ハクガの章 14話 人と魔族

自分は人間でも魔族でもあり、どちらでもない
自分の祖先が人間と魔族の子供と言う事だけ、ただそれだけだ
だが、人間は自分達と違ったモノを拒む
優れている者を妬み、劣っているものを罵る

「正直、人間も魔族も変わらないな」
「ハクガ・・・」

これまで旅を続けていて思った言葉
魔族は残忍だとか言われているが、人間も変わらない
むしろ、人間の方が酷いとも思うときさえある

「それでも、諦められない。どうしてだろうな」
「それは、やっぱり好きなんだからじゃないの?」

人間の醜い部分を一杯見てきた、嫌と言うほど見せられた
でも、それでも人間に対して希望をもてるのはどうしてだろうか

ハクガとユミルは旅を続けている
人を助け、魔族を倒す、しかしその逆もあった

「ハクガ」
「なんだ?」
「これからどうしようっか?」

当ても無い旅、仇を撃つといってもそいつがどこにいるかは分からない

「そうだな・・・、このまま風の向くままにしてみるか」
「もう、答えになってないよ!!」

ハクガは再び歩き始めた、確実にその名を刻みながら
英雄として、そして気高き戦士として
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# by meruchan0214 | 2007-04-16 20:10 | 架空世界[フリトアネイス]

15夜 心の支え

私はキルトから全てを受け取った、力も思いも全て

「そうなの・・・」

私は佳織さんに全てを話した、私がキルトの力をもらったことも
今の私は妖に近い存在だ、それだけの力を得た

「キルトの分も私が頑張ります」
「無理はしないでね」
「分かってます」

キルトが残してくれたもの、それを私は全て背負っていかなくてはいけない
とてもとても重いけれど、私の使命でもあった

「私頑張るからね・・・」

私はキルトの残した武器を持ち、佳織さんと華ちゃんと夜の世界へと踊り出た

体が軽い、今までは佳織さんの動きについていくことが出来なかったが今ならそれもできる
もう足手まといではない、一緒に戦うことが出来る

「いくよ、修子ちゃん、華」
「了解」
「はいっ!!」

私達は闇夜から飛び出すように駆け抜ける

「さすがキルトの力を受け継いだだけあるわね」
「はい、キルトは私に全てを残してくれましたから・・・」

暖かい力が内から溢れるように沸いてくる
キルトの気持ちが、そして私の気持ちが強くなっていく
これから二人一緒、それが私達の力なのだから
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# by meruchan0214 | 2007-04-12 22:54 | 知らぬが幸せ

14夜 仕組まれた夜

少しでも佳織さんやキルトや華ちゃんに近づくために特訓の日々は続いた
力では逆立ちしても人間である私には勝てるはずがない
だから、私はそれ以外で追いつく為に努力していた

「戦いを決めるのは力だけじゃないってことは覚えておいてね」
「はいっ!!」

戦うための技術、知恵、それだけは力は関係ない
それを駆使すれば人は妖とも戦えるのだ

「修子ちゃんは素質はあるから、がんばってね」
「うん」

毎日、佳織さん達に交代で練習に付き合ってもらう
疲れるが楽しい日々である

「シュウコ、ダイブ、ツヨクナッタ」
「ありがと、でもまだまだ」

リトルガーデンの人達は人間ながら高い戦闘力を持つ
一度彼等の戦いを見に行ったけれど、自分との実力差には呆気に取られるだけだった
人という身でありながら、佳織さんやキルト、華ちゃんと互角以上に戦う
私もああいう風になりたかった

「それじゃあ、今日はそろそろ帰りますね~」
「気をつけて帰りなさいよ~」

そう、今この極限のピンチを迎えるまではそう思っていた

「キシュルルルルルル」

妖は私の目の前で奇声を発した
実力差は歴然、私では到底太刀打ちできそうにない

「私も、もう駄目かな・・・」

私を使ってどうこうする、と言う訳ではない、ただコイツは殺戮しかする気がないのだ
佳織さんも華ちゃんもキルトもいない
自分自身の力ではどうしようもない、何も出来ないのだ

「一生懸命やってもこんなに無力だったんだ」

私には既に諦めるしかなかった、それ以上何も望むことはできなかった

妖の腕がゆっくりと振りかぶり私に振り下ろされた

私は目をつぶったが、つぶされた感触は全くない
おそるおそる目を開けるとキルトが私を庇っていた

「ダイジョウブ・・・カ?」
「キルト!!」

私の代わりにマトモに攻撃を受けたキルト、傷口はかなり深い

「オマエ、シュウコイジメタ、オレ、オマエユルサナイ!!」

キルトは全身全霊を持って妖を切り裂いた
だけど、その直ぐ後にキルトは倒れてしまった

「キルト!!」

私はキルトに近寄って傷口を確かめる
キルトの負った傷はあまりにも深く、私にはどうしようもない

「待って、今佳織さんたちに!!」
「イラナイ・・・、オレ、モトモト、モウスグシンデイタ・・・」
「え・・・」
「ジュミョウ オワル、サイゴ シュウコ マモレテ ヨカッタ」
「ちょっと、駄目よ!!まだキルトに教えてもらうことが!!」

寿命が既に来ていたことに驚いたしかし私はそれを受け入れることはできない
キルトは最後の力を振り絞って、私の手を取った

「オレ、オマエニツタエル。タタカウ、チカラ。マモルタメノチカラ」
「伝えるって・・・」
「オレ、オマエトイツマデモ、イッショ。スベテヲツタエル」

キルトから暖かな力が私に流れ込んできた
今まで培ってきた全てを、キルトが私に伝えている

「オレ・・・シュウコニアエテ・・・ヨカッタ・・・」
「ちょっと、キルト!!死んじゃあ駄目なんだから!!」

キルトの体が少しずつ砂になっていく
私は目から大粒の涙を流しながらキルトの名前を呼んだ
けれど、キルトはそれに反応することはなかった

「キルト・・・」

私はキルトの全てを受け継いだ
今までキルトが覚えてきたことを、その記憶を受け継いだのだ

「ごめんね・・・キルト・・・」

最初からキルトは私に力を受け継がせるつもりだったのだ
私と出会ったときからあまり自分に時間がない事が分かっていた

「私、キルトの分も頑張るから」

私はキルトの使っていた武器を拾う
そしてゆっくりと歩き始めた

自分自身ができることをやる為に、キルトから受け継いだこの力を使って
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# by meruchan0214 | 2007-04-10 22:23 | 知らぬが幸せ

更新停止期間についての独り言

えっと、言う訳でして、しばらく日が空いてしまいました
一身上の都合と言う訳ですが、やめたわけではないのであしからず・・・

今までよりも少しペースが遅くなりますが、まったりと覗いてあげてください
早く新しいPCを買わないと(もしくは作る)いけないんですけどね・・・

いいかげんMEだとちょっと色々と厳しかったりします
でも、いまVistaはゲームがあんまりできないっていうしなあ・・・
どうなんでしょ??

とりあえず、知らぬが幸せとフリトアネイスをよろしくお願いいたします
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# by meruchan0214 | 2007-04-09 22:32 | 独り言

タキルの章 14輪 違うモノ

タキル達はグラディアを出てデルゲイグ軍を地上から一掃するために戦いを続ける
デルゲイグ軍と決着をつけるのは魔界になるだろう
だが、今は地上を護らなければならないのだ

「タキル様、地上のデルゲイグ軍の拠点は3つあるようですね」
「う~ん・・・、各個撃破しかないか・・・」
「そうね、それにアーツ君やハクガ達も動いてくれていることだし」
「それもそうだな」

タキル達は一番近くのデルゲイグ軍の拠点へと向かった

「この感じはルエスだったかな・・・」
「そうね、私達を誘っているみたい」

戦う意思は感じられるが向こうからせめて来る気配がない

「タキル、あなた一人で来るならこちらからは攻撃しないわ」

拠点から魔法で声を飛ばしてくる

「タキル、どうするの?」
「きっと、罠だよお兄ちゃん」
「いや、俺一人で行くよ」

ルティやティリカを尻目に一人で行くと言うタキル

「タキル様!!それでは危険すぎます、一人で敵地に行くなど!!」

猛反対をするヘーテ、確かに罠の可能性は高い

「大丈夫さ、俺達がここまで来てるのは知ってるだろ、敵の士気を高くするようなことはしないさ」
「ですが・・・」
「タキルのやりたいようにさせてあげれば、私達だって罠だったら直ぐに攻撃を始めれば良いだけだし」
「分かりました・・・」

ケイナに言われてしぶしぶ引き下がるヘーテ

「それじゃ、行ってくる」
「気をつけてね」

ケイナの言葉にタキルはにこやかに笑うとルエスの待つ場所へと向かった

「タキル・ヒュリスだ、約束どおり一人で来た」

拠点・・・要塞の門がゆっくりと扉を開いた

「いらっしゃい、待っていたわ」

奥ではルエスが一人タキルを待っていた
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# by meruchan0214 | 2007-04-02 22:45 | 架空世界[フリトアネイス]

アーツの章 14輪 宝具求めて

アーツ達は宝具と呼ばれる物を探しにグラディアを出発する
魔族に対して強い効果を発揮するという

「魔族にも色々いるけどな」
「そうですね」

タキル達みたいな、魔族の血を受け継いでいる人間達
ヘーテやシェリルのように人間と協力し合う魔族
確かにゲルデイグ軍と対峙するには必要になるであろう道具ではある

「だけど、それを悪用する奴がでるかもな」
「ですね・・・」

そう、魔族に対して高い効果を発揮するという事はデルゲイグ相手だけではなく
タキル達にも強い効果を発揮するという事だ
逆に言えば、魔族を人間が支配することも考えられるという事だ

「そんな事は無いと思いたいですね」

マヤの言うとおり、そんなことは無いと思いたい
しかし、人間は欲深い存在だ、絶対とは言い切れない

「まあ、アーシャ様が居る限りは大丈夫だとは思うけれど」
「そうですね、あの方も魔族の血をひいていますから」

グラディア王国の王女アーシャ、彼女もまた魔族の血をひいている

「俺たちの出来る事か・・・」
「今出来る事を精一杯やりましょう」

アーツ達は宝具を求めて旅に出た
どんなに長い旅になってもそれが使命だ

デルゲイグ軍を負かすには必ず必要になってくる
アーツとマヤは部下を連れて出撃した
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# by meruchan0214 | 2007-03-30 12:31 | 架空世界[フリトアネイス]

巣立ちのとき

さようならは言わないで 会えなくなるわけじゃないから

この時間 一緒に過ごした時 それは大事な思い出だから

一つ一つに大切な時 一杯一杯詰まっているから

ありがとう 貴方達に出会えて嬉しかった

さようならは言わないから 過ごした日々は消えないから

ありがとう ずっと貴方に言いたかった

たった一つの私の気持ち

たとえ 違う道を歩んでいても いつも一緒に居るから

今 歩き出した 少しずつ歩いていこう

まだ 出発したばかり歩き出したばかり

さようならは言わないから またいつか笑顔で出会う日まで

今まで紡いだ絆は 無くならないと信じている

ありがとう 私からの伝えたい たった一言
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# by meruchan0214 | 2007-03-29 12:17 |

13夜 自分の気持ち

何とか助かった私、命があったから良かったが殺されていたかと思うとぞっとする

「間に合ってよかったよ」

佳織さんはやれやれと言った顔だが、身に染みて危険という事を実感する
そんな世界に私は足を踏み入れてしまっているのだ

「怖くなった?」
「そ、そんなこと・・・」

怖くないといったら嘘になる、けれどこのままやめる気にもならない
むしろ、これを跳ね除けたいそんな気持ちが強かった

「やめたければ、やめてもいいんだよ?」

佳織さんが私に親切で言ってくれているのは分かる
けれども、私は今このときをやめたくはなかった

「いえ、やります」

私は力強く真っ直ぐに答えた
その言葉に佳織さんはやれやれというような顔をする

「オレ、シュウコマモル」
「お願いね、キルト」

私の我がままだということは分かっている
けれど、今は佳織さんや華ちゃん、キルト達と一緒に居たいのだ

「さて、とりあえず戻りましょう」
「はい!!」

私はまだまだ未熟者だ、けれど今この時が一番楽しい
普通とは知らない世界、知らなかった方が良かったかもしれない
知ってしまった以上、ここが私の好奇心をくすぐるのだ
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# by meruchan0214 | 2007-03-28 12:16 | 知らぬが幸せ

ハクガの章 13輪 自由気ままに

グラディアの騎士を自らやめたハクガは自分の意思で村の仇を討つ為に旅を続けていた

「ねえ、ハクガ~」
「グラディアにはいかなくていいの?」
「いいさ、グラディアから見れば俺は反逆者に近いからな」
「でも、咎められはしないとは思うけど・・・」

ユミルの言うとおり、今回の件に関して言えばその領地の民からハクガの行動についてはグラディアへと報告はあった
グラディア側としても今回の件に触れるということはないらしいが

「いいんだよ」

ハクガはそうやってフッとにこやかに微笑んだ

「全く、素直じゃないんだから」

ユミルはそれを嬉しそうに後を追った
自分たちの意思でこれからどうするか、それは決まっていた
自分達は自由なのだ、誰も止める人達はいない

「次の街まであと3日弱ってところか」
「そうだね」

やめた事に後悔は無い、自分には信じれる者たちが居る
だから、ハクガは自分の意思で動けるのだ

「グラディアにもたまには戻ろうね」
「ああ、分かってるさ」

二人の旅は続く、これから先何が起こるか楽しみに
これから先どんな困難が待ち受けるとも知らずに
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# by meruchan0214 | 2007-03-28 08:52 | 架空世界[フリトアネイス]

12夜 助け出される時

「う・・・ん・・・」

目の前がうっすらと見えてくる
お腹の辺りがズキズキする、意識がまだ朦朧としていて自分が何をされているのか分からない

「ここは・・・?」

次第に意識がはっきりしてくると、自分が身動きが取れない事に気付いた
縄でしばられている、猿轡はされてはいないが自由に動ける状態ではない

「気がついたみたいだな」

私をさらった妖が私に気付いた事が分かると話しかけてくる

「貴方どういうつもりよ・・・」
「お前を餌にしてあいつらを誘き出すのさ」

こういうとき、自分の弱さが足手まといになってしまう
リトルガーデンの人達みたいな力があれば、こんなことにはならないのに

「お前はあいつらにとって大事な存在みたいだからな」
「私はそんなに大事じゃないわよ」
「ふふふ、隠しても無駄だ、今は情報の時代なんでな」

妖は嬉しそうに微笑むと佳織さん達が来るのを待っていた

ヒュン

最初に現れたのは佳織さんだった

「修子ちゃん!!」
「佳織さん!!」

私が捕まっているのをみて、凄い剣幕で妖を睨みつける

「おお、怖い。それほどまでにこいつが大事なのかね」
「大切な仲間ですもの、当たり前じゃない」

私を仲間と思ってくれている、それだけでも嬉しかった
けれど、今はそれが足手まといになっているのが凄く悲しかった

「さて、わざわざ来てくれたが、動いたらどうなるか分かっているね?」
「修子ちゃんを殺すつもりでしょ」
「その通りだ、聞き分けが良くて助かるよ」

妖はにやりと笑った

「でも、それもできればだけどね」
「何だと?」

その一瞬、何者かが私を抱きかかえ佳織さんと合流する

「キルト!!」

私を助けてくれたのはキルトだった

「上手くいったみたいね」
「アア」

佳織さんとキルトは実は既に一緒に来ていたのだ
極力、妖に気付かせぬ為にキルトは気配を殺し私を助け出す瞬間を狙っていた

「さて、どう退治してくれようか・・・」
「く、くそ!!」

妖はその場から直ぐに逃げるように立ち去る

「覚えてろよ!!」

捨て台詞を残し去っていってしまう
助かった・・・それだけが今私に思える事だけであった
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# by meruchan0214 | 2007-03-27 12:18 | 知らぬが幸せ