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14陣 DEPS 変貌

次々と現れるDEPS、徐々に強くなっていったDEPSではあるが人間と同じような知能を持ち、行動する今まで考えられなかった事であった

「あれがDEPSの進化形という形ということでしょうか・・・」
「今までにはない存在であることは間違いないと思います」

室長はやれやれといった表情を見せ、椅子に座る
あんなものが次から次へと出てきたらとてもではないが対処はしきれないだろう

「メルさんはどう思いますか?」

室長がメルへと話を振る、リーシェを良く知るということで少しでも情報がほしいといったところだろう

「さあね、DEPSに知恵を授けたのは確かにリーシェだろうけど、地球を滅ぼすだけなら知恵を与える必要はないんじゃないかな」
「確かに、暴れさせるだけでいいもんな」

メルの言葉に妙に納得する竜哉
地球を滅ぼすだけなら考える必要なんてどこにもない
ただ暴れさせる存在を作ればいいだけである

「リーシェさんが何考えてるかは分からないけど、その先にある何かを考えてるはずよ」
「その何かが分かれば苦労しないのだがな」

ビーッ!!ビーッ!!

けたたましくなる警報の音

「大変です、再びDEPSが現れました!!」
「1日に2回もか・・・」

伝えにきた自衛隊員の報告を聞き、顔をしかめる室長

「疲れてるところ悪いが出撃してもらえるか?」
「私は平気ですが、ハイシェントが・・・」
「でも、さっきの奴なら棗さん一人では危険すぎます」

2機のコンビネーションによって何とか撃破した
それがまた現れたのならば、棗のエレストリカ一機では辛い戦いになる

「私も一緒にいってあげるよ、そうすればエレストリカ一機でも何とかなるでしょ」

メルの言葉はとても心強い、普段は戦わないと公言しているがいざとなればしっかりと助けてくれる

「室長さん、ミスティ預かっててね、もし何かしたら・・・」
「分かってますよ、私もそこまで愚かではありません」
「一応、竜哉君も一緒に来てね、戦わなくてもいいから」
「あ、ああ」

竜哉は自衛隊のヘリに乗ってついていく事になった、戦う姿を見せようということなのだろうか
現場に着くとそこには今までと同じようなDEPSが暴れていた
少なくとも、先ほど戦ったレドンと名乗ったDEPSではない

「こいつなら・・・」

棗は暴れるDEPSの前に降り立つ、メルもDEPSを見て棗だけで十分と判断したのか様子を見ているだけであった

「いくよ!!」

エレストリカはDEPSと戦闘に入ろうとする

だが、すぐに異変が起きた
戦おうとした矢先にDEPSの姿が崩れていく

ズルッ・・・ズルズルッ・・・

少しずつ溶けていくように崩れていく

「グオォォォォォン」

DEPSは苦しそうに声をあげた
棗も竜哉も声を聞いて気づいた、暴れていたのは苦しくて暴れていたのだ
徐々に溶けていくさまを見ているしかできない

「メル、何とかならないのか!?」
「何とかしたいけど・・・、この子今までの子と違う」
「今までと違う?」
「今までのは安定した存在になっていたけど、これは無理やり作ったみたい、もうこの子の体がもたないわ・・・」

苦しそうな声をあげて崩れていくのを見ているしかない
DEPSとはいえ苦しんでいく様をただ見ているのは心苦しい

「グォォォォン」

崩れていくDEPS、後には何事もなかったかのように塵一つ残っていなかった
何とも言えない空気がただ周辺を漂っていた
by meruchan0214 | 2006-11-24 19:32 | 竜の翼 ハイシェント


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