53陣 思い出す 全て

飲み込まれながらも必死の攻撃を続ける、ハイシェントとエレストリカ
だが、全身が包み込まれた時には攻撃は届かなくなっていた
どんなに出力が大きくても届かない攻撃、身動き一つできない状態、何もできずただ飲み込まれていくだけだった

「くそ・・・」
「どうして・・・、犠牲は私だけで良かったのに」
「棗さん一人にはできなかったから・、でも・・・」

二人にはもうどうすることもできない、身動き一つさえとることもできなかった
徐々にVACGが侵食されていくのが肌で感じる事ができる

「このまま、終わるのか・・・」

二人には絶望しか残っていなかった、ただ死を待つだけであった

「全く、だらしないわね」

どこからともなく、ダリアの声が聞こえてきた

「幻聴が聞こえるようじゃ・・・もうおしまいだな・・・」
「馬鹿なこといってないでよ、幻聴でも何でもないわよ!!」

はっきりと頭の中に聞こえてくる声、確かに幻聴ではなかった

「貴方はその程度じゃないはずでしょ!!」
「俺はダリアとは違うよ」

そう、自分はダリアとは違う元々唯の人間だ、例え同一存在だとしてもダリアのように強くは無いそう思っていた

「あんた、本気で言ってるの?VACGの強さを決める最終的なモノ、もう忘れたの?」
「強さを決めるもの・・・」
「あんたがそう思ってるなら、ハイシェントもそこまでしか力を出せるわけないじゃない」

竜哉は何が大切な事なのか考えていた、そう自分達は皆を守る為に、棗を守る為にここまで来たのだ
想いは人を強く動かす、それがハイシェントの力となる

「そうか、そうだったよ」

竜哉は何かを吹っ切ったようにハイシェントを動かそうとした

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

既に全体を侵食されているにも関わらず出力を上げ続ける

「竜哉君!!ハイシェントが持たないわよ!!」
「大丈夫、俺には皆を守る義務があるから」

ハイシェントのパワーがグングンと上昇していく、それは留まるところを知らなかった

ミシ、ミシミシミシ

侵食された部分を無理やり引きちぎり、肉の壁を突き破りハイシェントは動き出した
そして、核となる部分へと突き進んでいった

「これで、終わりだ!!」

ハイシェントの渾身の力をこめた一撃が零距離で核に命中する
その瞬間、激しい地響きと共にハイシェントとエレストリカが肉壁から開放された

「はぁ、はぁ」

核は消滅し、巨大な生物も消え去っていた

「や、やった」

竜哉は勝利を確信すると、喜びの声をあげた

「全く世話の焼ける奴なんだから」
「ダリアと一緒でね」

メルとダリアのソルレオンも遠くからそっと見ていた
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by meruchan0214 | 2007-02-21 12:35 | 竜の翼 ハイシェント


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