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桜散る頃 2

言動がおかしい桜であったが、本人はそれで満足のいく生活を過ごしていた
いくらおかしいといっても、他人を陥れたりすることはない

「桜ちゃん、一緒に帰ろう」
「いいよん」

桜と恭子はいつもと同じように帰路につく
街で買い物したり、お店でお茶を飲んだり、極々一般的な女子高生と変わらない

「ねぇ、キミ達、かわいいね、どこのこうこ・・・」

パァン!!

桜たちにナンパをしてきた男が全て言い終わる前に桜の平手打ちが炸裂する
言動はおかしいが好き嫌いははっきりしている、いやおかしいからこそはっきりしているのかもしれなかった

「何するんだ!!」
「私、そういうの嫌いだも~ん」

いつも変な口調である桜の言葉は相手を逆撫でするようにしか聞こえない

「この・・・」
「やっちゃうの?」

桜は待ってましたと言わんばかりの目つきで男を睨む
男はそれを見ると怖くなってその場から逃げ出した

「桜ちゃんて怖いもの知らずだよね」
「私にはランゲルス星人の加護があるから、どんな敵が来ても大丈夫だよん」

要するに自分は強いといいたいらしい、事実恭子は桜が絡まれていて負けるというところは見たことがない

「今日はリトルガーデンに寄っていこうよ」
「うん、私もお腹の妖精さんがピーピー言ってるから」

二人はリトルガーデンへと向かった

「あら、恭子ちゃん、桜ちゃんいらっしゃい」
「今日は~」
「妖精さんの為に何かちょ~だい」

二人を出迎えたのは、20台の女性、麻生 恵(あそう めぐみ)であった
桜のいとこでもある恵は恭子と同じく数少ない桜の理解者でもあった

「はいはい、席について待っててね」

恭子と桜は言われた通りに席へと座って待っている
普段は人の言うことを滅多に聞かない桜だが、恵には頭があがらないらしい

「恵ちゃんはランゲルス星人も認めちゃうほどの騎士だから」

とにかく喧嘩が強いということだ、過去に何かあったらしく桜は恵の事を尊敬している、が恐怖する対象でもあった

「はい、お待たせ」

恵はコーヒーとケーキを持ってくる
慣れた手つきで桜と恭子の前に置いていった

「じゃ、ゆっくりしていってね」

恵はにっこりしながら席を去っていった
いつもどおりの日常、桜は戦いの為に改造された
だが、今の生活がとても好きであった
by meruchan0214 | 2007-02-01 08:54 | 短編小説


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