人間に助けられた夕子、この時から夕子は戦う姿が少しずつではあるが変わっていった
慈悲をかけるということを覚えた、良い悪いを神の判断ではなく自分の判断でするようになっていた 「神のご加護を・・・!!」 夕子が一閃すると、妖が掻き消える 悪には絶対に容赦はしない、それが今の夕子であった 「ふうん、貴方本当に変わったのね」 夕子は突然現れた気配に驚いて向くとそこには恵が居た 以前とは違い、こちらと戦うような素振りは見せない、それは夕子も同様であった 「ちょっと私に付き合わない?」 「・・・、分かりました」 少し考えついていくことにした、実力的にも確実に恵の方が上というのは分かっている それは以前戦った事で十分実感していることだ だが、それ以外にも彼等の事をもっと良く知りたいと思っていた 「たっだいまあ」 恵はリトルガーデンへと夕子を連れてきた 入っただけでも何人もの熟練した狩人がいることは分かる 夕子はその気配に緊張気味になるが、敵対意思はない 「貴方にどうしても会いたいと言う人達が居るから」 「私に?」 連れてこられた先に居たのは朝子の両親であった どうして彼等がリトルガーデンで私に会いたいと言ったのかは分からないが、その心は夕子にとってとても、とても嬉しいことだった 夕子は彼等の提示するままに話を進めていった 朝子の両親の養子になるということ、リトルガーデンで働くということ 後に分かる事になるのだが、夕子が変わったこと知った恵が朝子の両親に頼んだと言う 夕子の事を本当に心配していた彼等はそれを喜んで承諾した 夕子が妖であるということを全て知った上でそれを承諾してくれた 全てが制裁するべきモノではない、神の言葉が全てではない 夕子は一人の存在として新しい一歩をこのときから踏み始めたのだ
by meruchan0214
| 2007-01-09 00:09
| 短編小説
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