<   2006年 09月 ( 52 )   > この月の画像一覧

11輪 求めるは力

魔物退治、タキルにとってそれは普通のことである
以前から村に居たときにも魔獣との戦いは何度もあった
一番活躍していたのはもちろんケイナであるが、タキルやハクガも男ではトップクラスであったのだ

「少しでも実戦で修行しないとな・・・」

アーツと違いタキルの目的は村を襲った魔族を倒すための修練でしかない
戦えば戦うほど自分の力は伸びていく、それは肌で感じてはいた

「タキル、何ボーッとしているんだ?」
「いや、なんでもない」

ハクガに言われ我に返るタキル、自分の中で一瞬魔族の血が騒いでいた気がした
今は目の前のことに集中する、しっかりと仇をとるのはそれからだ

タキルは思い直したように自分に気合をいれた

「よっし!!やるか!!」

タキル達はその魔物が目撃された場所へと向かった
そこは森の中で昼でも薄暗く嫌な雰囲気はしている場所であった

「ティリカ、無理をするなよ」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん!!」

ティリカも戦えるとはいえ、実の妹だ当然心配になる
それにまだ、ティリカは戦いの基本は分かってはいるものの、深いところまでは分かっていない
元々、魔法使いタイプなので問題はないといえば問題はないのだが、時としてそれが命取りになる可能性もあった

「さて、さっさと終わらせるか」

タキルは自分の力を覚醒させていく
体内に眠っている血を呼び起こす、体から魔力がほとばしるのを感じる

「これでよしと、どうやって動こうか」

ティリカ以外は自分の腕にかなりの自信を持っている
一緒に行動しても良かったが、別々でもなんら問題はなかった

「私はバラバラでもいいと思うが、ただし万が一を考えて、皆に知らせる手段は持っておこう」
「俺もそれで問題ない」
「僕も構いません」
「了解、んじゃ皆に知らせる手段は俺に任せてください」

タキルはちょっとした詠唱を唱えると、球状の赤い何かを作り出す

「これを割ればみんなにその位置が分かるのでお願いします」

タキルはティリカ以外の全員に赤い球を渡す

「えー私にはー?」
「ティリカは俺と一緒に行動、分かった?」
「は~い」

すこしむくれているが悪い気はしてはいなさそうであった
むしろ、どこか嬉そうな表情であった
むくれているのはわざとそうしているみたいにも見える

「それじゃあ、また後ほど」
「了解」

皆それぞれバラバラに動き始める

「さて、ティリカ行くか」
「うん!!」

まだまだ、自分は修行不足
力をつける為にもまずこれが一歩なのだ
タキルはティリカと共に森の中へと入っていった
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by meruchan0214 | 2006-09-30 18:55 | 架空世界[フリトアネイス]

Misson33 進撃の狼煙

数は少なくともウロボロスの軍勢は戦った
相手の数は多いが、それに負けないくらいの覇気である

「フリスさん、アコナ、左お願いします」
「了解」
「ラユさんは私と右を」
「分かったよ!!」

リシェルの絶え間ない指揮が飛び交う
ウロボロスに搭乗していた時からそうであったが、現場の状況判断は彼女に勝るものはない
機兵操縦の腕はフリスやアコナ達の方が上かもしれないが、全体的な判断では圧倒的にリシェルが上である

被害が少ない防戦を行いながらも、フリス達の遊撃部隊は少しずつではあるが敵の数を減らしていく
ウロボロスはレオルが指揮しており、ここだという場所へといつも動いてくれている

「流石、レオルだな・・・」
「うん、一緒に戦うだけで百人力だよ」

士気の高さでは完全にヴェルゼを圧倒している
調子に乗っている、フリスやラユ達を止めるのはヴェルゼの機兵には難しい事だった

グラッ

急にリシェルのフルゲストがバランスを崩す

「リシェルさん!?」
「ごめんなさい、大丈夫」
「リシェルさんはウロボロスに戻ってください、後は俺達が何とかします」
「・・・、そうさせてもらうわ・・・」

少し考えたリシェルであるが、素直にフリスの言葉を聞く事にした

「代わりに俺が出ますよ、アルオルスの修理は終わってるのでしょう」
「そうね、お願いします・・・」

リシェルはレオルがきっと仲間になるのを見越していたのか
アルオルスの修理を整備班にやらせていた
ヴェルゼとウロボロスでは多少技術が違うために多少概観は異なっている
だが、性能的変化はほとんどない

「レオル、アルオルスでるぞ!!」

リシェルのフルゲストと入れ替わりにレオルのアルオルスが出撃する
ハイシェントと同等以上の戦いをしたアルオルス、すぐに戦場へとやってくる

「レオル、本当に一緒に戦ってくれるんだな」
「ああ、俺もお前と同じように騙されてみるさ」

含んだ言い方をするが、決して悪い言い方ではなかった
何よりもフリスはレオルと一緒に戦えるのがうれしかった

「そっちは任せたぜ」
「それはこっちの台詞だ」

二人を止められるものは何も無かった
恐らく普通に戦っていただけでは負けていたかもしれない
一緒に戦える、負けるわけが無い、そんな気持ちが心から湧き上がってくる

「いっけええええ!!」

破竹の勢いで敵を撃破していく、ハイシェントとアルオルス
ヴェルゼはこの勢いに押されたのか次々に後退を始める

「皆さん、お疲れ様でした・・・、敵は撤退していきます」

ウロボロスからリシェルの声が聞こえる
こちらの被害はほとんどない、出たとしても多少の損害で修理すれば何とかなる程度

「何とか乗り切ったな」
「そうだな、だがまだまだ辛い状況は続くぞ?」
「大丈夫さ、お前と一緒なら」

フリスとレオルは二人して笑う
久しぶりにこんな風に笑った気がする
どんな困難な状況でもレオルが加わってくれたのなら何とかなる
本当にそんな気がするから不思議でしょうがない

「リシェルさん、体大丈夫なのだろうか・・・」

唯一の気がかりは戦闘中に体をおかしくしたリシェルである
もしかしたら、もう限界がきているのかもしれない
それだけが不安になりながらも、フリス達はウロボロスへと帰還した
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by meruchan0214 | 2006-09-30 11:28 | 守護機兵 ハイシェント

Misson32 追撃戦

「リシェル艦長!!ヴェルゼの機兵です!!」
「やっぱり、追ってきたわね・・・」

当然といえば当然、こちらの戦力が消耗している今が相手にとって好機だろう
何としてでも逃げ切らなければならない、ここで落ちるわけにはいかない

「稼動機兵はどのくらい?」
「20機です、ハイシェントやエルブラスト含めてですが・・・」
「分かったわ、ここを乗り切らなければ明日はないわね」

ウロボロス内に警戒体勢の警報が鳴り響く
いつも以上の緊張が辺りに広がっていた

出撃前にパイロットは全員格納庫へと集められる

「今回は私も出ます、ここで絶対に負けられません」
「リシェルさんが!?ウロボロスの指揮は?」
「ある人に頼んであります、みんなにはその人の言う事に従うように指示してあります」

ある人、誰のことを言っているのだろうか分からない
しかしリシェル本人が出るということはよほど信頼を置いているということになる

「ジョニカは残ったフルゲスト隊を指揮して頂戴」
「分かりました」
「フリスさん、アコナ、ラユさんは私と一緒に遊撃よ」
「了解」

リシェルはフルゲストに乗り込む、ついで、ほかのメンバーも次々と機兵に乗り込んだ

「いい、あまり突出はしないこと、ウロボロスのフィールドを生かしながら戦いなさい」

格納庫から次々へと機兵が出撃していく、これが最後の守りなのだ

「リシェルさん」

フリスがリシェルに通信を飛ばす

「何かしら?」
「ウロボロスの指揮を任せた人って・・・?」
「貴方も知っている人よ」

フリス達はヴェルゼの軍隊を抑えるべく、立ちはだかる
こちらは20機、敵は100を超える大軍勢明らかに不利な状況だ

「さあ、来るわよ」

今までにない最悪の状況、だがこれを打破しなければならない
フリス達は死力を尽くして戦いに入ったのだ

ウロボロスでは戦いを見守る通信官達
そこに一人の男がやってきた

「・・・」

その男はレオルであった、レオルは出撃前にリシェルにウロボロスを頼むとだけ言い、出撃した

「人を疑う事を知らないのか・・・」

レオルは心では分かっている、疑っていないのではない
信用するに値する人間だとリシェルが認めたのだ

「リシェルの命令でウロボロスの指揮を命じられた、お前たちしっかり動けよ!!」

ウロボロスの指揮をするレオル、完全にヴェルゼの事を吹っ切ったわけではない
だが、フリスやラユ、そしてリシェルの言葉を信じてみようと思っただけだ

「シールドを味方にかぶせるように動け、少しでも被害を減らすんだ!!」

ウロボロスはレオルの指示で動く

「この声は・・・レオル?」
「そう、お願いを聞いてくれたみたいね」
「そうか、レオルが一緒に戦ってくれるのか・・・」

フリスはうれしかった、親友であるレオルが一緒に戦ってくれる
たった一人加わっただけだが、まさに百人力とも思えそうなくらい嬉しかった

「よし、いくぞ!!ラユ!!」
「うん!!」

レオルが仲間に加わった事はフリスとラユの士気が大幅に上がった
数では少ないが何故か自信が沸いてくる

負けられない戦いに希望の光が見えた気がした
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by meruchan0214 | 2006-09-29 11:56 | 守護機兵 ハイシェント

勿忘草~ワスレナグサ~ 終幕

二人で居たときはいつでも幸せであった
賢治は逃避行を続けてこそいたが、二人で過ごせるだけでよかった
一箇所にずっとは居られない日々

苦しいときはどんなときでも彼女の歌が癒してくれた
彼女も自分を求めてくれたそれだけで良かった

「賢治さん、大事なお話が・・・」
「ん、どうしたんだい?」

紅葉が珍しく真剣な表情で賢治に話しかけてきた

「実は赤ん坊ができたんです」
「え、本当か!?」

賢治は嬉しかった、自分の愛した人の子供が出来た
紅葉も賢治が喜んでくれて本当に嬉しそうな顔だ

「そっかあ、男の子かな、女の子かな?」
「ふふ、まだ気が早いですよ、あ・な・た」

どんなに苦しくてもどんなに辛くても幸せだった
これからも幸せが続けばいいと思っていた

人と妖、種族の差なんてものは関係ない
愛せるか愛せないかが問題なのだ
自分が居た研究所には妖の力を利用しようとしていた
しかし、そんなものは不要、共存すればいいのだ

「ああ~、まだかなあ・・・」

賢治は部屋の前をウロウロしている
流石に病院に連れて行くわけにもいかず、紅葉の知り合いであるという同じ妖に手伝ってもらっていた
だが、賢治自身はただ待っているだけであった

「う~ん・・・」

ただ待つだけがこんなにもどかしいとは思わなかった
早く自分と紅葉の子供の顔が見たくて見たくてしょうがなかった

「オギャア!!オギャア!!」

赤ん坊の声が辺りに響き渡る
ついに子供が生まれたのであった

「紅葉!!」

いてもたってもいられなくなった賢治はすぐさま部屋へと入る

「あなた、可愛い女の子・・・ですよ」
「ああ、お前に似てかわいいよ」
「ふふ、貴方ったら」

玉のように可愛い女の子であった
名前は色々と考えたが、紅葉の希望もあって楓と命名された

「これからは3人で暮らしていきましょう」
「ああ」

紅葉は歌を歌う、喜びの歌を
幸せを謳う歌、この時を忘れないように

「あ、そうだこれ勿忘草摘んできたんだ」
「ありがとう、本当に嬉しい」

楓の誕生、幸せな日々、だが幸せは長くは続かなかった

「古山賢治さん、探しましたよ」

賢治が街に買出しに出ていたとき、それは訪れた

「ちっ!!」

賢治は一目散に逃げ出す、ここで奴等に捕まるわけにはいかない
何より子供の楓はまだ小さい、賢治は必死に奴等から逃げた

「はぁはぁ・・・」

どれだけ逃げたかは分からない、どこをどう逃げたのかも覚えてない
ただ、もうここには居られない、すぐにでも出発しなければいけない

「早く、早く逃げなくては」

焦る賢治、紅葉の元へと駆け出そうとする

ターン!!

一発の銃声が辺りに響いた

「ぐっ・・・ぅ・・・」
「追いかけっこはもうお終いにしましょうか」

黒服たちはもう賢治に追いついていた
息を切らせていた賢治とは違い、汗一つかいていない

「くそ・・・」

薄れていく意識の中、ただただ紅葉の無事だけを祈った
賢治の頭には紅葉の歌がよぎっていた

勿忘草 私を忘れないで
生まれたこの世界に一つの真実の愛

賢治の倒れた周りには血にぬれられた勿忘草がひっそりと咲いていた
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by meruchan0214 | 2006-09-28 19:51 | 守護機兵 ハイシェント

Misson31 逃走する時間

何とか相手の攻撃の射程外まで逃げ延びたウロボロス
戦艦にこそ被害はないものの、機兵乗り達が受けた傷は大きい

「相手の事がもう少し早く分かっていれば・・・」

リーシェがそんなに悲しそうにそして悔しそうに話すのは初めて見た
今回のことは仕方が無い誰の責任でもないが、自分のせいにでもしないと気が治まらない

「しばらくは戦闘行動は無理・・・ですか?」
「そうね・・・、こんな大事なときにそんなことしていられないのだけど・・・」

フリスは自分達の力だけでは無理なのは分かっていた
いかに高性能の機兵でも、限界は存在する
リシェルの判断は正しい、一気に半数以上の戦力を失ってしまったのだ

「ジョニカ、アースラインはどうでると思う?」
「アースラインはしばらくは大人しくしていると思いますよ、この前の戦いでかなりの戦力を投入しましたからね」

戦うべき場所がまだヴェルゼのみに集中できるというのは不幸中の幸いか

「しばらくフリスさん、ラユさん、アコナ、ジョニカには苦労かけるけど、お願いね」
「分かりました」

戦力が再び揃うまではどうしようもない、しばらくは防戦が続くであろう
フリスはあの巨大な兵器にどうすればいいのか悩んでいた

「また、あれと戦う事にはなるけど・・・一体どうすれば・・・」

ウロボロスの電磁シールドでやっと防いだのだ
ハイシェント一機では簡単に吹き飛ばされるであろう

「とにかく、今は皆休んでください」
「はい」

今までとは違う完全な負け戦、負けを忘れていたわけではない
勝ちが当たり前になりすぎていた、それだけに負けたときのショックは大きいものだった

「ねえ、フリス、あれに対抗する手段ってあると思う?」
「さあ・・・な」

アコナが不安そうにフリスに話す
当然だろう、自分だってあんなのに勝てる気がしない
表面上は平静を装っている、だが対抗する手段が見つからない

「これからは激しい追撃戦になるな」
「そうだね・・・」

ヴェルゼがこの機会を逃すはずが無い
こちらの息の根を止めるために、必ずやってくるだろう

今、フリス達は窮地に立たされている
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by meruchan0214 | 2006-09-28 14:09 | 守護機兵 ハイシェント

Misson30 激変する戦

「アコナ、ラユそっちを頼む!!」
「了解!!」
「任せて!!」

ウロボロスでの戦いは続いていた、どんな時でもいつその時はやってくるかはわからない

「ジョニカさん、そっちはどうですか?」
「こっちは大丈夫だよ、フリス君こそしっかりやりな」

仲間達と共に戦う日々が続く、それが嫌という訳ではない
いつまで続くか分からないこの時、今はただ戦うしかない

「フリス!!新しい敵来るよ!!」
「分かってる!!」

アコナの通信が飛ぶ、ここしばらくはウロボロスの陣営が有利に戦闘を進めている
フルゲストの開発や、ジョニカ隊が加わった事が大きな理由であろう

ドガァァァァァン!!

また一機、戦場で散っていく
戦えば少なからず命の危険が伴うが戦わなければ戦いを知らない者達は守れない
多分、今相手の機兵に乗っている人間も同じ事を考えているだろう

「お前達は悪くないのにな・・・」

フリスは敵に同情しながらも、仕方なしに撃破する
どちらかが退くということはありえない、どちらにも信念というものがある

「すまないな」

戦場では一瞬の判断が命取りになる、例えそれがどんな高性能な機兵を使っていてもだ
油断はできない、フリスは自分のやらなければいけないことをわかっている
だから、迷わない、先へと進めるのだ

「熱源反応・・・?」

レーダーに反応した新しい熱源、何かが集まっている、そんな感じであった

「いけない!!全機兵早く、ウロボロスに戻って!!」

リシェルの声が全員の通信へと通じる
熱源が収束していくのを見て、その現状はフリスも理解した

「あれはヤバイ!!皆、退け!!」

だが、時既に遅し、その熱源から収束されていたものが放たれた

ピカッ!!

戦場一帯が光に包まれた

ドオオオオォォォォォォォォォン!!

ウロボロス側の機兵が一気に薙ぎ払われる
それは凄惨たる光景であった

「生き残ったものは早くウロボロスに!!」

流石のウロボロスでもあれを直撃を受けて無事かどうかは分からない
ここはとにかく二発目が来る前に退くしかなかった

「ヴェルゼは何てものを開発したんだ・・・」

味方ごと焼き尽くした光、その光の発射された場所には一つの超巨大な砲塔があった
あれこそが、ウロボロス陣営を焼き払ったモノであった

「全速で逃げるわよ」

ウロボロスは巨体とは言うものの、速度が遅いわけではない
でかいなら、でかいなりの装備と言うものがあるのだ

「リシェル艦長!!二発目来ます!!」

通信官から叫ばれる言葉、その次の瞬間にまたあの巨大な砲塔から光が放たれた

バリバリバリバリバリ!!

ウロボロスの電磁シールドが全力で展開される

「みんな、衝撃に備えて!!」

電磁シールドの巨大なエネルギーに阻まれたのか
光はウロボロスにはあたらなかった
しかし、その余波は内部影響を与えていた

ズズズズズズズ!!

激しい揺れをウロボロス全体で感じられる
人間はとても立っていられる状態ではない

「なんとか・・・無事・・・、みたいだな」

フリスは格納庫の中で息をつく

「まさか、ヴェルゼがあんな平気を用意していたなんてね」

アコナも無事だったらしく、フリスに近づいてきた
本当にとんでもない兵器である、連射はできなくても、あれだけの機兵を薙ぎ払う威力
ウロボロスでも直撃したら撃沈するかもしれない

「あれは、熱線だったな」
「ええ、あんな高熱で巨大なモノどうやって作ったのかしら・・・」
「もしかしたら、極秘に建造していたかもね」

二人の会話に割り込むようにラユが話しかけてきた

「ラユも無事だったか」
「うん、でも巻き込まれたのは・・・」
「確かにな・・・、一気にこちらの半数はもってかれた・・・」

ウロボロスで戦って以来、一番の被害であろう
今までは何機は落ちる事はあっても、無事だったりすることもあった
今回はそうではない、あれの直撃を受けたものは生きてはいない

「全く、ヴェルゼもとんでもないもの作ってくれたね」
「ジョニカさんも無事だったんですか!?」
「何とかね、だけど私の隊の何人かはあれに巻き込まれた」

言葉では冷静を装ってはいるが、ジョニカは辛そうにしていた
一気にたくさんの人間が死んでしまったのだ

「皆さん、ブリッジに集まってください・・・」

格納庫へと響くリシェルの声、その声はやはりいつもの覇気がない
これからどうなるのか、どうすればいいのか
あのとてつもない兵器に対抗できるのか、分からない
戦局だけが一変したのは誰から見ても明らかであった
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by meruchan0214 | 2006-09-27 21:41 | 守護機兵 ハイシェント

お知らせについての独り言

いつも古びた小説置き場を見ていただいてありがとうございます
9月26,27は実家に帰省のため、更新できないかもしれません
(ネット環境自体はありますので、PCがあれば更新できるかもしれません)

できる限り更新するように努力はいたしますが、できなかったときは申し訳ありません

最近、言われたことなのですが、私は大体下書きなど一切してないんですよね
これってやっぱりおかしいのですかね・・・
まあ、書いている量が少ないので許容範囲ですよね

ハイシェントもいよいよ中盤に入ってきた気がします
(気がするというのは、私のきまぐれなのでまだ中盤じゃないかもしれないし、終盤かもしれません)
これからもお引き立てのほどをよろしくお願いいたします
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by meruchan0214 | 2006-09-26 14:04 | 独り言

10輪 試せる場

魔族討伐隊が編成され、大々的に城を出て行く
アーツは魔族討伐隊からは外されていたために見送るだけであった

「はぁ、父さんの考えている事が分からない」

父親は魔族討伐隊の隊長として、出陣していく
アーツに対しては自分の居ない間のグラディアの守りは頼むとのことだった

「あ~、悩んでも仕方ない、修行だ修行!!」

頭をかきながら部屋を出るアーツ
廊下を歩く度にメイドがアーツに向かって頭を下げている

「アーツ御坊ちゃま、どこかお出かけですか?」
「ああ、ちょっと騎士団で訓練してくる」
「左様でございますか、行ってらっしゃいませ」

アーツは執事と話を終えて、家をでる
外は太陽が明るく良い天気であった

「こんな事言うのも何だけど、事件ないかな・・・」

自分の腕を試したくてしょうがない
騎士団とかそういったものを抜きにして、個人の力を試してみたいのだ

「こんにちは、アーツさん」
「ああ、君は確かアーシャ・・・様か」
「別にいいよ、そんなのつけなくて、堅苦しいだけだから」

先の出来事のあった、村の生き残り今では王位継承者、王女様
だが、今までが今までだったらしく、様付けをされるのを嫌がっている

「それでも、王女様だからね」
「もう、皆そう言って様付けするんだから」

プリプリと怒っている姿は王女らしさは微塵も感じられない
来ている服も一般市民が着るようないたって普通の服である

「それよりも、アーツさん、お話があるんだけど如何?」
「話?」
「単純に言うと、魔物退治なんだけど」
「ああ、なるほどね」

アーツには断る理由は特に無かった
それよりも自分の実力が試せる良い機会だと思ったのだ

「分かりました、どこに行けば?」
「こっちこっち」

アーシャはアーツを案内する
連れて行った先はルティが新しく開いたお店であった

「ここは確か」
「そう、ルティ姉のお店、結構繁盛しているんだから」

アーシャはルティの店へと入っていく
ついでアーツもお店の中へと入っていった

外見もそうだったが、内装もきれいに纏まっていた
派手すぎず、お粗末すぎず、ちょうど良い感じに設定をされていた

「アーツさんですね、この前はどうもありがとうございました」

アーツが中に入るとルティがアーツに気がついて声をかけてきた

「いえ、当然のことをしたまでですから」
「アーシャが連れてきたということはアーツさんも魔物退治に参加されるのですね」
「ええ、そのつもりです」
「それでは、こちらへどうぞ」

ルティはアーツを別の部屋へと案内する
そこは小さな会議室みたいになっており、中にはこの前助けたタキル・ヒュリス、その妹ティリカ・ヒュリス、騎士団に入団したハクガ・レヴォル、そして、父の親友であり今もなお騎士団で動いているヒリウ・ロウコの姿があった

「ヒリウさんもですか・・・」
「アーツか、民の事を思えばこそだよ」
「そうですね」

会議室に集められたのはいかにも曰くつきの面々であった

「皆さん、集まっていただいてありがとうございます」

全員が集まったところで、ルティから説明が入る

「最近、この街の周辺に魔物が目撃されているそうです、幸い街にはまだ被害が出ていませんが、何かある前にこれを討伐してくれとの依頼が来ています」

ルティのお店はただの食堂や酒場だけではなく、こういったモノの依頼の斡旋所としても活動していた

「まだ、私たちも始めて日が浅いので身内に頼む事になりますが、よろしくお願いいたします」

ルティはここに集まった皆に深く頭を下げる
自分の腕が試せる場ができたのはうれしかった
これから自分のできることがどういうことが出来るのかが試せるのが待ち遠しかった
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by meruchan0214 | 2006-09-25 14:42 | 架空世界[フリトアネイス]

勿忘草~ワスレナグサ~ 後編

彼女といる時間がずっと続けばよかった
賢治は夜僅かな時間のみ彼女とすごすのが楽しみだった

だが、彼女は毎日研究され、ひどい扱いを受けている
自分では何かできないのか、悩んでいた

「これしか方法は無い・・・か」

彼女を助け出す唯一の手段
ここの研究所の妖を一斉に開放する事
一人一人の妖を押さえつける事はできても、数多くの妖は抑える事は到底できない

「だけど、俺も殺されるかもな」

正直に言えば、自分も研究所員だ
ここの妖には嫌というほど恨まれているだろう
開放すれば暴れだす妖に殺される可能性の方が高い

「だけれど、彼女をこのままにはできない」

賢治は意を決したようにこの事を紅葉に伝える事にした

「君をここから逃がそうと思う」
「え、どうやってですか?」

これから、賢治のやることをただ黙って聞いている紅葉

「そんなことして、大丈夫なのですか?」
「君をこのままここに居させる訳にはいかない」

紅葉のことを好きになっていた賢治
好きなものの為なら命をかけても惜しくはない

「ありがとうございます、でも、逃げるときは一緒に・・・」
「はは、頑張ってみるよ」

種族を超えた愛、二人は惹かれあい求め合っていた

「私が皆さんに呼びかけます、やる日さえ教えていただければ・・・」
「分かった、また後で来るよ」

こうして賢治は研究所から彼女を逃がす為に動き始めた
ここの人間は恐らく妖によって殺されるであろう
自分もまた生き延びたとしても組織の人間に追われる事となる

だが、彼女を外へと連れ出せるのならば後悔はしなかった

「必ず、君を外の世界に」

そして、研究所がそこからなくなったのは数日後の話であった

紅葉の呼びかけにより、賢治は殺されずには済んだ
だが、その代わりに組織の人間から逃げ続ける日々となってしまった

「紅葉、済まないなこんな自分につき合わせてしまって」
「いいんですよ、私は賢治さんについていこうって決めたのですから」

愛し合う二人、種族なんてものは彼らには関係なかった
逃げ続ける日々が続いたが、二人は幸せだった

「こんなところにも、勿忘草が咲いているな」
「そうですね、あ、勿忘草の花言葉って知っています?」
「私を忘れないで、だろ」
「はい、それもありますけれど、誠の愛って言葉もあるんですよ」
「へぇ、そうなんだ」

二人の時が永遠に続けばいい
たとえ、逃げ続けなければいけない日々だったとしても幸せである
この先も二人で生きていけたら、賢治はそう思っていた
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by meruchan0214 | 2006-09-25 14:12 | 短編小説

Misson29 暗い中で

ウロボロスの独房の中、一般的に罪人が入れられる場所だ
だが、普通の牢屋と違い部屋自体はほかの部屋とさして変わらない
内側から部屋の鍵が開けられないくらいである

生活する分には何ら問題はない空間
リシェル曰く罪人にも人として暮らす権利はあるそうだ

「俺は一体どうすればいいんだ・・・」

レオルは一人部屋の中で考え事をしている
親友であった、フリスやラユが裏切った事
自分が信じていた事、ありとあらゆる事を考えていた

「分からない・・・、フリス、ラユお前たちは何を知っている」

自分の国の事、自分たちの事だけしかしらない
フリスやラユが本当は自分にうそをつくはずもない
彼等が騙されていない事も分かっている

だがそれを認めてしまっては、あの時自分たちがした約束が反故になると思ったのだ

「俺はどうすればいい・・・」

考えれば考えるほど分からなくなってくる
頭の中でグルグル回り、混乱してくる

シュイィィィィン

独房の部屋が開く
そこにはウロボロスの司令官、リシェルの姿があった

「こんにちは、レオルさん」
「一体何のようだ」

ここ毎日のようにレオルの所へ通っているリシェル
話す事は決まって、自分たちの仲間にならないかということ

「フリスさんもラユさんも貴方と一緒に戦っている事を望んでいます」
「だから、どうしたんだ!!裏切り者達の言葉は聴きたくない!!」

いいたくも無い言葉がつい出てしまう
自分が意固地になっていることも承知はしている

「そうですか、でも、フリスさんやラユさんは自分達の意思でここに居ることを忘れないでくださいね」

リシェルはそれだけ言うと独房を出てしまう

「本当に、本当にヴェルゼはあんなことをしているのか・・・」

以前にリシェルがやってきたときに見せられた映像
あれは確かにヴェルゼの軍人であった
自分たちも何度か見た事がある、軍の上層部であった

「フリス・・・」

レオルはただウロボロスへとくだった仲間達のことを考えていた



「レオルの様子、どうですか?」

フリスが心配した声でリシェルにたずねる

「そうね、大分悩んでいるみたいだったわ、もう少しってところかしら」
「あいつ、あれで頑固ですからね・・・」
「でも、本当はいい人なんでしょう?」
「ええ、なんていっても俺の親友ですから」

フリスはレオルのことを自慢げに話す
それだけ仲が良かったという証でもある

「レオルの事、お願いいたします」

フリスは頭を深々と下げる
一緒に戦ってくれたらどんなに心強いか分からない
自分が背中を預けられる友、早く真実に目覚めてほしかった
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by meruchan0214 | 2006-09-25 11:43 | 守護機兵 ハイシェント