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Misson 66 希望の道

ウロボロスとノルンの率いる機兵達との戦いは続いている

「皆、がんばるんだ!!rリシェル様やあの子たちが何とかしてくれる!!」

ジョニカは通信で皆に言って聞かせている
異常な数で迫ってくる機兵達、ここで負けるわけにはいかない

「ラユ、大丈夫か?」
「うん、僕は大丈夫、でもこれだときりがないね・・・」

レオルやラユも他の機兵達を指揮しながらも、前線で戦っている

「なるべく早く済ませてくれよ、フリス・・・」

レオルは呟く、フリス達がノルンを止める事を信じている

「レオル、まだ来るよ!!」
「分かっている!!」

ウロボロスを守る為、地球を守る為、人間を守る為、彼等は戦っている
一方、ノルンの置かれている広間では未だに戦いが続いていた

「くそう・・・、いい加減・・・いかせろ!!」

ノルンを守る機兵と戦い続ける三人

「聞こえますか・・・?」

通信に小さく入る感情のない声、聞き覚えのある声

「モイライ・・・}

モイライが通信をしてきている、あの中にモイライがいるのは分かっている
今さら何を通信してくるというのだろうか

「やはり、貴方方は今までの人間とは違う・・・、リシェルの言っていた通りです」

戦いながらも通信を続けている、フリスには返答する余裕がないのが分かっているのか、モイライハそのまま言葉を続けていた

「私が少しだけ全ての回路を停止させます、その間にノルンを止めてください」

モイライの言葉、もしかしたら罠かもしれないがフリスには嘘を言っているようにはきこえなかった

「所詮、私はノルンの子機ですから、長くは持ちません頼みましたよ」

通信が切れると戦っている機兵の様子がおかしくなる

が・・・がががが・・・・

それが動きを停止させると今度は他の二機の機兵の様子がおかしくなる

「これは・・・、モイライ!!裏切るというのですか!!マザーコンピューターである私を!!」

ノルンの声が響く、一瞬止まった機兵であるがまた少しずつであるが動き始めていた

「早く!!」
「モイライ・・・!!いくぞ!!」

フリスはハイシェントのブースターを全開にし、ノルンへと近づく

「これで終わりだ!!」

ドガァァァァァァァァ!!

止まっていたほかの機兵が動き出すと同時にハイシェントはノルンを叩き切っていた

「私が・・・、、純粋な知性である私が・・・?ワタシガ・・・ワタ・・・シ・・・」

辺り一斉のコンピューターがシャットダウンを始め辺りが暗闇に包まれた

「終わった・・・?」
「ええ、ノルンは壊されたわ、これで全地球に放たれた機兵も止まるでしょう」

リシェルの言葉に安堵の息をつくフリス

ビーッ!!ビーッ!!

暗闇に包まれた空間にけたたましく鳴り響く警告音
赤いランプが辺りを照らしている

「自爆装置が起動しました、所内に残っている人間は速やかに退避してください」
「自爆装置だって!?」
「早く逃げないと!!」

慌てるフリスとアコナ、せっかく倒したのに自爆に巻き込まれてはどうしようもない

「二人ともあそこに緊急退避用のロケットブースターがあるわ、機兵から降りてあれに乗って!!」
「分かりました!!リシェルさんは!?」
「私にはまだやる事があるのよ」
「まさか、ここに残るつもりで!?」

リシェルはここでノルンと共にするつもりなのだろうか、フリス達にはそれを見過ごす事ができない

「ダメですよ!!皆で脱出しないと!!」
「大丈夫よ、私はここの元研究員よ。どうすればいいかは分かってるから」
「でも!!」

どうしても3人で脱出することをあきらめないアコナ、恐らく一人残したら確実に死ぬつもりなのだとアコナは直感で感じていた

「分かったわ、一緒に乗りましょう」

何を言っても聞かないとあきらめたのかリシェルも一緒に機兵を降りた

「さ、早く乗りなさい」

三人はロケットブースターに乗り込み、それぞれの席に座った

「じゃあね、フリスさん、アコナ」
「え?」

リシェルが言うと、リシェルの座った椅子だけが研究所内に移動し、フリスとアコナの座った椅子はベルトで固定され動けなくなる

「待ってください!!リシェルさん!!」

フリスは叫ぶが、リシェルはまるで聞こえていないかのように振舞った

「大丈夫、人はもう変わっていける、後は貴方達の番なのだから」

リシェルはにこやかに笑うと、ロケットブースターのスイッチを入れた

シュゴゴゴゴオオオオオオオオ!!

物凄い音と共に一気に地上まで駆け上がっていく

「一緒に帰るって約束したのに!!」

残ったりシェルはただ優しそうな笑顔でフリス達を見送っていた
フリス達はこうなる事を予想していた、だからこそ、防ぎたかった
なのに、止める事ができなかった、リシェルは残ってしまった

フリス達はただ残っているリシェルを見る事しかできなかった
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by meruchan0214 | 2006-11-04 00:03 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 65 揺らめく明日

ノルンの操る機兵達、今までの機兵とは比べ物にならなかった

「まるで、意思を持っているかのようだ、くそ!!」
「やっぱり、ノルンを守っているだけあって、強いね・・・」

三位一体の攻撃にフリスやアコナもおされ気味であった

ガキィィィィン!!

リシェルのフルゲストとノルンの操る機兵が交錯する

ギリ・・・ギリギリ・・・

機兵の性能からいって、明らかにフルゲストは劣っている
だが、それを感じさせない強さを見せ付けるリシェル

「二人とも、大丈夫?」
「大丈夫ですよ、これくらい」
「はい、まだまだいけます!!」

いつまでもリシェルに甘えるわけにはいかない
フリスとアコナはお互いに頷くと、先ほどとは違う戦い方を見せる

「いっけぇぇ!!」

ドゴォォォォォン

勝負はほぼ互角、疲れを知らない機兵達
一方生身の人間であるフリス、アコナは長引くほど不利である

「どうしたのですか、貴方方の力はその程度なんですか?」

ノルンの挑発する声、自分の方が圧倒的に有利だと分かっているのだ

「くそ、本体を落とせばいいだけなのに・・・」

焦るフリス、確かにノルンを破壊できればそれで終わるだろう
だが、三機の機兵がそれを許してはくれない

「やっぱり、この三機モイライ達ね・・・!!」

リシェルは何かに気づいたようであった

「流石、リシェルよく気が付きましたね」

モイライ、フリス達に一番理解を示してくれていたコンピューター
それが今、ノルンを守る最後の砦として立ちはだかっている

「モイライがこいつらの中にいるのか?」
「そう、みたいね・・・」

リシェルの言葉を聞いて少し戦いづらくなってしまう二人
だが、ここで戦いをやめるわけにはいかない

ガキィィィィィィン!!

再びお互いの機兵が交錯しあう
ノルンが置いてあるこの広い空間に計6機の機兵達が蠢き、戦う

「くらえ!!」

バリバリバリバリ!!

ハイシェントのプラズマカノンがノルンの機兵を襲う
しかし、相手にも電磁シールドがあるようで、攻撃が届かない

「どうするべきか・・・」

戦いはまだまだ続く
人間の生き残る為の戦いは終わる気配を見せなかった
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by meruchan0214 | 2006-11-02 21:53 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 64 契約

広い空間にただあるだけのはずのコンピューターノルン
あるだけでこの辺り一帯に威圧感を与えている

「ノルン、もう待ってはくれないのね」
「リシェル、人間は変わらない我々がやらなければ誰がやるというのだ」
「少しずつ人間だって変わってきているわ、フリスさんやアコナのように」

リシェルはノルンに話しかける
作った人間の一人だ、責任感というものであろう

「それでは時間がかかりすぎる、その前に地球は死の星になってしまうでしょう」
「・・・・・・」

リシェルはそれ以上何も言わなかった
彼女も内心同じ事を思っているのかもしれない

「だからって、お前に人の生き死にを決める権利はないはずだ!!」

フリスが吼える、コンピューターが自分達の運命を決める
そんなことが許されるはずがない

「人間よ、お前たちは自分たちが愚かな生き物か分かっているのか、いくつもの生物を絶滅させ、自分達の住む星をも破壊しようとしている」
「それは人々が変わればいいことじゃないか!!」
「そう、確かに私は人間は変わると信じ待った、リシェルとの契約があった。だが、150年待っても人間は変わらなかった」

冷たく言い放つノルン、ノルンの言う事はもっともである
人間たちの都合で全てを破壊していいはずはない

「だからって、人間を裁く権利はお前にはないはずだ」
「私は元々人間たちを裁く為に作られた存在だ、全ての上に立つモノとして作られた」
「どういうことだ?」
「150年前、地球を破壊していく人間達に絶望した研究者達が一つの計画を持ち出した」

ノルンは語り始めた、リシェルもただ黙ってそれを聞いている
150年前の研究者といえば当然リシェルも該当するはずであった

「絶対的な王の存在、感情に流される事なく、地球を守る存在。そして、人間は我々の統治の元になるはずだった」
「そんな計画が・・・」
「だが、ある日それに反対する者が現れた」

途方もない話にただ聞くしかないフリス達
リシェルはノルンの言いたい事は分かっているみたいであったが、何も言わない

「リシェル、お前が反対しなければ全ては計画通りであったはずだ」
「・・・、そうね、でも貴方だって人間を信じて150年待ってくれたじゃない」
「私は人間を信じて150年待ったわけではない、生みの親であるリシェル達が変わると言ったから待ったまで」

親の言う事は聞くということなのだろうか、感情のないコンピューターにもそういった気持ちは存在するものだろうか

「人間は変わらない、その証拠にこの150年の間に地球だけではなくほかの星をも食い尽くそうとしている」

確かにノルンの言うとおり、人間は宇宙に出て、新たな鉱石、エネルギーを発見し効率は良くなった、だが消費しているだけというのは変わらない

「でも、私達は一生懸命生きている、それを奪う権利は誰にもない!!」

アコナもついに吼えた、今まで黙って聞いていただけではないようだ

「人間の女よ、先ほども言ったとおり、我々は人間を裁く為に作られたのだ。愚かな人間に鉄槌を下すのは我々の役目なのだ」
「だからって、ただ黙って見過ごすわけにはいかない。私は皆が大好きだから・・・!!」
「元より、お前たちが黙って見ているとは思っていない。ここまで案内したのは、お前たちは我々が直接お前たちに引導を渡すためだ」

すると、三機の機兵がこの広い空間に現れる
その姿は天使のようであり、悪魔のようでもあった

「ノルン、お前がどんな目的で作られたとしても、俺たちは生きている事を諦めない」
「そうよ、貴方が言うように人間は地球や他の星を滅ぼすだけではない、きっと変われるんだから!!」

フリスとアコナはお互いの機兵、ハイシェントとエルブラストを起動させ戦闘準備をとる

「人間よ、我を恐れよ、自分達の犯した罪を悔いながら滅びるがよい」

感情のない言葉があたりに響き渡り、3機の機兵が動き出した

「アコナ!!」
「分かってる!!」

その光景をただ見ているのはリシェルであった
だが、リシェルも見ているだけとはいかない

「私達は大きなモノを見失っていた、だけどもう見失わない!!」

リシェルのフルゲストもハイシェントやエルブラストの戦いに参加する

人類とノルンの最後の戦い、止められるのは今ここに居るフリス達だけなのだ
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by meruchan0214 | 2006-11-01 13:31 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 63 全てに近づく

少しずつ、少しずつノルンへと近づいていくフリス達
立ち塞がる敵を退けながら先へと進む

「流石にノルンを守っているだけあって堅いな・・・」
「そうね、でももう少しみたいよ」

フリス達の進む先には大きな建物が見える

「あそこがノルンの置いてある、ヴァール研究所」

そこへの道には数多くの機兵が待ち構えている
フリス達はそれらを蹴散らしながら先へ進む

「雑魚に構っている暇はないんだ!!」

ドゴォォォォォォン!!

次から次へと現れる敵

「まったく、きりがない」
「そりゃ、親玉がいるわけだし」
「一気に突破しましょう」

全てを相手にするわけにもいかない
フリス達はほとんど突撃とも思えるような移動を開始する

「ノルン・・・」

リシェルはどこかもの悲しそうに呟きながら進む

研究所内は大きく機兵が簡単に入れるくらいであった
中で動き回ってもまだ余裕がある
それだけに、研究所内でもノルンの操る機兵が襲い掛かってくる

「ここでも次から次へとくるなあ・・・」

周りは敵だらけ、だが止まるわけにはいかない

「この先にノルンがいるわ」

リシェルの案内で進んできた道
ひときわ大きい扉の前にフリス達は辿り着いた

「この奥にノルンが・・・?」
「ええ、準備はいいかしら、二人とも」
「私は大丈夫です」

ハイシェントの攻撃で扉を破壊し中へと入る
そこには広大な空間に大きなコンピューターが一台置かれていた

「あれが・・・ノルン」

球体のような形をしたコンピューター、ノルン
眼などはないはずなのに、どこかからか見られている気がする

「そう、あれが私達が作った、ノルンシステム」

驚嘆しているフリス達を待ち構えていたかのようにコンピューターが動き始めた

「ここまで辿り着きましたか・・・」

感情のない言葉が辺りに響いた
今、目の前にノルンが存在しているのだ
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by meruchan0214 | 2006-10-31 01:06 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 62 認めるモノ

ヴェルゼの軍、ウロボロスの軍、ノルンの軍全てが入り混じる戦場
戦いは今のところ五分五分といったところである

「流石に量が多いわね」

アコナが漏らす言葉、次から次へと敵が立ちふさがる

「これじゃあ、先へ進めないな」

フリスは溜息のように思える言葉をしゃべる

「俺達が何とか道を開くぞ」
「そうそう、二人はウロボロスを連れてとっとといっちゃいなよ」

名乗りを上げるのはレオルとラユの二人
このままずるずると戦っていてもしょうがないのは全員分かっている事であった

「レオルさん、ラユさん、ウロボロスのシールド内で戦うよう心がけてください」
「分かってますよ」
「任せてくださいよ!!」

ウロボロスのシールド内で陣形を組む、レオルたち

「さあ、いけ!!フリス!!」
「ありがとう、死ぬなよ!!」

フリスとアコナは突破口を開いた場所へと突っ込んでいく

「リシェル様、ここはアタシに任せて行ってください」
「ジョニカ・・・、でも・・・」
「貴方は見届けなくてはいけない、そうでしょう?」

ジョニカの言葉にリシェルは少し考えた
そして、何かを決めたような顔をすると再び口を開いた

「お願いできる?」
「任せてください」

リシェルはジョニカの言葉に甘えると、フルゲストへと乗り込んだ

「後、お願いね、誰も死なないで、また会いましょう」

リシェルはにこやかに笑うとフルゲストを発進させた

「フリスさん、アコナ、最後の戦いに行きましょう」
「リシェルさんも行くんですね」
「ええ、ノルンを作った者の一人として見届ける義務が私にはあるから」

フリス達はノルンのある場所へと向かう
そこに待ち受けているはずのノルン
対峙の時はすぐそこまで迫っていた
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by meruchan0214 | 2006-10-29 22:52 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 61 人だから

地球に降りたウロボロス、それを待ち構えるはノルンの操る機兵達であった

「各地で残ったアースラインとノルンの操る機兵が戦っているみたいね」
「そうだな、だけどアースラインが負けるのは時間の問題だ」

フリスとアコナが言うとおり、アースラインの軍勢は非常に劣勢であった
ウロボロスはノルンのある場所へと向かっている
その途中、何度もノルンの機兵と戦ってきた
主要な都市は何とかまだもっているものの、少しずつ押されていた

「早くしないと、間に合わなくなる・・・」
「ああ、そうだな」

敵は無尽蔵ともいえる量の機兵達、今までどこにこれだけの機兵を隠してあったのかすら分からない

「少しは自分達が食い止めるさ」
「グローズ教官?」

二人の間に入ってきたのはグローズであった

「我々の部隊は各国のアースラインを支援に行く、ノルンはお前達に任せる」
「教官・・・」
「しっかりやれよ、お前ならしっかりできる」
「はい!!」

グローズはフリスの言葉に頷くと、去っていった

「ヴェルゼにもあのような人がいるのね」
「まあな、そんなに捨てたものじゃないだろ」
「そうね」

ヴェルゼも悪い人ばかりではない、フリスやグローズ、他にも一杯良い人はいるのだ

「結局は上に立つものの意思なのかなぁ」
「そうかもしれないな」

最後の戦いが刻一刻と迫りつつある
フリス達も最後の戦い向けて気持ちを高ぶらせていた




「さて、行くかヴェルイン」
「ああ、大きな道はあいつらに任せよう」

グローズとヴェルインはヴェルゼの部隊を率い出撃する

「みんな、遅れるな、しっかりと付いて来い!!」

グローズ達はアースラインの人々を助ける為に出撃する
もうお互いの国で争っている場合ではない
今は人として共に戦うべきなのだ

「グローズ、グッドラック」
「お前もな」

グローズとヴェルインのアルオルスとその部隊がウロボロスから出撃する

「グローズさん、ヴェルインさん、お願いします!!」
「リシェル殿、分かってます、貴方方は急いで向かってくださいよ」

シュゴオオオォォォォォ!!

凄まじいブースターの音と共に地平線の向こうへと消えていく
全員生き残れるかは分からない、しかし、皆の無事を祈るしかなかった
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by meruchan0214 | 2006-10-28 22:46 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 60 降り立つ翼

「今度はそう簡単にはおろしてくれそうにもないわね」

リシェルが呟いた、レーダーには大量の機兵が映っている

「みなさん、よろしくお願いいたします」
「了解、任せてください」
「リシェルさんのお願いだもん、分かってるよ」

止まるわけにはいかない、そのまま突き進むしかない

「一気に突っ込みます、大気圏突入までに戻ってくださいね」
「分かったよ、任せておいて」
「大丈夫だ、心配するな」

アースラインの機兵・・・、人は乗っていない
AIのみで動く大量の機兵がウロボロスの行く手を遮っている

「全て、蹴散らせ!!」

フリス達は思い思いにアースラインの機兵達と戦っていく

「上手くなったな、フリス」
「グローズ教官が褒めるなんて珍しいですね」

数では圧倒的に勝るアースライン、ノルンの操る機兵
だが、次々とそれは破壊されていく

「皆、後5分で戻って!!」

ウロボロスが大気圏へと突入を始める秒読みに入ろうとしている
最後の戦いの為に地球に降りるのだ

「降りたら廻りは敵だらけ、皆覚悟はいいかしら?」

リシェルの言葉に皆が頷く、既に心の準備はできている

「ウロボロス、これより大気圏突入を開始します、機兵の皆さんはウロボロスへお戻りください」

通信兵の声がウロボロスの機兵達に鳴り響く
それを聞いたウロボロスの機兵達は次々とウロボロスへと収納されていく

「突入まで、後、5,4、3,2、1・・・、突入します!!」

空気との摩擦熱であたり一体が赤く染まる
これほど巨大な戦艦だ、発生する熱量も半端ではない

「さあ、もう後には引けないな」
「そうだね、フリス」

フリスとアコナはウロボロスから外を眺めていた
今度は以前とは違う、戦う為に降り立つ地球
この青い星で戦わなければならないのは心苦しい事ではある
しかし、このまま黙っているわけにもいかない

「フリス、ヴェルゼと戦う前の約束覚えてる?」
「ああ、覚えてるよ」
「これが終わったら、今度こそ約束だよ」
「大丈夫だって」

二人は黙って見つめていた、まるでそこだけ時が止まっているようだった



「はぁ、見せ付けちゃって・・・」
「ラユは大丈夫なのか?」

それを遠くから見ていたのはレオルとラユであった

「確かに、昔はフリスの事好きだったけど、アコナには敵わないから」
「お前もずいぶんと大人になったんだな」
「べっつに、僕は変わらないよ、今も、これからも」
「そうだな」

レオルはどこか嬉しそうにフッと微笑を浮かべた
それはすぐに元に戻った為、ラユはそれには気づいていなかった

「あ~あ、僕にも素敵な男性があらわれないかなあ~」
「どうだろうな、案外近くにいるかもしれないぞ」

レオルは冗談のように話す
ラユもそれは冗談だと思っていたらしく、軽く聞き流した

「とにかく、これが最後になるんだよね」
「そうだな」

二人は見詰め合うアコナとフリスを二人っきりにさせてあげるべく、その場を離れた
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by meruchan0214 | 2006-10-27 23:55 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 59 作られた理由

ウロボロスは地球に向かっている
ノルンを止めるために向かっているのだ

「フリスさん、聞こえますか・・・?」

ハイシェントの整備をしていたフリスにふいに聞こえてくる声
それはハイシェントの通信機から流れていた

「誰・・・ですか?」
「以前、地球でお会いしました、モイライです」

モイライ、リシェルの体を調達する為に地球に降りた際に研究所にあったコンピューター
それが今フリスに対して通信をしているのだ

「ノルンが全宇宙に向けて通信をしたことは既に耳にいれられたと思いますが・・・」
「ええ、今我々はノルンを止める為に地球に向かっています」
「そうですか・・・、では今度会うときはお互い敵としてですね」

モイライの言葉、少し信じられなかったが分かっていたのかもしれない

「私は元々ノルンから枝分かれしているコンピューターの一つです、マザーコンピューターであるノルンの命令には逆らえません」
「では何で俺のところに通信を?」
「リシェルの信じている方達の言葉を最後に聞いておきたかったのです」

感情がないはずのコンピューター、言葉自体に感情はこもっていないはずである
しかし、モイライからの通信は機械的口調の中にどこか人間に似た感情らしきものが見え隠れしている気がした

「リシェルの事を・・・私の親をよろしくお願いいたします」

モイライから言われた意外な言葉
敵であるはずのコンピューターが敵である自分に向かってリシェルの事を頼むのだ

「何故、貴方がそんなことを?」
「私はノルンが言っていたことが全てとは思えません、ですが私はノルンには抵抗することはできない、だから、貴方方に頼むしかないのです」

AIに過ぎないモイライ、だがその行動はまるで人間のように人を思いやる、優しいものであった

「できる限りの事はやります」
「ありがとう、地球の軍事施設の8割は既にノルンの支配下にあります、今は地球のアースラインの軍がノルンの作り出した機兵と戦っていますが破られるのも時間の問題でしょう」
「分かった、リシェルさんには伝えておきます」
「では、地球でお会いしましょう」

それを最後にモイライからの通信が切れる

「フリス、聞こえる?」
「ああ、アコナか何だ?」
「今さっきモイライから通信があって・・・」
「アコナもか」
「やっぱり、フリスのところにもいってたんだ」

モイライは自分達の為に情報を出してくれた
マザーコンピューターであるノルンを裏切れないまでも、自分のできる事で協力してくれた

「ノルンがマザーコンピューターってことは、止めたら当然モイライも・・・」
「そうなるだろうな、だけど止めないと人間が全滅する」

感傷的になっている場合ではない、倒さなければならない相手
モイライは自分で破壊される事を望んでいたのだ

「ノルンは絶対に止める・・・」

フリスは決意新たにハイシェントへと乗り込んだ




暗い暗い研究室の中、モイライはその中で動いていた

「リシェル、貴方が教えてくれた感情というものはこれほど辛く悲しいものなのですか」

一人呟くコンピューター、機械的な言葉に包まれた本心

「私もリシェルやフリスさん達のように人間として生まれたかった」

望んでいても望めない、自分は無から作られた存在
それが本当の感情であるかは、誰も分からない

「リシェル、私を作った人間。貴方の気持ち、今なら分かる気がする」

モイライは全てを受け入れるつもりである
敵として戦わなければならない、倒される敵でいなければならない
リシェルと同じようにモイライはまだ人間に希望を残しているのだ
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by meruchan0214 | 2006-10-27 01:01 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 58 代弁者

ウロボロスの中核、リシェルは一人ここに来ていた
ノルンがいつかこうなる事を知っていた、止められなかった、約束を守れなかった
しかし、ノルンに人間達を滅ぼさせるわけにはいかないのだ

「結局、人間は変われないもの・・・なのかな・・・」

リシェルはいつものようにただ何もない空間に向かって話しかけている

「そんなことはない、ウロボロスの人間やジョニカのような人間達、少なくとも彼等は我々の意思を分かってくれたはずだ」
「でも、結局ノルンは裁定を下してしまった・・・」
「ノルンは地球を守る事しか考えないからな、それは創造した我々がやってしまったことだ」

元々は地球の破壊された自然を復活し守る為に作られたコンピューター
確かにその力のお陰で地球はある程度は復活したが、それも人間はいつか忘れ去る
再び地球は破滅へと向かっていた、それは他の星でも同じ事がいえる

「他の人から見れば、私達の尻拭いにしか見えないよね」

どこかもの悲しそうな言葉、いつもの毅然とした態度ではなく彼女の本心なのかもしれない

「あの時はノルンは必要だった、そうだろう?」
「確かにそうだけど、私が招いたということには変わりないから」

自分達が開発したものが人間を滅ぼそうとしているのだ
わが子に反抗されるのと同じようなものだ

「今は後悔しているときではないだろう、リシェル」
「そうだけど、私だってこういうこと、いいたくなる時があるのよ」

150年という年月を生きているとはいえ、彼女も元々は人間だ
どれだけ自分を押し殺してきたのかは分からない
泣き言もずっと言いたかった、この場から逃げ出したくなったこともあった
だけれど、彼女には人間を捨てる事などできなかった

「な~んてね、らしくないねこんな私」
「愚痴だったら、いつでも聞いてやる、それにお前を心配してくれる人は他にもたくさんいるだろう」
「そうね、心配してくれるのはいいんだけど、それを楯に私の後をつけてくるっていうのも考え物だと思うけどね」

リシェルが言うと、ドタドタドタと何人かがいなくなる足音がする
それを聞いたリシェルの顔には微笑が浮かんでいた

「ありがとね、クイルス」
「その名前はウロボロスになったときから、捨てた名前さ」

彼女は中核から外へと出て行く
その表情には迷いはない
自ら作り出したものを壊さなければいけない事は彼女が一番分かっていたからだ
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by meruchan0214 | 2006-10-26 00:54 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 57 運命の神

リシェルはフリス達を司令室に集めた
ノルンについて話すという事だ、フリス達はリシェルから語られる言葉を黙って聞いている

「昔、私が研究員だったのは何人かは知ってると思うけど」
「150年前・・・ですよね・・・」
「そう、私は自分の体を機械にすることによって、生きている」

今まで隠してきていた事を話すリシェル
状況が既に隠していてもしょうがないところまできているのだ

「ノルンは私を含めた研究員が総力を集めて作った、AIです」
「それがまたどうして人間を滅ぼそうと?」

アコナの言う事ももっともだ人が作ったのであれば、何故人を滅ぼす必要があるのだろうか

「ノルンは地球を生かすための力となるよう作りました」
「それが人間を滅ぼすことだと?」
「ええ、それは150年前にもノルンが導き出した答えでもあったのです」

地球を生かすために作られたもの、それが人間を抹殺しようとしている

「地球にとって人間は害にしからならないとノルンは判断しました」

確かに人間は地球を汚染し、何種類もの他の動植物を破滅においやってきた
ここにきてそれが緩和されているとはいえ、なくなったわけではない

「ノルンは純粋な知性です、地球を生かすための最も早く効率のいい手段を取ろうとしているのです」
「でも、何で150年前にそれを導き出したのなら、すぐに実行されなかったのでしょう?」

フリスが疑問を投げかける、150年も前から答えが出ていたのならば、今更というのは少しおかしい

「私達がノルンと約束をしたからです」
「約束?」
「人間を変えてみせると、全てのモノが生きる為には人間が変わるしかない、その為にまずウロボロスをつくり、アルカディアを開発しました」
「宇宙にでることが変わるということですか?」
「いえ、あくまでも地球上で増えすぎた人間達の生活空間を広げさせる為です」

この辺りは授業でも習った記憶がある、地球上に収まりきらなくなった人間達は宇宙に飛び立ったと、それが今のウロボロスであったり、月や火星などのアルカディアであるのだ

「ですが、人が変わるには時間がかかる、ノルンは人が変わる前に星が死滅することを恐れたのです」
「それで今回の抹殺というわけですか・・・」
「ええ、早くノルンを止めないと、星としては生きるかもしれませんが、人間はこの世から消えてなくなります」

星としては生きる、確かに人間達が星を好き勝手にして死滅させてしまってはならない
そういった意味ではノルンは正しい選択をしているのかもしれない

「ですが、私は人の可能性がまだあるなら、それを信じてもいいと思うのです」
「そうですね、僕らもまだやりたいことがありますし・・・」

フリスはリシェルの言いたいことは十分に分かった
ノルンは止めなくてはならない、そう思っている

「ノルンは元々地球の管理用のコンピューターです、地上の施設の大半はノルンの支配下にあるといってもいいでしょう」
「死地に飛び込むようなものですね・・・」
「ですがノルンを止めないと、全人類が滅亡させられてしまいます」

リシェルの言いたいことは分かっている
元々、敵とはいえ中には戦いも知らない人間もいるのだ
そんな人達まで見過ごすわけにはいかない

「ノルンは地球のバチカンというところにあります、皆さん力を貸してください」

リシェルは集まった皆に向かって頭を下げる
ノルン・・・、リシェル達が作り出したコンピューター
地球を生かす目的で作られた純粋な知性

それはもしかしたら地球の意思なのかもしれなかった
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by meruchan0214 | 2006-10-24 23:00 | 守護機兵 ハイシェント