Misson 69 廻る運命

全てが終わってから一ヶ月の時が過ぎていた
アースライン、ヴェルゼはお互いの戦闘を止め、終戦をした
そして、お互いがお互いを認め合い、自分達の生きる為、全てを生かす為にできることを協力し合う事を約束した

「あれからもう一ヶ月か・・・」
「そうだな」

フリスとアコナはウロボロスの中を歩いていた
戦う必要がなくなったウロボロスは他の星を繋ぐ、巨大宇宙船として動いている
もちろん、ここに生活している人間もたくさんいる

「リシェルさんの為にも、これから変わっていかないといけないんだよね」
「ああ、それにはまだ時間もかかるけど、絶対に変わらないとな」

リシェルが守ろうとしたもの、それを実現しなければならない

「そういえば、フリス聞いた?」
「ん?」
「レオルとラユが結婚するって」
「ああ、聞いてるよ、いつの間にそんな仲になってたんだか」

今まで共に戦った仲間たちも新しい日常を受け入れてきていた

「私達も・・・、なんてね」
「ハハハ、仕事が落ち着いたらな」

フリス達は戦争やノルンの反乱によって、受けた戦争の傷跡を少しでも埋めるべく活動していた
もちろん、それだけやったから失った命が帰ってくるわけでもない、だが人々は前に進まなければならない、少しでもその手伝いをという事で始めたのだ

「今度、ヴェルゼに遊びに行こうか」
「そうだね、二人の結婚式もあることだし」

人々は確実に新しい道を歩み始めていた
人類が生み出した150年前の遺産
それは人間の道を示す為に存在したのかもしれない

「そういえば、150年前の事色々調べてみたんだけど」

アコナがバッグから大量の資料を取り出した

「ウロボロスに残ってたデータを漁ったら、大分分かったよ」

ウロボロスが問いかけてきた事はあれ以来一切にない
ただのウロボロスを管理しているコンピューターが機能しているだけであった

「でも、これあまりにも凄くて世間には公表できないね」
「どういうことが分かったんだ?」
「フリスには見せるつもりで印刷してきただけだから、終わったら処分するよ」

アコナはその大量の資料をフリスに手渡した
フリスは資料に目を通していく

「人と機械との融合・・・」

そこに書いてあったのは一個の固体が何百年と生きる為の方法を示していた

「これによると、リシェルさんはもちろん、ウロボロス、ノルン、モイライ、それにハイシェントやエルブラストにまで人のデータが使われていたわ」
「なんでまた、そんな事に意味があるのか?」
「機械の欠点、人間の欠点をそれで補えるらしいのよ、理論上では可能らしいわ」

途方もない話である、それだけ凄い理論を考えつくだけでも凄いものだ
フリスはただ感心する以外なかった

「とにかく、発想が普通じゃないわね、ハイシェントやエルブラストは子供のデータみたいだし」
「色々実験したって事か」
「そう、この技術は反道徳的ってわけね、だからこそこの世界から消えようとした」
「確かにこの技術はないほうがいいよな」
「うん、今度残っているデータと一緒処分するつもり」

フリスはアコナに資料を返し、アコナはそれを大事そうにしまった

「まあ、なんにしてもこれからだよな」

わざと明るく振舞うフリスにアコナはコクリと頷いた
過去をずっと振り返るわけにはいかない
皆の為に前に進むあるのみである
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by meruchan0214 | 2006-11-07 00:44 | 守護機兵 ハイシェント


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