「今度はそう簡単にはおろしてくれそうにもないわね」
リシェルが呟いた、レーダーには大量の機兵が映っている 「みなさん、よろしくお願いいたします」 「了解、任せてください」 「リシェルさんのお願いだもん、分かってるよ」 止まるわけにはいかない、そのまま突き進むしかない 「一気に突っ込みます、大気圏突入までに戻ってくださいね」 「分かったよ、任せておいて」 「大丈夫だ、心配するな」 アースラインの機兵・・・、人は乗っていない AIのみで動く大量の機兵がウロボロスの行く手を遮っている 「全て、蹴散らせ!!」 フリス達は思い思いにアースラインの機兵達と戦っていく 「上手くなったな、フリス」 「グローズ教官が褒めるなんて珍しいですね」 数では圧倒的に勝るアースライン、ノルンの操る機兵 だが、次々とそれは破壊されていく 「皆、後5分で戻って!!」 ウロボロスが大気圏へと突入を始める秒読みに入ろうとしている 最後の戦いの為に地球に降りるのだ 「降りたら廻りは敵だらけ、皆覚悟はいいかしら?」 リシェルの言葉に皆が頷く、既に心の準備はできている 「ウロボロス、これより大気圏突入を開始します、機兵の皆さんはウロボロスへお戻りください」 通信兵の声がウロボロスの機兵達に鳴り響く それを聞いたウロボロスの機兵達は次々とウロボロスへと収納されていく 「突入まで、後、5,4、3,2、1・・・、突入します!!」 空気との摩擦熱であたり一体が赤く染まる これほど巨大な戦艦だ、発生する熱量も半端ではない 「さあ、もう後には引けないな」 「そうだね、フリス」 フリスとアコナはウロボロスから外を眺めていた 今度は以前とは違う、戦う為に降り立つ地球 この青い星で戦わなければならないのは心苦しい事ではある しかし、このまま黙っているわけにもいかない 「フリス、ヴェルゼと戦う前の約束覚えてる?」 「ああ、覚えてるよ」 「これが終わったら、今度こそ約束だよ」 「大丈夫だって」 二人は黙って見つめていた、まるでそこだけ時が止まっているようだった 「はぁ、見せ付けちゃって・・・」 「ラユは大丈夫なのか?」 それを遠くから見ていたのはレオルとラユであった 「確かに、昔はフリスの事好きだったけど、アコナには敵わないから」 「お前もずいぶんと大人になったんだな」 「べっつに、僕は変わらないよ、今も、これからも」 「そうだな」 レオルはどこか嬉しそうにフッと微笑を浮かべた それはすぐに元に戻った為、ラユはそれには気づいていなかった 「あ~あ、僕にも素敵な男性があらわれないかなあ~」 「どうだろうな、案外近くにいるかもしれないぞ」 レオルは冗談のように話す ラユもそれは冗談だと思っていたらしく、軽く聞き流した 「とにかく、これが最後になるんだよね」 「そうだな」 二人は見詰め合うアコナとフリスを二人っきりにさせてあげるべく、その場を離れた
by meruchan0214
| 2006-10-27 23:55
| 守護機兵 ハイシェント
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