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18陣 誘う 屋敷

今までのDEPSとは違う
メルが言うには関与している人間が違うということであった
倒したスライム状のDEPSはバーストフレアで消滅してしまった為に検証する事はできない

「でも、ハイシェントにそんな力があるなんてね・・・、私のエレストリカよりも強いかも」
「分からないけど、急に力が湧いてきたという感じだよ」
「ふぅん」

戦いが終わって一息つく二人

「安心するのはまだ早いわよ」

どこかで聞くいたことのある声、その声の主はリーシェだった

「リーシェさん!!」

リーシェが現れた事によって、メルがハイシェントの傍までやってきた
棗は戦闘態勢をとり、竜哉はどうしていいか迷っている

「ふふふ」

リーシェは呪文を唱えはじめ、一匹のDEPSが召喚される

「ナイーズ、彼らの相手をしてあげなさい」
「了解しました」

女性の体と顔、鳥の足と翼を持ったDEPSが現れる
神話に出てくるハーピと言っても差し支えがないほどである

「リーシェ様直属の三神将の一人ナイーズ参る!!」

ナイーズは大きな翼を羽ばたかせると一気にこちらに向かってきた

ドガッ!!

レドンとはまた違ったタイプのDEPS
空を飛び、高速で移動して攻撃をしてくる

「早いな」

今まで出会ったDEPSの中では間違いなく最速である
その動きはなかなかに捕らえづらい

「ナイーズ、後は頼んだわよ」
「リーシェさん!!待って!!」

メルが呼びかけるがリーシェはその言葉が聞こえていないかのように無視した

「ふふふ、私に追いつけるかしら」

ナイーズは縦横無尽に辺りを飛び回っている

「こっちよ、こっち」

挑発しながら周囲を飛び回る

「こっちだって、飛べないわけじゃあないんだ!!」

ハイシェントとエレストリカが空中に浮かび上がりナイーズと対峙する
だが、ナイーズはまるで追いついてみろとでも言うかのように飛び始めた

「逃げるつもりか!?」

竜哉と棗はナイーズを追いかける

「これまでは予定通りか」

ナイーズはボソリと聞こえないような声で呟いた
ある程度飛び、山間の中にナイーズは立ち止まった

「ふふふ、私達が巨大な体が私達の全てじゃないのよ」

ナイーズが不敵に微笑むと体が小さくなっていく

「なっ」

突然のことに驚く二人

「二人とも、私が後を追うから降りてきなさい!!」

二人の通信にメルの声が飛んできた
正直、DEPSがあんな能力を持っているとは思ってもいなかった
竜哉と棗はお互いにVACGから降りると、銃を片手に合流した

ガサガサガサ

茂みの奥からメルが出てくる

「ナイーズとかいうDEPSはあっちに逃げたみたい、屋敷に逃げたのまでは確認したわ」
「逃げたというのは妥当の表現じゃあなさそうだけどね」

棗の言うとおりだろう、明らかにこちらを誘っている

「でも、行くしかないよな・・・」

竜哉の言葉の通り行くしか道は無い
こちらは生身だが、メルが戦うつもりであった
二人はその事がどんなに心強く、嬉しかった

「ここは・・・」

屋敷の前まで来ると、竜哉は急に気が遠くなるような感覚に再び襲われた

『早く・・・、ここに・・・』

どこかの研究所の部屋の中、カプセルの外には怪しげな機械が並んでいる
そして、一人の人間がその機械の前に立っており、周りのモニターには竜哉達の姿が映っていた

「た・・・・・・ん・・、竜哉君!!」

棗の呼ぶ声に自分の意識が戻ってきた

「あ、ああ、すまない」
「もしかして、また何か声がしたの?」
「ああ、もしかしたらその人はここに居るかもしれない」

自分が直接見たわけではない、頭に風景が浮かんできていた
その自分を呼ぶ声が見ている風景だったのだろう

「ダリアがここに・・・」

メルは屋敷をじっと見つめた

「メル、もしもの時は頼むな」
「ええ、今回はダリアとリーシェが絡んでいる以上私も本気でやるわ」

三人は屋敷の中へと足を踏み入れた
それぞれの思いを抱きながら、暗い道を進んでいく
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by meruchan0214 | 2006-11-29 23:19 | 竜の翼 ハイシェント

突然の約束

忘れないように 書いていた

ずっとずっと 忘れていない

君が居てくれた日 僕が一緒に居た日

君の笑顔が眩しくて 僕はただ恥ずかしがっていた

二人は一緒に ずっと一緒に

忘れたくない 一緒に居よう

離れられない 永遠の誓い

運命は突然訪れる

変わらなければいけない日がやってくる

忘れたくない 思い出の向こう

君は突然居なくなってしまった

目の前から居なくなってしまった

忘れられない 思いをつづる

だけど 変わらなければいけない

君に笑われたくないから

僕は忘れることはない

だけど 決して振り返らない

変わらなければ 変わらないと

最後に約束した 君との約束
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by meruchan0214 | 2006-11-28 19:39 |

17陣 姿を 望む

プルルルル プルルルル
携帯がなる、何故かは理由は分かっている
DEPSが街中に現れたのだ

「急がなくちゃな」

竜哉は大急ぎで裏道を使い、NATSへと向かう
学校の傍に裏道があるというのは楽でいい

「竜哉」

急に自分を呼ぶメルの声
立ち止まるわけにもいかず、走っているとそれにあわせてメルも走っている

「どうしたんだ?」
「今回のDEPSもリーシェが作ったのじゃない、全くの別の種類よ」
「そうなのか」
「うん、とにかく相手がどう動くかは予想がつかないから慎重にね」
「分かった」

竜哉は大急ぎでハイシェントへと乗り込んだ

「遅い!!」
「すまない、だがすぐに出る!!」

棗の怒声を受けながらも直ちにエレストリカとハイシェントは発信する

ズル ズルズル

引きずるように歩くDEPS、スライムのような単細胞生物を思わせる

「とにかく、様子見だな・・・」

竜哉は腕のショットガンをばらまく
しかし、その弾は全てスライム状のDEPSの目の前で止まってしまう

「バリア・・・?」
「通常の武器はダメみたいね、私がいってみる!!」

棗のエレストリカがサイコブラスターで切りかかる

ブニョン

バリアは発生しなかったが、その軟体が精神の刃を包み込んでしまいダメージを与えられない

「厄介な相手だな」
「攻撃が効かないとなるとね・・・」

このDEPSは自身に効果が無い攻撃はその体で受け、効果がある攻撃はバリアで身を守るものだった

「ぶしゅ!!」

DEPSから何かが放出される
危険と判断した二人はそれを受けないように咄嗟に避ける

ジュウウウウウゥゥゥゥ

凄い音と共に地面が溶けている

「おいおい、マジかよ」
「動きは鈍いけど、どうしようもないわね・・・」

竜哉と棗は二人で攻撃はするものの、効果はきたいできない

「あのバリアさえなければ、何とかなるんだけど・・・」

竜哉は呟くと、以前ハイシェントを見つけたときの感覚が竜哉に蘇った

キィィィィィィィン

頭が痛い、だが妙にすっきりとしている
自分の中で何かが目覚めようとしている
だが、悪くは無い気分だった

「いける!!」

竜哉は目を見開き、DEPSを真っ直ぐに見た
自分を包んでいるオーラをハイシェントが増幅している

「今なら・・・バリアも壊せる気がする・・・!!」
「え、本当に・・・?」

棗の不安そうな声をよそに、竜哉は力をため始めた

「いっけぇえ!!バーストフレア!!」

ハイシェントの口、胸部、肩に光が収束していく
それが解き放たれると、赤い閃光がスライム状のDEPSを捕らえる

パリィィィィン

あっけない音をたて壊れるバリア
赤い閃光はDEPSの体を一瞬で焼き尽くしてしまった

「すご・・・」

棗はただ驚きの言葉を上げるだけだった
ハイシェントにこんな能力があったとは知らなかったらしい

「やっと、覚醒した・・・か・・・、まあ、まだまだだけどね」

メルは少し嬉しそうな表情を浮かべている

「ピルルルルルル」

そのメルの腕の中でミスティが一声鳴いた
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by meruchan0214 | 2006-11-28 00:30 | 竜の翼 ハイシェント

16陣 聞こえる 声

謎のDEPSが現れ、調査が進む、だがこれといった情報は一切入ってこない

「一体、どういうことなんだろうな」
「さあ、でもあの子はかわいそうだったな・・・」

崩れ去っていくDEPSをただ見ているだけであった
苦しみながら消滅を待つだけ、何もできない

「一体どういう・・・」

竜哉は急に意識が遠くなっていく気がした
自分がここに居ると分かっているのに全く違う風景が見える

『私は・・・ここ・・・』

竜哉の意識に進入してきた何か、以前聞いた声にそっくりであった

『早く・・・早く・・・来て!!』

どこかの研究所の溶液の中に居る感覚
自分ではないがそこに自分を呼ぶ誰かが居る

「竜・・・、竜哉!!」

メルが竜哉に目の前を覗き込んでいた

「あ、ああ・・・」

感覚が自分のモノに戻る、自分を呼ぶ声、どことなくメルの声に似ている気がした

「なあ、メル」
「うん?」
「メルに兄弟っているのか?」

ダメで元々聞いてみるだけ聞いてみた
すると、メルは目を大きく見開いて驚きの表情を見せていた

「何で知ってるの?一度も話した事無いのに」

やはり、メルには兄弟がいるらしい
しかし、何故メルではなくて、自分を呼んでいるのかがイマイチ分からない

「いや、信じてもらえるか分からないけど、俺に助けを呼ぶ声がメルの声に似ていたから・・・」
「竜哉に・・・か・・・」

メルは竜哉の言葉に手をつけて頷く

「そういうことね・・・」

全てを理解したかのようにウンウンと一人で納得している

「自分だけ理解してないで俺にもわかるように教えてくれよ」
「あの消えてしまったDEPSも貴方に声が届いた理由も同じ事なのよ」
「というと・・・?」
「とにかく、その助けを呼んだ人を助けないとね、NATSの室長に頼みましょう」
「おい、ちょっと、答えになってないんだけど」
「助けたら全部分かるから」

メルはそれだけ言うと急ぎ足でNATSへと向かい始めた
恐らくはその助けを呼んだ人間はメルの兄弟であるとは予測はつく
溶けてしまったDEPSもその人間が原因なのかもまあ、分かる
自分に声が届いた理由だけが全く分からない

「あ、棗ちゃんにも連絡しておいてね、多分、VACGが必要になるだろうから」

どうやら一筋縄ではいかないようだ
竜哉とメルはNATSへと向かった、竜哉は全てを知る為に
メルは大事な人を取り戻しに行く為に
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by meruchan0214 | 2006-11-27 00:40 | 竜の翼 ハイシェント

15陣 感じる 運命

「反応が消えた・・・か」

暗い一室でリーシェがこぼれるように呟いた

「リーシェ様」

暗闇の中に突如現れる、黒い気配
その気配は人間のものではなかった

「例の件、確認してきました」
「そう、こっちも消えたのは確認したわ」
「やはりリーシェ様が仰られた通り、別の存在が関与している模様です」

黒い影は女性の声で丁寧にリーシェへと伝える
心から彼女を慕っている、そのようにも感じ取れる

「そう、もう一件はどうなの?」
「それは・・・もうしわけありません、未だに手がかりすら・・・」
「しょうがないわ、貴方達はよくやってくれているわ、ありがとう」

リーシェの言葉に黒い影は自分にはもったいないとも思えるような素振りを見せる

「時に、レドンは大丈夫でしょうか?」
「後2,3日もすれば傷は塞がるけれど、ナイーズも無理しないでね」
「もったいないお言葉です、我々はリーシェ様に命を救っていただきました、その恩は一生忘れません」

ナイーズと呼ばれた黒い影は丁寧にリーシェにお辞儀をする

「引き続き、調査をお願いできる?」
「かしこまりました」

ナイーズは闇に包まれその姿を消す
リーシェはそれを見送った後に大きな溜息をついた

「私やメルだけじゃない、誰か・・・、でも何故あんな不完全に・・・」

自分が知る限りではあんな不完全にはならないはずだ
全く知らない人間がやったならまだしも、自分達に関係する人間が失敗するとは考えにくい

「しかし、今は表立って余り動くわけにはいかないから・・・、メル達に期待するとしますか」

リーシェはフーッと息を吐き、資料をまとめ部屋を出て行く
その部屋には様々な動物が安らかな顔で眠っていた
リーシェは優しそうな顔で眺め、移動を始めた
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by meruchan0214 | 2006-11-25 23:14 | 竜の翼 ハイシェント

話題作りの為の独り言

実家から再びアパートへと戻ってきて、再開しました
行きはバスだったのですが、帰りは車で運転して帰ってきました
初めての高速だったのでちょっとドキドキしながら帰還
それでも、まあ、信号とかないから結構楽だったかな~とか思ったり

最近は平日の遅い時間に更新となっていまして、日が変わってから更新ということもしばしばですが、一応、毎日更新という事なので多少遅くても勘弁してください

ハイシェント2(仮)ですが、これからもまだまだ続きます
最近短編小説をまったく書いていませんが、そのうち書きます
でも、そのうちと言ってすぐに取り掛かってる時があったり全然取り掛からなかった時もあるのであてにはしないでください

ハイシェント2が終わったら次は何を書こうか今から悩んでいます
そろそろ本職?の現代ファンタジーにでも戻ろうかなとか思ってたり思ってなかったり

以前から書いていますけれども、私の書く小説に同じ名前の人間?が何人も出てきています
これは全部同一の存在です、ってこれも以前から書いていたかな・・・

理由はやはり小説を全て続けていくうちに明らかになっていくとは思います
何故彼女たちがここまででてきているかと言うと、影の主役が彼女たちだからです
いつか、彼女たちの視点でお話を書く日も来るかと思いますので
生暖かい目で見守ってあげてください

後、感想とか気軽に書いてくださいね
変なのでない限り(ぁゃしぃサイトからとかそういうの)は全然OKなのでお願いいたします
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by meruchan0214 | 2006-11-24 19:45 | 独り言

14陣 DEPS 変貌

次々と現れるDEPS、徐々に強くなっていったDEPSではあるが人間と同じような知能を持ち、行動する今まで考えられなかった事であった

「あれがDEPSの進化形という形ということでしょうか・・・」
「今までにはない存在であることは間違いないと思います」

室長はやれやれといった表情を見せ、椅子に座る
あんなものが次から次へと出てきたらとてもではないが対処はしきれないだろう

「メルさんはどう思いますか?」

室長がメルへと話を振る、リーシェを良く知るということで少しでも情報がほしいといったところだろう

「さあね、DEPSに知恵を授けたのは確かにリーシェだろうけど、地球を滅ぼすだけなら知恵を与える必要はないんじゃないかな」
「確かに、暴れさせるだけでいいもんな」

メルの言葉に妙に納得する竜哉
地球を滅ぼすだけなら考える必要なんてどこにもない
ただ暴れさせる存在を作ればいいだけである

「リーシェさんが何考えてるかは分からないけど、その先にある何かを考えてるはずよ」
「その何かが分かれば苦労しないのだがな」

ビーッ!!ビーッ!!

けたたましくなる警報の音

「大変です、再びDEPSが現れました!!」
「1日に2回もか・・・」

伝えにきた自衛隊員の報告を聞き、顔をしかめる室長

「疲れてるところ悪いが出撃してもらえるか?」
「私は平気ですが、ハイシェントが・・・」
「でも、さっきの奴なら棗さん一人では危険すぎます」

2機のコンビネーションによって何とか撃破した
それがまた現れたのならば、棗のエレストリカ一機では辛い戦いになる

「私も一緒にいってあげるよ、そうすればエレストリカ一機でも何とかなるでしょ」

メルの言葉はとても心強い、普段は戦わないと公言しているがいざとなればしっかりと助けてくれる

「室長さん、ミスティ預かっててね、もし何かしたら・・・」
「分かってますよ、私もそこまで愚かではありません」
「一応、竜哉君も一緒に来てね、戦わなくてもいいから」
「あ、ああ」

竜哉は自衛隊のヘリに乗ってついていく事になった、戦う姿を見せようということなのだろうか
現場に着くとそこには今までと同じようなDEPSが暴れていた
少なくとも、先ほど戦ったレドンと名乗ったDEPSではない

「こいつなら・・・」

棗は暴れるDEPSの前に降り立つ、メルもDEPSを見て棗だけで十分と判断したのか様子を見ているだけであった

「いくよ!!」

エレストリカはDEPSと戦闘に入ろうとする

だが、すぐに異変が起きた
戦おうとした矢先にDEPSの姿が崩れていく

ズルッ・・・ズルズルッ・・・

少しずつ溶けていくように崩れていく

「グオォォォォォン」

DEPSは苦しそうに声をあげた
棗も竜哉も声を聞いて気づいた、暴れていたのは苦しくて暴れていたのだ
徐々に溶けていくさまを見ているしかできない

「メル、何とかならないのか!?」
「何とかしたいけど・・・、この子今までの子と違う」
「今までと違う?」
「今までのは安定した存在になっていたけど、これは無理やり作ったみたい、もうこの子の体がもたないわ・・・」

苦しそうな声をあげて崩れていくのを見ているしかない
DEPSとはいえ苦しんでいく様をただ見ているのは心苦しい

「グォォォォン」

崩れていくDEPS、後には何事もなかったかのように塵一つ残っていなかった
何とも言えない空気がただ周辺を漂っていた
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by meruchan0214 | 2006-11-24 19:32 | 竜の翼 ハイシェント

17輪 魔獣の申し子

タキルとティリカが洞窟から連れてきた2匹の魔獣の子供
ルティは口では文句は言ったものの、飼うことには反対はしなかった
タキルやティリカのように自分たちに重なる部分もあるのだろう

「キャンキャン!!」

2匹の子供は餌を差し出されると嬉しそうに食べ始める
こうしてみると、魔獣とはいえかわいいものである

「名前をつけてやらないとな」
「名前はもう決めてるんだ」
「そうなのか、ティリカ?」

タキルが聞くとティリカは偉いでしょとでも言わんばかりに胸を張る

「ケルベロスとオルトロス」
「・・・」

現実に居る魔獣を名前にするのもどうかと思ったが、タキルは何も言わなかった

「ねー、ケルベロスとオルトロスが良いもんね~」

ティリカが2匹に向かって喋ると、魔獣は嬉しそうにキャンキャン跳ね回っている
そんなにその名前がいいのだろうか

「じゃあ、ケル、オル、散歩に行こう!!」
「キャンキャン!!」

ティリカはケルベロスとオルトロスを連れて外に出てってしまった

「まったく・・・」
「まあ、いいじゃないの、あの魔獣たちのお陰でティリカ本来の性格が出てきたし」
「それもそうだな」

タキルとルティが話している、二人は親が居なくなったとはいえ、精神的にはかなり成長している、だが、ティリカはまだまだ精神的にも子供である、親が居なくなったショックは大きいはず

「あの子、大分無理していたからね」
「しょうがないさ、俺だって本当は辛いからな」
「ケイナの事?」
「まあね、でも死んだと確認されたわけじゃないから、望みはあるさ」
「そうね・・・」

ルティとタキルはお互いを慰めあうように話し合う
やはり村であった出来事はすぐに吹っ切れるものではない

「ま、これから修行に行ってくる」
「そう、頑張ってね」

ルティはタキルを優しく見送った
村であった出来事は忘れられないだろう
しかし、それを受け入れて進まなければならない
その為に生き延びたのだから
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by meruchan0214 | 2006-11-23 19:23 | 架空世界[フリトアネイス]

13陣 進化する 敵

「竜哉君!!DEPSがきたわ!!」
「分かってるよ!!」

いつのまにか、ハイシェントに乗って戦うのが当たり前になってきていた
別に嫌いではない、メルの訓練もあってか最近は戦うことが楽しくなってきている

「ごめんね、本当は自衛隊でも何でもないのに」
「別い自分達に住む場所を護るんだ、問題ないよ」

最近は竜哉が自衛隊に一人で行っても追い返されることはない
むしろ、仲間として歓迎されている
それだけ、VACGを扱う人間と言うのは貴重なのだ

「来てくれたか、早速出撃といいたいが・・・」

いつもどおり出撃かと思ったら、室長の様子がいつもと違う

「今回のDEPSは今までと違う、行動パターンがまったく違う」
「行動パターンと言うと?」
「何か意思めいたものを感じる、まるで我々に挑戦しているかのようだ」

竜哉はそれを聞いてそんなことをやる人間は一人しかいないと考える
メルの大事な人、リーシェしかいない

「相手が良く分からない以上こちらかは無理にしかけるなよ」
「了解」

竜哉と棗は室長の言葉が終わると、エレストリカとハイシェントに乗り、出撃する
二機が到着すると、DEPSは待っていたかのように重い腰を上げた
その姿は巨人のような姿、蛇を人間にした感じであった

「待っていたぞ」
「喋った?」

直接頭に聞こえてくる声、DEPSから発せられている
今までのDEPSとは遥かに違う、人間に近い意思を持っている

「お前もリーシェが作ったのか!!」
「リーシェ様は本当にすばらしい方だ、俺の力を何十倍にもしてくださった、お前たちの相手をするよう命令を受けている、我が拳うけてもらうぞ」

DEPSは力を貯め、一気に解き放つと爆発的な速度で走ってきた

「早い!!」

今までのDEPSとはまったく違う、動きも戦い方もより人間に近づいていた

ドガ!!バキッ!!

何とか攻撃を受けるが、反撃する暇を与えてはくれない

ブン!!

エレストリカのサイコブラスターが空を斬る

「チッ!!」

ここしばらくメルに特訓を受けて自分達は強くなっているはずであった
しかし敵も強くなっている、修行していなかったらあっという間に負けていたであろう

「ホーミングカッター!!」

ハイシェントの手から複数の刃が乱れ飛ぶ
DEPSはそれを避けるが、後を追うように刃が曲がる

「こざかしい!!」

DEPSは口から大きく息を吸い込み、突風を吐き出した

ゴォォォォォォォォォ!!

ただの突風ではなくカマイタチも発生している
ホーミングカッターはそれにより、ボロボロに崩れ去った

「どうした、もう終わりか?」

DEPSは挑発してくる、確かに今まで戦ったどのDEPSよりもこいつは強かった

「竜哉君!!」
「オーケー、コンビネーションだな」

竜哉と棗はそれぞれ息を合わせる

「行くぜ!!」

竜哉の掛け声と共に二機はDEPSに襲い掛かる

「面白い・・・、そうでなくては!!」

DEPSはそれを真っ向から受けとめる形で向かい合った
ハイシェントが攻撃を仕掛ければ、エレストリカがサポートをし、エレストリカが護りに徹すれば、ハイシェントが援護をする

「必ずどんなに強くても隙は必ずできる・・・」

竜哉はメルから教わったことを静かに思い出していた

「その為には敵の動きをしっかりと見て、予測する!!」
「うぉ!!」

二人のコンビネーションに押されているのか、だんだんと焦りの表情を浮かんでくる

「スパイラルクロウ!!」

ハイシェントの鋭い爪がDEPSの右肩をえぐった
しかし、ただではやられずDEPSは攻撃を受けながらも、ハイシェントを渾身の一撃で蹴り飛ばした

「ぐぅ・・・」
「つぅ、だがこれでこっちの方が有利になったな」

ハイシェントが受けたダメージよりもDEPSに与えたダメージの方が大きい
この時に竜哉は勝ちを確信した

「くそ・・・」
「レドン、もう退きなさい」
「リーシェ様、了解しました」

どこからともなくリーシェの声がすると、レドンと呼ばれたDEPSを黒い球体が包み込んだ

「勝負はお預けだ!!私の名はレドン!!覚えておくがいい!!」

その言葉と共にレドンの姿はなくなっていた

「もう少しだったのにな・・・」
「しょうがないわ、ハイシェントもダメージ受けてるし無理は禁物よ」
「そうだな」

とりあえずは勝つことができた、だが相手を倒すまでにはいたらなかった

「これからはどんどんあんな奴らがでてくるのか・・」
「さあね、でもどんな敵が来ても私達が止めなくちゃいけないよ」

数少ないVACGの使い手、どんどん強力になっていく敵
いつもとは違う敵に戸惑いながらも、戦うしかない二人であった
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by meruchan0214 | 2006-11-23 00:58 | 竜の翼 ハイシェント

12陣 異常という 素質

DEPSが現れないときは普通の高校生と変わらない
それは棗も一緒である

「ねぇ、竜哉君」

しかし、学校以外でも顔をあわせる事が多くなったこともあり、
学校でも棗と話す機会が増えた

「今度の数学さ、教科書貸してくれない?」
「棗さんが忘れ物なんて珍しい」

そんな普通の学園生活、DEPSが現れなければ何もかもがそのままなのだ

「本当はこれが続けばいいのにね」
「そうだな~・・・」

元凶が居ることが分かっている以上、今はそれを望むだけである
障害を排除しない限りは戦いは続く

「あ、そういえば先生に備品持って来いって言われてたっけ・・・」
「あ~、じゃあ俺も手伝うよ」

棗と竜哉は備品置き場へと向かった

「これって、絶対に摘みすぎだよな」

備品置き場で呟く竜哉、確かに辺りには備品を山のように積んである
崩れたら、大変な事になるだろう

しかし、そういう予感に限って当たってしまうものである

「きゃっ」

棗の肩が棚に当たると摘んであった備品が一気に倒れてくる

ガラガラガラガラガラ!!

激しい音を立てて物が崩れる、竜哉と棗には怪我はなかったものの、棚や備品などで部屋のドアが埋まってしまった

「ごめんなさい」

申し訳なさそうに謝る棗

「いや、しょうがないさ、とりあえずここからでないと」

しかし棚は完全にドアをふさぐ形になっていて、中からは開けることができない

「どうするか・・・」

悩む竜哉に棗はしょうがないといった顔をする

「私が何とかするね」
「何とかするって・・・」

竜哉が全部モノを言う前に棗は自分の意識を集中させ始める
棗の体が淡い青色に包まれていき、棗がスゥと手を動かすと、棚が勝手に動き始めた
そして、次から次へと備品の棚を元あったように戻していく

「すげぇ・・・」

メルには棗がこういうことができるとは言われていたものの
いざ、目の辺りにすると驚嘆の声しかでなかった
全てが元通りになると、棗からでていた淡い青色の光はなくなる

「びっくりしたでしょ、私小さい頃からこんな力があるんだ」

確かに実際に目で見ると驚く事しかない、だがメルやリーシェ、ハイシェントを見た後ということもあるせいだろうか、素直に受け入れられた

「小さい頃はこれでよく苛められてた・・・って、アハハ、私何言ってるんだろうね」

乾いた笑いでごまかすように喋る

「別に棗さんは棗さんだろ、俺はすごいと思う」
「ありがとう」

たった一言だが棗の言葉は竜哉への感謝の気持ちでいっぱいだった

「それじゃ、また明日ね、もしかしたら今日かもしれないけど」
「ああ、それじゃ」

その後は特に何事もなく家路についた
人はそれぞれ悩みを持っている、それを受け入れるのもまた大切な事
竜哉はメルが自分にも常人以上の力が備わっているといった
棗は自分の力のことで本気で悩んでいるようであった

「ああ~、もう考えるのはやめ!!」

深く考えると後ろ向きな事しか思いつかなくなってくる
ふっきるように頭を震わせ家へと帰った
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by meruchan0214 | 2006-11-20 18:27 | 竜の翼 ハイシェント