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アーツの章 11輪 ひと時の平和

アーツ達は魔族達との戦闘を終えてグラディアでひと時の休日を楽しんでいた

「こうやって、のんびりするのも久しぶりだな」
「そうですね」

アーツとマヤはグラディアの城下町をゆったりと歩いている
いつもの見慣れた風景がそこには広がっていた

「そういえば、ハクガさんのこと聞きましたか?」
「ああ、ハクガも思い切ったことをしたもんだ」

ハクガがグラディアの地方の領主に対して農民達を纏め上げ、領主を没落させた
その話は瞬く間にグラディア中に広まっていた

「あそこは元々良い噂は聞かなかったからいつかはなるかと思っていたが・・・」

同じグラディアとはいっても収めている地方の領主によって分かれてしまう
場所によってはこのグラディアの本土よりも栄えている地方があるほどだ

「ハクガはあそこの住人には英雄と祭り上げられているけど・・・」
「でも、ハクガさんの性格ですとあそこには収まらないですね」
「そうだな」

仲間として、親友としてハクガを知っているからこそ分かるハクガの行動
ハクガは自分がトップになるつもりは全くない
自分が正しいと思っていることをやっているだけだからだ

「タキルも戻ってきた事だし、これから何とかなる気がするな」
「魔族と上手くやっていけると思いますか?」

マヤがアーツに疑問を投げかけるように問う

「少なくともタキル達と一緒に居た魔族は信頼できる」
「ヘーテさんとか?」
「ああ」

今、魔族達はルティの経営する宿屋で寝泊りしている
何回かタキルの部下達に出会ったが、誰もが気さくで人間と変わらない

「でも、人間でも魔族でも争うって言うのは大変な事だな」
「沢山の命が失われますからね」

今まで魔族達と戦って死んでいった人間は数知れず
襲われて殺されるだけの人間はそれよりももっと多い

「魔族についてもっと知る必要があるな」

戦うべき魔族、共存できる魔族、それを全て知る為には彼らの事をもっと知る必要があった
by meruchan0214 | 2007-03-16 12:06 | 架空世界[フリトアネイス]


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