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42陣 助ける 気持ち

錯乱したまま暴れる棗、竜哉はこれといった対応策がないまま棗のエレストリカから逃げ回るしかなかった

「このままではDEPSを倒しても俺まで」

洞窟を壊したかったが、自分達が生き埋めになってしまう
洞窟の奥深くまで入り込んでいた竜哉はできる手段がほとんどない

「竜哉君!!あと少しそのまま持ちこたえて!!」

頭に響く声、リーシェの声であった
すると、一筋の光が暗闇に走ったかと思うとその光が辺りの暗闇を一気に吹き飛ばした

「棗ちゃん!!落ち着きなさい!!」

明かりを取り戻したことで、棗が落ち着いてきた

「あ、あ・・・」

自分が何をしたのか理解しているようではあった
この洞窟に竜哉と棗を誘い込んだDEPSはリーシェの光の攻撃で絶命していた

「ごめんなさい・・・」

棗はただ謝った、自分がしてしまったことわざとではないにしろ、ハイシェントにもダメージを与えてしまったのだ

「大丈夫さ、お互い無事だったんだし、とりあえず外に出よう」
「ええ、そうね」

竜哉達は洞窟を出て、NATSへと帰還する
帰還する際も棗はどこか今日のことを引きずっていた

「リーシェさん、今回は助かりました」
「いえいえ、棗ちゃんの動きがおかしかったから、慌てて向かったのよ」
「おかしかったって、あんな距離の事が分かるんですか・・・」

確かにリーシェは目隠しをしており、目が見えるというわけではない
気配を感じているとはいえ、あそこまでの距離は100kmは離れていた

「まあね、この世界でいうなら200kmくらいまでなら余裕ね」
「そうですか・・・」
「それよりも、棗ちゃん大分落ち込んでいるわよ」
「そうですよね・・・」

真っ暗闇になった瞬間に完全に錯乱状態になった棗
あれは異常としか言えなかった

「ちゃんと慰めてあげるのよ」
「何で俺なんですか!!」
「あら、好きじゃないの、棗ちゃんのことが」

リーシェに指摘されて真っ赤になる、竜哉、明らかに図星をつかれている

「というわけだから、よろしくね」

リーシェはにっこりと笑うと去っていってしまう

「さてどうしたものか・・・」

確かに竜哉は棗を慰めたいとは思っていた
だが、どう言葉をかければいいのか何も分からなかった
by meruchan0214 | 2007-01-23 14:27 | 竜の翼 ハイシェント


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