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33陣 娘 救出

ビルの中を颯爽と駆け抜けるメル・クローバー
それはまるで風のように何者にも邪魔されず、走り抜けていく

「近づいてきてる・・・」

メルはリーシェの娘の存在をはっきりと感じ取ってきていた

ビーッ!!ビーッ!!

辺りにけたたましい警報が鳴り響く、侵入したメルに対しての警報
それに構うことなく走り続ける

「邪魔!!」

たち塞がる人間のようなもの達を蹴散らしながら走る
人間ではないと分かっているのか、メルの攻撃は容赦ない
まるでゴミを掃除するかのようにメルは突き進んでいく

「ここね!!」

中からははっきりとリーシェの娘の気配を感じる
メルは力任せに扉を破壊すると中に入った

「誰・・・・?」

急に扉がこじ開けられ、中に入ってくる人間に驚く少女

「ルピナちゃん!!」

ルピナは中に入ってきたのが知っている人間だと分かると嬉しそうな表情を全身で表した

「メルさん!!」

今まで寂しかったのか、ルピナはメルに抱きついた
しかし、ここはまだ敵の真っ只中、感傷に浸っている暇はない

「さあ、ここからでるよ!!」
「うん!!」

メルはルピナを連れて地上を目指す
辺りに鳴り響く警報、脱出しようとするメル達を逃がすまいと大量のDEPSが襲い掛かってくる
倒しても倒しても数が減らない、むしろ数が増えているようにも思えてしまう

「流石に簡単には逃がしてくれないか・・・」

自分一人なら突っ込んでいけばいいだけであるが、ルピナも一緒だ
ルピナはまだ生まれて間もない、潜在能力は高いが、それを使える術を知らないのだ
どうしてもルピナを庇いながら先へ進もうとなると、積極的にはなれない

「こっち!!」

声がした方向のDEPSが一気に蹴散らされる
そこにはナイーズとレドンの姿が確認できた

「貴方達は・・・、感謝する!!」

ナイーズとレドンはL&Cの仲間ではない、リーシェを慕っている
それゆえに一瞬で信用できると判断した

二人の導きによって、メルはルピナを連れてビルを脱出することに成功した
相手の土俵さえ出てしまえばこちらのモノである
そうなったらメルを止めることはできなかった

「さあ、早く皆に・・・リーシェに知らせないと!!」
「ご案内します、急ぎましょう」

メル達は竜哉達が居る場所へと向かった
これ以上戦う理由がなくなった、ルピナを取り戻したのだから
by meruchan0214 | 2006-12-23 23:36 | 竜の翼 ハイシェント


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