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勿忘草~ワスレナグサ~ 登場人物

勿忘草~ワスレナグサ~登場人物

古山 賢治 ♂ 26歳

この物語の主人公で特にこれと言った特徴の無い人間ではある
基本的に優しい人で困っている人は誰でも構わず助けてしまう
特にこれといった力も何も持っていないが優しさだけは一級品
ある研究施設に捕まっていた妖に恋をしてしまう

紅葉 ♀ ?歳

とある研究所に捕らえられた水に住む妖
リトルガーデンに出てくる紅葉と同一人物
研究所で研究される毎日であったが、賢治と運命的な出会いを果たす
戦闘能力はそれほど高くはないが、美しい歌声で歌う
# by meruchan0214 | 2006-09-23 23:45 | 短編小説

9輪 驚きと衝撃

ハクガ達は村から逃げ延び、グラディアの城下町で暮らすことになった
子供たちは孤児院に、働けるものは働いて個人個人で生活をするというもの

「ハクガ兄、グラディア城行くの付き合ってよ」
「は、何で城に行く用があるんだ?」
「ちょっとね・・・」

珍しくアーシャがハクガに頼み事をしにきた
それもグラディア城に行くという不思議な事だ

「あ、二人とも何処に行くの?」
「アーシャに連れ添いでな」
「じゃあ、私もついていこっと」

勝手に後をついてくるユミル、ここ数日はハクガやアーシャと一緒に行動している
何が面白いのかは分からないが、とにかく後をついてくる

グラディア城の前までやってくると、巨大な門が三人を出迎える
そこには城の衛兵が立っており、不審な人間がいないか見張っている

「ハクガ兄とユミルさんはここで待ってて」

アーシャは何か書状を持って、衛兵と話している
そのうちに衛兵は何かに驚いたように城へと入っていった

「お前、一体何したんだ?」
「へへへ、秘密」

変な笑いを浮かべるがにんまりするだけで答えようとはしない
だが、衛兵が戻ってくるなり、丁重に中に迎えられた

不思議に思うハクガとユミルだが、話そうとしないのでただ黙ってついていくしかなかった
城へ入ると真っ直ぐに城の王様の元へ案内される

「お主がアーシャか、無事でなによりじゃ」
「はい、仲間のお陰で無事に生き延びることができましたが・・・」
「御主達の両親や村のことは既に聞いておる、保護の件は任せておきなさい」

ハクガやユミルは話がまったく見えてこない
なによりもアーシャが王様と普通に話していることすら不思議だ

「お願いいたします」

いつもとは違い厳かな雰囲気を出しているアーシャ
その姿にはどこか気品のようなものがあふれ出していた

「この城を自分の家だと思うがよい」
「あ、はい・・・、でも・・・」
「仲間が気になる、か?」
「はい、いくら王族の血筋とはいえ、城を出た身です」

これにはハクガもユミルも驚いた
アーシャが王族の血筋だというのは、村にいても初めて聞いた
だが、確かに今のアーシャにはどことなく気品があるように感じる

「気にするでないぞ、わしはこの歳まで息子、娘ができなんだ、血縁者がいてくれるというのは嬉しい限りじゃ」
「そうですか、でも・・・」
「仲間のことはいつでも会いにいけばよい、すぐ目と鼻の先じゃからな」
「ありがとうございます!!」

アーシャはグラディア王に深々と頭を下げ、その場から立ち去る
ハクガとユミルもそれに続いた

「まさか、お前がグラディア王国の血縁者だったとはな」
「まね、おばあちゃんが元々、今の王様の兄弟だったらしいんだけど、結構大変だったらしいよ」

それもそうだろう、王族とただの村人だ、そこの事情は色々知るはずも無い

「ハクガ兄はこれからどうするつもりなの?」
「騎士団に入って、村の仇をとる」
「そっか、ユミルさんは?」
「ん~、村に戻っても退屈だから、ハクガの手伝いでもしようかなって」

何も考えていないような返答、だがそれがユミルらしかった
こうして、アーシャはグラディア城に住むことなり、王位継承者として王女となった

ハクガは騎士団に入団し、己の強さに磨きをかけ始めることとなった
# by meruchan0214 | 2006-09-23 13:59 | 架空世界[フリトアネイス]

Misson28 大地を見上げる

宇宙から見た地球、もうずっと何年もあの星を見ている
文明の発達により効果的なエネルギーの開発、自然への配慮などにより、自然破壊も落ち着き、徐々に青い星に戻ろうとはしていた

「人とは何故同じ事を繰り返すのでしょう」

一人、いや正確には人間ではない一つのコンピュータがつぶやいているのだ
幾重にも厳重に保護された空間、そこに立ち並ぶ機械類の数々

「私達はリシェル達と約束しました、それまでは見守ると」
「だが、一向に変わる気配が無い、これでは同じことだ」

一つのコンピューターに複数の人格
この隠されたこの場所こそ、全ての始まりの場所でもあった

「我々、ノルンが全ての決定を下すべきではないのか?」
「ですが、彼女達との契約を破ることになります」
「既にあの時から150年だ、人間は何も変わってはいない」

彼らはこの地球を守るために作られた存在
3つの意識を併せ持ち、全てが承認され始めて可決される

「我々が動かなければこのまま終わらないぞ」
「後少しだけ待ちましょう、彼女もそれは分かっているはずです」
「ウロボロス、お前は何を見ているのだ」

地球の奥深く、暗く誰も立ち入ることの無い研究施設
封印され、誰の目にも届かない
彼らは待ち続けている、人が変わるということを




「そろそろ、ノルンも我慢の限界かな」

リシェルは司令室で独り言を呟いている
だが、それは独り言というよりは誰かに話しかけているようであった

「そうだな、早く決着をつけ、人々が変われることを証明しないといけない」
「ウロボロス、貴方には何時も世話になりっぱなしね」
「気にするな、親友であるお前の頼みだ、それにリシェルこそ一番過酷な運命を背負わせてしまった」

リシェルはコーヒーをすすると、笑いながら話す

「前にも言ったでしょ、自分で望んだことなんだから」
「人間か、150年前が懐かしいな」
「そうね、貴方の名前もまだウロボロスではなかった頃ね」
「もう、その名前は忘れたさ」

ウロボロスのAIは元々人間の脳を移植しデータ化したものが使われていた
何故そのように作られたのかは分からない
だが、彼らは自分たちからそれを望んだのだ

「さて、と、説得にでも行ってくるかな」
「例のヴェルゼのレオルとかいう者か」
「ええ、彼が仲間になってくれれば、きっとこの戦況は変わるわ」

リシェルはいつもより明るそうに司令室を出て行く
150年、長い長い年月を過ごしてきた彼女
何を思い、何を感じていたのかは彼女しか知らない

全ては一つ、人間を救う為に彼等は動き始めたのだ
# by meruchan0214 | 2006-09-23 13:38 | 守護機兵 ハイシェント

Misson27 廻る願い

アルオルスが行動不能となり、ウロボロスへと収容される
当然、乗っていたレオルもウロボロスの捕虜として捕まる事となった

「くっ、早く殺せ!!」

敵に捕まったら命はないと思っているのか、早く自分の命を絶つよう喋るレオル
フリスやラユはレオルを殺したくない仲間になってほしい
だからこそ、ラユはアルオルスを破壊せず、行動不能にしたのだ

「レオル、ここの人達は悪い人達じゃない」
「フリスよ、お前は志を失ってしまったのか、平和な世界を作ると」
「忘れたわけじゃない、ヴェルゼではそれができないとわかったから、ウロボロスについたんだ」

レオルはフリスの言う事が信じられない
ここの人間に騙されている、そうとしか思えないかった
ここから逃げ出したいのは山々だが、現状捕まっている上に手錠をかけられている
ましてや、たった一人、すぐ射殺されてもおかしくはない

「レオル、お前こそヴェルゼの実態が分かってないんだ」
「平和なあの都市が全てを平和にできるんだ!!」

レオルは一歩も引こうとはしない、それほどまでヴェルゼに愛国心と言うものを持っているのだろうか、はたまた執着なのかは分からなかった

シュイィィン

ブリッジからリシェルがやってきた、捕虜を連れてきたということで司令官自らやってきたのだ
フリスとラユに気をつかっているのか、リシェルとアコナだけでやってきた

「あなたがレオルさんね、フリスさんとラユさんから話は聞いてるわ」
「お前がここの司令官か、フリスとラユを騙して同士討ちさせるとは・・・!!」
「それは違うことは貴方も薄々分かっているのでは?」

ストレートな言葉にレオルは一瞬言葉を失う

「私はフリスさんには真実を見せただけですし、ラユさんは自分からウロボロスにやってきました、レオルさん、フリスさんやラユさんのことを一番知っているのは貴方でしょう」

話続けるリシェル、聞く人間を黙らせるのはリシェルのオーラのせいだろうか
実際には出ているわけではないが、何か言い返せない重みがある

「貴方を殺すつもりはありません、ですが、協力していただけないのなら、仕方ありませんが独房に入ってもらいます」

完全にリシェルに圧倒されているレオル
その雰囲気にはフリスやラユ、アコナもどこか威圧感を感じている
別にこれといっていつもと違う訳ではない、しかし、この場の重さは誰もが感じていた

「アコナ、彼を独房へ」
「分かりました」

アコナはレオルを連れて部屋を出て行った
その間、彼は一切言葉を話さず、ただ黙って連れて行かれた

「まずは一安心というところですか?」
「あ・・・、そう・・・かもしれません」

リシェルの問いに一瞬言葉を詰まらせるが、親友を倒さなくても大丈夫と思うだけでも少しホッとしていた

「ラユさん、自分のしたことは間違っていたと思う?」
「思っていません、親友同士で殺しあうのは悲しいから・・・」

ラユは下を見ながら話すが、それは後悔というよりは、仲間を思っての事だろう
親友同士の殺し合いを見たくない、彼女はその為にアルオルスを撃った

「ま、彼もきっと分かってくれるわ、すぐとは言わないけれど」
「そうですね、きっとそうだと信じてます」

レオルにも早く間違いに気づいてほしい
共に戦ってくれればこれほど心強い仲間はいない
フリスは心の中でレオルが自分の間違いに気づいてくれる事を信じていた
# by meruchan0214 | 2006-09-22 21:25 | 守護機兵 ハイシェント

Misson26 激戦

ピーッ!! ピーッ!!

ウロボロス内部に響き渡る警報音
いつもの事とはいえ緊張が走る瞬間でもある

「アコナ、ラユ行くぞ」
「分かってるって」
「僕に任せておいてよ」

3人はいつも通り、それぞれの機兵に乗り込み出撃する

「ジョニカさん、他の方々は任せました!!」
「あいよ、こっちは安心して任せておきな」

激しいブースター音が鳴り響き、宇宙へと旅立つ
何機の機兵がここに帰ってくるかは分からない
願わくば全ての機兵が戻ってくる、それが理想だ

「相手はヴェルゼだけど、フリス、ラユ大丈夫なの?」

アコナが心配しているのはレオルの駆る機兵のことだった
フリスやラユはレオルとは戦いたくないが、手加減して勝てるほどの相手ではない
本気を出して五分五分といったところだろう

「大丈夫だ・・・何とかする・・・」
「うん、レオルと戦うのは辛いけど」

アコナは二人の気持ちが良く分かった
今のアコナにフリスやラユと戦えと言っても、戦いたくない
どうにかして戦闘は避けたいと思う
きっと、今の二人はその心境なのだろう

「私は・・・、手加減はできないから・・・」

アコナにはこれしか言う言葉が見つからなかった
気持ちが分かるが故に出た言葉

「ああ、分かってる」

3人は戦場へと飛び込んでいく

ガキィィィィン!!

ドォォォォォォン!!

戦力はややウロボロス側が有利な展開であった
やはり、ジョニカの隊が加わったのが非常に大きい
機兵の性能もさることながら、個々の腕が高かった

「このまま、押し切ってしまえばいいが・・・」
「親友が来る前に?」
「ああ、だが、そうはいかないようだ」

レーダーに映る新たな機影、レオルの機兵であった
真っ直ぐこちらに向かってくるところを見ると、レオルも決着をつけるつもりなのだろう

「見つけたぞ!!フリス!!」
「レオル・・・!!」

ハイシェントとアルオルスは互いに交錯しあう
それはお互いの道を譲らないとしているようであった

「今度こそ、決着をつけてやる!!」
「レオル、お前がそこまでやるというなら・・・俺も引くわけにはいかない!!」

本当はレオルとは戦いたくない、できれば共に戦ってほしい
だが、歩む道が違うのならば戦うしかほかがないのだ

シュゴオォォォォォォ!!

ハイシェントとアルオルスの戦い
完全に他の機兵とは一線を越えた戦い

ガキィィィィィン!!

ハイシェントのソードカッターとアルオルスのハイパーサーベルがせめぎあう

ギリッ ギリギリッ!!

出力勝負ではややアルオルスが上のようで、徐々にではあるがハイシェントを押していく

「ちっ・・・」

力勝負に出ると分が悪いフリスは一旦距離をとる

「流石、レオルだな」

互角の戦いが続く、ハイシェントとアルオルスは戦場をあっという間に駆け巡っている

キュン!!

ドゴォォォォン!!

目にも止まらぬ速さで戦場を飛び交う二機の機兵
操縦者にも相当な負担がかかっていた

「はぁはぁ・・・」
「ふぅふぅ・・・」

お互い一歩も譲らぬ戦い、己の信念をかけた戦い

「だぁぁぁ!!」
「ウォォォォ!!」

バリバリバリ!!

再び、交錯しあうハイシェントとアルオルス
この戦いはいつまでも続くように思える

ターン・・・

それはほんの一瞬で破られた
ラユの乗るグラルディがアルオルスを打ち抜いたのだ

「ごめんね、レオル・・・、僕が手を出してもいい戦いじゃないのは分かってる」

いくら性能が高くても無防備なところを狙い撃ちされたらひとたまりもない

タン!!タン!!

一発目で動力部を狙撃したラユは続けて、駆動部を狙い撃ちし動きを止めさせた

「だけど、僕はフリスにもレオルにも死んでもらいたくないんだ」

ラユがアルオルスの動きを止めたところでヴェルゼ側の戦力はほぼ無いと言っても良かった
そして、レオルはウロボロスへと連れて行かれる

ヴェルゼで共に育った3人が再び再開したのは
苦肉にも元々は敵であった、ウロボロスの内部であった
# by meruchan0214 | 2006-09-22 00:53 | 守護機兵 ハイシェント