず国は荒れるだろうな」
「そうですね、でも今までのやってきたことは正さなくてはいけないですから」

ウロボロスが勝ったと言う事はウロボロスが支配する権利を得たと言う事
もちろん、ウロボロスの指導者であるリシェルはそのつもりは全くないが、そうとは思わないものも少なからず存在するのだ

「大変ですけど、大丈夫です」
「言うようになったな」

グローズは教え子達が成長している、もう一人前だと悟った
これからは若い世代が新しいヴェルゼを作っていけばいいと思ったのだ

「お話のところ悪いけど、割り込ませてもらうわね」

リシェルがいきなり通信に割り込んできた

「そろそろそっちのレーダーでも確認できると思うけれど、アースラインの部隊がこっちに向かっているわ」
「アースラインが?」
「ええ、お互いが疲弊したところを叩くつもりなのよ、皆は疲れていると思うけど・・・もう少しお願い」
「分かりました」
「とにかく、至急補給を済ませるからウロボロスへと帰還して頂戴」
「はい」

フリスはハイシェントをウロボロスへと帰還させようとする

「私も戦おう」

グローズが後をついてくる、だがついてきたのはグローズだけではなかった
全部とは言わないが、次から次へとヴェルゼの機兵が共闘を申し込んできたのだ
戦った全体の約4分の1、戦力としては十分なものである

「こんなに共闘を申し込んでくる人間がいるなんて・・・」
「それだけ気づいていた人間も居たということだろう」

全部とは言わないが再びヴェルゼの人間達と戦える事を嬉しく思う
この国もやっぱりまだまだ捨てたものではない、立ち直れるそう確信した

「リシェルさん、共闘したいと言ってきているヴェルゼの機兵はどうします?」
「今は少しでも戦力がほしいです、ですので一緒に補給しますのでウロボロスへ案内してください」
「分かりました」

フリスはウロボロスへとヴェルゼの機兵達を導く
何とかアースラインとの対決には補給が済みそうであった

「皆さんには無理をさせてしまいますが・・・、負けるわけにはいきません」

リシェルの通信がウロボロス全体、機兵達全体へと通じる
ここで負けたら、アースラインによる力による支配が待っている
それではヴェルゼと変わらない、むしろ以前よりひどくなるかもしれない

だからこそ、負けるわけにはいかないのだ

「お前達と一緒に戦える日が来るとは思わなかったぞ」
「グローズ教官、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく頼む」

フリス達はヴェルゼの人間達と共に出撃する
ヴェルゼとは決着がついた、後はここを乗り切らなければならない
自分達が目指した未来のために今戦いが始まろうとしている
by meruchan0214 | 2006-10-22 00:06 | 守護機兵 ハイシェント


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