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Misson46 乗り越える時

ガキィィィィィン!!

ヴェルゼ軍との戦いは続く、一分一秒が戦いを争う
両軍とも必死に戦っている

「ちっ、流石に強い!!」
「フリス達以外にもウロボロスにはいいパイロットが揃っているようだな」

エルブラストとラユのグラルディ、そしてグローズのアルオルスは一歩も退かない戦いを繰り広げている
当然、アコナ達が戦っているのはグローズだけではない、ブラズデッドを守っている他の機兵達も一緒に相手にしているのだ

「アコナ、大丈夫なの!?」
「大丈夫よ、それよりも貴方こそしっかりしてよね」

口では悪くは言うもののそれはお互いを信頼している証拠でもあった
二人の連携にヴェルゼ軍も迂闊に手が出せないようであった
女同士だからなのだろうか、それとも似たもの同士なのかもしれない

「いい仲間を持ったようだな、ラユ!!」
「教官・・・、教官から教わった事、忘れていません・・・!!」

グローズから色々な事を教わった、平民出身のラユをここまで育ててくれたのはグローズ中佐が居たからこそである

「でも、教官でも私たちの前に立ちふさがるのなら・・・」
「そうだ、それでいい、ラユ!!」

ラユは自分の全てを持って、グローズの駆るアルオルスと戦う
カスタマイズしてあるとはいえアルオルスとグラルディには機兵の性能そのものが違う
だが、一歩も引けをとらないのは、ラユの強い信念があるからかもしれない

「ヴェルゼにも良い人は居るみたいだけど・・・!!」
「私は軍人だ、良いも悪いも全てを国に尽くすのが軍人というものだ!!」

バリバリバリバリ!!

お互い一歩も譲らない、いや譲れないのだ
もう戦況はそこまで傾いている

「いっけぇぇぇぇ!!」

ラユのライフルがアルオルスの装甲の一部を貫くがたいしたダメージにはなっていないようだ

「だんだん、狙いが正確になってきたか」

グローズはやはり嬉しそうに独り言を呟く
教え子が成長しているのが嬉しい、強敵と戦えるのが嬉しい
彼は今このときを心底楽しんでいた

「まだまだ!!」

アコナのエルブラストが追撃を仕掛ける、アルオルスと戦いながらも周囲の機兵と戦う
彼女の実力はまさに一騎当千に値していた

「ちっ!」

バキィ!!

エルブラストの爪がアルオルスの肩を引き裂く
だが、アルオルスもただやられず、残った腕でエルブラストの頭を一個叩き落した

「センサーが一個潰されたか・・・!!」
「痛みわけか、だが数に勝るこちらが有利になった!!」

いくら高性能機でも何かの支障があれば、本来の力を思う存分発揮できない
それはアルオルスにもいえることではあったが、グローズの言うとおり数で勝るヴェルゼが有利になったのは明らかであった

ドォォォォォォォォォン!!

だが、それを遮るようにブラズデッドから爆発音が聞こえる
誰もがブラズデッドの方へと振り向いた

「やった?」

アコナが呟くと、ブラズデッドの砲身はなくなっていた

「壊されたか・・・、ということはすぐにでもウロボロスの主力がやってくるな・・・」

即座に状況を把握したグローズはすぐさま戦場を撤退する指示をだした

「退け!!主力が来たら我々に勝ち目は無い」

アコナとラユはそれを無理には追うことはしない
返り討ちにあってもたまらないし、当初の作戦は果たされた

「ふぅ、何とか完了かな」
「まぁ、僕のお陰だね」
「私が彼の腕を叩き落したからでしょ」

お互い憎まれ口を叩きながらも生き残った事を喜んだ
後はフリス達と合流を待つばかりであった
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by meruchan0214 | 2006-10-12 20:35 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 45 退けない戦い

ヴェルゼの巨大兵器に向かい一直線に向かうフリス達
一回目の射撃はリシェルが言ったとおり、ウロボロスが出力全開で防いだ
二発目が来る前になんとしてでも砲門にグランデイズを近づけなければいけない

「邪魔なんだよ!!」

ドガァァァァン!!

フリス達は次々と進路を塞ぐ機兵を薙ぎ払っていく
その姿はまるで流星のように駆け抜けていった

「レーダーに反応、アルオルス・・・?」
「グローズ中佐だ」
「ええ!?私たちの教官じゃない!!」

巨大兵器の最後の砦というかのように機兵がフリス達の前に立ち塞がった

「まさか、自分の教えた人間が裏切るとはね」
「ヴェルゼのやり方は間違っています!!教官!!」
「君達の言いたい事は分かる、だが、私は軍人だ!!」

たとえ自分の国がどういう事になっていても仕えるということだろう、それもまた一種の愛国心であるとフリス達は考える

「このブラズデッドを破壊したいなら、私を倒していけ!!」

グローズはそういうとヴェルゼの機兵に攻撃の命令をする

「フリス!!」
「分かってる、やるしかないんだ」

レオルの言葉に答えるフリス、そうお互いに退くわけにはいかない戦いなのだ
巨大兵器、ブラズデッドはその間にも2発目の発射準備をしている

「急がないといけないってときに・・・!!」
「教官とはあんまり戦いたくないけれど、戦うしかないんだよね・・・」

レオルの時とは勝手が違う、躊躇すれば自分達が確実に殺される
時間が無いフリス達は説得している暇はない

「彼等は足止めさえすればいい、ブラズデッドを発射できれば我々の勝ちだ」

的確な指示とヴェルゼでも熟練したパイロット達が相手で思うように戦えない
戦闘の何たるかをフリス達に教えたのはグローズ中佐だ、相手がどれだけ強敵かはフリス達が一番良く分かっている

「このままでは拉致があかない・・・」
「私が突破口を開くよ」

アコナが通信してくる、確かにグランデイズを除く4機では突破力があるのはエルブラストではある

「それに、あの指揮官機に乗ってるのはフリス達の先生なんでしょ、フリス達の戦い方はあの人にばれてるわけだから」
「確かにそうだが・・・」
「私たちは彼らを今この場で倒せなくてもあのブラズデッドとかいうのが破壊できればいいのだから、相手をするのはそれからでも遅くはないでしょ」

アコナの言うとおりであった、教官にあって少し焦っていたのかもしれない
それにブラズデッドさえ止めてしまえば教官にも説得の機会があるとフリスは考えた

「アコナ、頼めるか?」
「任せて」

アコナは自信満々に言うと、エルブラストの出力を全開にする

「いっけえぇぇぇぇ!!」

加速をつけたエルブラストはそのまま敵の機兵に襲い掛かる
他の機兵ではこうはできない、エルブラストならではの戦い方だ

「今だ、一気に突っ込むぞ!!」

アコナに続いてフリス、レオル、ラユも突撃する

「ウロボロスに寝返ったとはいえ、成長しているようだな」

グローズは嬉しそうに微笑を浮かべる、だがすぐにその表情は厳しいものに戻った

「だが、このまま行かせるわけにはいかないぞ」

グローズは先へいかせまいとフリス達の前に立ちはだかる

「ここで、止まるわけにはいかないのよ!!」

アコナはグローズの駆るアルオルスへと襲い掛かった

ガキィィィィィン!!

エルブラストの爪とアルオルスの剣がお互いに交錯する

ギリ、ギリギリ!!

お互い一歩も譲らない戦い

「アコナさん、援護します!!」

ラユがライフルを構えて撃つが後わずかの所でアルオルスはエルブラストから離れてしまう

「ラユか、私の教えた事をちゃんと守っているようだな」
「教官・・・」

成長を嬉しく思う反面、手ごわい強敵と戦える嬉しさ
グローズはこの戦いが楽しくて仕方が無かった

「フリス、レオル、ここは任せて」
「・・・分かった」
「死ぬなよ、ラユ」

フリスとレオルは再びブラズデッドに向けて動き出す

「ラユ、足引っ張らないでよ」
「そっちこそ」

アコナとラユはお互いにすこし笑うと、目の前に向かう敵を睨みつけた
ブラズデッドの発射準備は刻一刻と進んでいた
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by meruchan0214 | 2006-10-12 00:45 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 44 全てを背負う

ウロボロスはヴェルゼに向けて発進した
いつまでも待っているわけにはいかない、こちらから攻めることになった

「リシェルさん、本当にいけるのですか?」
「戦力的には問題ないわ、あるとすれば・・・」

リシェルはそれ以上は言わなかったがフリスは言いたいことは分かった
あの巨大な兵器を破壊しない事にはウロボロスに勝ち目は無い

「どうするつもりなんですか?」

フリスはリシェルに尋ねる、何も考えなしで突っ込むとは思えない

「グランデイズを使います」
「あの地球から持ってきた機兵ですか?」

グランデイズを使うとはいっても、たった一機の機兵でなんとかできるものなのだろうか
性能は確かに高いが、ハイシェントやエルブラストとほぼ互角ぐらいだ

「砲身を詰めてしまえば、撃てませんからね」
「グランデイズで砲身を塞ぐということですか」
「ええ、砲身を詰めてしまえば無理矢理撃とうとすれば暴発しますからね」

理には適っているだが、砲身を詰めるとしてもグランデイズ一機でそれが可能なのかも疑問だ
それにグランデイズに乗るパイロットは死を予告しているようなものだ

「あれは私が遠隔でも操作できるよう設計されています」
「なるほど、無人のグランデイズで突っ込むわけですね」
「その通りです」

フリスはそれを聞いてなるほどと頷く

「ですが、遠隔なのでどうしても実際に乗るよりは反応が鈍くなります、ですので・・・」
「わかりました、道を開かせるのは任せてください」
「お願いします」

リシェルはフリスに頭を深く下げる

「それでは、お願いいたしますね」

フリスは格納庫へと行き、ハイシェントへ乗り込む

「レオル、ラユ、アコナ、行くぞ」
「分かってる」
「任せて」
「エルブラスト、行くよ!!」

フリス達はウロボロスから発進する

「ジョニカさん、他の方々は任せました!!」
「あいよ、任せておきな、ヴェルゼの巨大兵器は任せたよ」
「はい!!」

ハイシェント、エルブラスト、グラルディ、アルオルスはグランデイズを守るよう移動する

「一撃目は必ず飛んでくるから、それはウロボロスのバリアで防ぎます」

リシェルの通信が聞こえる

「分かりました」
「二発目の充填が終わる前にグランデイズが砲身を塞げるようにお願いします」

戦況を大きく揺るがす戦いが今始まろうとしている
フリス達はあの巨大兵器を落とさない限り勝ち目は無い
だから、なんとしてでもこの作戦は成功させなければいけなかった
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by meruchan0214 | 2006-10-10 23:38 | 守護機兵 ハイシェント

Misson43 束の間の安息

ヴェルゼを一時的に退け束の間の平和を満喫する
問題は山のようにあるがすぐに解決するわけではない
リシェルは全員に休めるときに休むよう指示をだす

「こういうところって、ウロボロス楽だよなぁ」

フリスはウロボロスの生活居住区で歩きながらアコナに話しかける

「そうね、エレベーター一本ですぐ街にでるようなものだからね」
「まあ、ノンビリするには丁度いいよな」

ウロボロスの軍側とは違い人々はただ、普通の生活を営んでいる
ここの人達は戦い方を知らない、だからこそ守らなくてはいけない

「そういえば、いつも気になっていたんだけど」
「なに?」
「戦闘中ってここはどんな風になっているんだ?」
「基本的には変わらないわよ、戦闘中ということが知らされる以外わね」

戦闘中であっても今フリス達がやっているような事、こんな生活をしているのだろうか
確かにどうしようもないとはいえ、のんきすぎないだろうか

「リシェルさんの話では、昔は大変だったみたいだよ」
「それはもうみんな慣れたってことなのか?」
「そうみたい、ただ、それも全部リシェルさんや他の人たちが努力した結果だけどね」
「そうかもしれないな」

肝が据わっているというわけではない、リシェルが必ず守ってくれると信じているからこそ
戦闘状態でも普通に過ごせるのかもしれない

「流石にこの前のはパニックになったらしいけど」
「ああ、あれか・・・」

今でも頭に焼き付いている、味方を一気に焼き払った光
ウロボロスはあれの相手もしなければならないのだ
アコナは考え込んでいるフリスの頭をピシっとデコピンした

「な、なにすんだよ」
「そんなに深く考えすぎてもしょうがないよ、リシェルさんも言ってたでしょ今は休めって」

アコナなりの励ましなのだろう、フリスは元々敵だった自分にそうしてくれるだけでもありがたかった

「そういえばグランデイズって誰が乗るんだろうね?」
「リシェルさんじゃないのか?」
「だって、リシェルさんはウロボロスの指揮があるじゃん」
「あ、そうか」

確かにウロボロスまでグランデイズに乗ってきたのはリシェルであった
しかし、リシェルにはウロボロスからの指揮があるために、機兵にのって早々出撃するわけにはいかない

「レオルはアルオルスがあるし、ラユかジョニカさん辺りか?」
「ん~そうかもね」

そんな話をしながら束の間の休日を過ごす
これが終わったらまた戦いが待っている

ウロボロスもヴェルゼも必死になってきている
今はただ休息をとる、次への戦いへとつなげる為に
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by meruchan0214 | 2006-10-10 20:34 | 守護機兵 ハイシェント

Misson42 何の為に

月のアルカディアでの戦いで勝利したウロボロス
投降したヴェルゼの人間達は今ウロボロスにと収容された

「これから、俺達どうなるんだ」

兵士達は不安にかられている、敵の艦に捕らえられたのだから当然といえば当然だろう
だが、兵士達の前に現れたのはリシェルとフリス達、元ヴェルゼの人間達

「レオル大尉!!生きていらしたのですか!!」

兵士から驚きの声があがる

「フリス大尉やラユ中尉もいるぞ!!」

兵士達は動揺を隠せないでいた、死んだといわれている人間達が目の前にいるのだ

「皆、聞いてくれ」

まずフリスが皆に声をかける

「このウロボロスではお前達を処罰したり閉じ込めたりはしない、お前達も被害者なんだから」
「これから我々の話す事を良く聞いてほしい、信用できなければそれでも構わない」

フリスに続いてレオルも話す、ウロボロスについたとはいえ、ヴェルゼは故郷だ
戦いたくないという気持ちもあるのだろう
そして、フリス達は兵士達にヴェルゼの現状を話し始めた

「そんなことが・・・?」
「考えてみろ、平和を望むなら完全中立国家を襲う必要がどこにある?」
「ウロボロスやアースラインに加担していると・・・」
「それはヴェルゼがお前達を出撃させる口実にすぎないんだ」

ヴェルゼの兵士達にどよめきがはしる
こんなことを言ってもすぐに信じられるとは思わない、レオルもそうであった

「例えこの話を信用しなくても、ウロボロスはお前達を処刑する事は無い、それは確かだ」

ヴェルゼの兵士達を説得するフリス達、それを傍らで見守るのはアコナであった

「リシェルさんは流石ね、失った兵を敵国から補充する、敵の兵力は減ってこっちが増える。ヴェルゼがあんなことしていなければ、こんなことにはならなかっただろうけど」

アコナはフリス達の姿をただ見つめていた

「お、俺はレオル大尉やフリス大尉の事を信じます!!」

何人かはフリスやレオルの言う事を聞いてくれる
その顔にはフリスもレオルが見覚えのある人間達であった
当然、中には渋る人間もいた

「信じられない者は止めはしない、だがゆっくりと考えてみてくれ」

フリス達の話は終わる
大雑把に、フリス達についていくと決めた人間達はそのまま一般兵の部屋に
まだ、渋っていたり明らかに嘘だと思っている人間達は独房に送られる
独房といっても以前のレオルと同じ感じで、部屋から出られない以外は一般兵の部屋と変わらない

「お疲れ様でした、皆さん」

リシェルがねぎらいの言葉をかけてくれる

「いえ、やっぱり故郷ですからね、話し合いで済むなら話してしまえばいいですから」
「そうね、でも、少なからず私を恨んでいる人間はいるでしょうね」
「・・・、そうかもしれませんね」

ウロボロスの指揮官であるリシェル、確かにヴェルゼの行動が許されない行為であったとしてもそれは政治上の問題である、実際の兵士達は殺された仲間の恨みがあって当然だろう

「まあ、それは戦争が終わってから考えましょう」
「戦争が終わってからって、責任を取るつもりですか?」
「私が死んで片が付く問題だったらいいのですけどね」

リシェルは少し暗い表情をするが、迷いはない
全ての恨みなどを背負って生きていく事を望んでいるようであった

「僕らもできる限り手伝いしますよ」
「ありがとう、フリスさん」

生まれた場所も時代も違う、だけど全ての人の為に役に立ちたかった
自分ができることをやっていく、ただそれだけだ
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by meruchan0214 | 2006-10-09 23:59 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 41 望むべきもの

地球から無事に宇宙へと上がるリシェルたち
そのままウロボロスが待機している月へと向かう

「今回も楽勝でしたね」

アコナは明るい感じでしゃべる、リシェルが元の戻った事が嬉しいのだろう

「私たちには、まだやらなくてはいけないことが山積みだけどね」
「それでも、リシェルさんが元に戻ったのみたら皆喜びますよ」

フリスの言うとおり、誰もがリシェルの心配をしていた
人望があるというのはそれだけでもいいことだ

「ま、ウロボロスではね」
「ん、どういうことですか?」

相変わらずたまに変な事を言うのは変わらないみたいだ
だが、一人でも動けるということはリシェル本人も嬉しそうである

「リシェルさん、フリス、ウロボロスが見えてきたよ」

アコナが示した先にはウロボロスがある
だが、少し様子がおかしかった

「リシェルさん、月がおかしくないですか?」

フリスも何が起こっているのかはわからないが、おかしいことは分かる

「戦闘中・・・?」

アコナが呟くようにしゃべる

「そうみたいね・・・!!」

リシェルの言葉、フリスもレーダーを確認する
そこには月やウロボロスへと攻め込むヴェルゼの機兵があった

「ヴェルゼは月にまで・・・、全アルカディアを敵に回すつもり・・・!!」

ここまで来ると最早タダの破壊行為にしか思えなかった
自分ももしかしたらあそこに居たのかも知れないと思うとフリスはゾッとした

「アコナ、フリスさん、行きましょう」
「はい!!」
「了解!!」

アースラインの戦艦を全速力でウロボロスへ向け移動させる

「ウロボロス、ウロボロス、聞こえますか?」

アコナがウロボロスへと通信を取る

「はい!!ただいま戦闘中です!!アコナさん、皆さんはご無事ですか!?」
「ええ、すぐ行くから待ってて!!リシェルさんももう大丈夫よ」
「分かりました、今はレオルさんがウロボロスの指揮を、ジョニカさんとラユさんが機兵を率いて月のアルカディアの方々と応戦中です」

通信兵から戦況の報告を聞かされる

「私たちはヴェルゼの母艦を落としましょう」
「確かにそれが早いかもしれませんが・・・」
「大丈夫、こちらに気づいたとしても間に合うから」

リシェルの間に合うというのは恐らく敵が気づいてこちらに攻撃するまでに片が付くといっているのと同じ事であった
確かに、高機動機が3機ここにはある、やってやれないことはない

「分かりました、いきましょう」
「この戦艦はオートパイロットにして、ここに待機させておけば問題ないわ」

フリス達はそれぞれの機兵に乗り込み出撃する

グォォォォォォォォ!!

物凄い勢いで戦場へと向かう3機の機兵
それは他の機兵に目もくれず、一直線に敵の母艦を狙う

ヴェルゼの機兵達が3機に気づいたときには既に遅かった
母艦も迎撃するために、主砲などを一斉射撃する

「遅いんだよ!!」

ハイシェントから発射されるミサイルの束
それはまるで意思を持っているかのように次々に戦艦へと降り注ぐ

ドォォォォォン!!

辺りで戦艦が轟沈する音が響き渡る

「これでも、食らえ!!」

エルブラストの爪の一閃、一撃で戦艦の装甲を貫く
戦艦はエルブラストに照準をつけるものの、それはリシェルのグランデイズの電磁シールドに阻まれた

「まだまだ、やらせませんよ」

グランデイズはどちらかといえば、攻撃というよりは防御に特化した機体である
武装はややハイシェントには劣るものの、電磁シールドの発生の距離、大きさはハイシェント、エルブラストともに大きく上回っていた

次々と戦艦が落とされヴェルゼの機兵はフリス達に襲いかかろうとしていた

「貴方達も死にたいのですか!?」

通常回線、おそらくウロボロスや月の機兵にも聞こえたであろう
リシェルは声を大きくしてしゃべる

「貴方達の母艦は落ちました、これ以上戦いは最早無意味です」

リシェルの言うとおりだ、彼らの母艦は落ちている
このまま無視しても彼等の機兵はエネルギーが切れ、動かなくなるだろう

「私達は無抵抗の人間に手を出すつもりはありません、大人しく投降してください」

リシェルの声は戦場中に響き渡った
次々と投降するヴェルゼの機兵達、月での戦闘はここで終結を迎えた
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by meruchan0214 | 2006-10-08 23:03 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 40 力の矛先

グランデイズ、その性能はハイシェントやエルブラストに勝るとも劣らない性能であった

「さて、どうやって宇宙に上がりましょうか」
「やっぱり、打ち上げ機を奪い取るしかないのでは?」
「それもそうなんだけどね」

恐らくハイシェント、エルブラスト、そしてグランデイズの3機があればアースラインから宇宙へと上がる為の艦を奪い取る事はできるだろう

「でも、グランデイズって昔に作られたのですよね?」
「ええ、その通りよ」

アコナの問いにリシェルは答える

「その当時ではあまりにも強力すぎた為に封印しておいたの、これを使うようになるというのはそれだけ他の機兵も性能が上がってること」
「ふーん」

確かに機兵の性能だけならここ何十年で飛躍的にあがっている
新エネルギーの開発もあるが、戦争をする為だけに機兵の開発を進めている

「リシェルさん、アコナ、アースラインの防衛拠点が見えたよ」

フリスが指し示した先には宇宙へと上がる打ち上げ機を置いてある、アースラインの施設が見える

「しかし、おかしいですね」
「ええ、ここまで接近しているというのにアースライン機兵がこないわね」

3人は元々ここを攻めるつもりでステルスモードは使っていない
だが、守る為の機兵があがってこないのだ

ピ・ピピピ・・・

「通信?」

3人に通信が送られてくる

「この施設は私が抑えました、リシェル達は早く上がってください」

聞き覚えのある声、モイライの声であった
モイライの助力のお陰で速やかにこの施設を占拠する

「さあ、早くしましょう」

リシェルの言うとおり、ここが落ちるのはすぐにでも知られるだろう
宇宙に上がるためにも急がなければならない

「接続関連はお任せください」

モイライから再び通信が流れてくる

「ありがとう」

コンピューター関係の処理は全てモイライがやってくれたお陰で宇宙へあがる準備はすぐに終わった

「リシェルさん、シャトル発進しますよ」
「ええ、お願い」

フリスは宇宙へ上がる為のシャトルを起動させる

シュゴゴゴゴゴゴゴ!!

激しい音と共にエンジンを吹かし、物凄い勢いで上昇する

「これからが、本番ですね」
「ええ、そうね」

空へとあがるフリス達、戻ったらまた戦いの日々が始まる
早く戦争を終わらせるため、戦場へと舞い戻る

「私は貴方方を信じます」

モイライはただ一人呟いた
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by meruchan0214 | 2006-10-07 21:56 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 39 導く為に

建物の中ではどのくらい時が過ぎたかは分からない
モイライが時間を逐一示してはくれてはいたが、いまいち実感がわかない

「リシェルのデータ転送が終わったようですね」

モイライに告げられる

「じゃあ、リシェルさんは?」
「そのうち来ると思いますよ」

ウィィィィン

リシェルを置いてきた扉が開く
そこには、今までと代わらないリシェルの姿があった

「お待たせ、待ちくたびれた?」

しっかりとした姿勢で歩く姿は完全に大丈夫みたいであった
いまだに信じられないが、リシェルは機械の体なのだ

「本当に大丈夫なんですか?」
「無事にデータの転送も済んだみたいだし大丈夫よ」

データとか言っている辺りが既に自分が機械だと言うことを認めている

「さて、さっさとウロボロスに戻りましょ」
「そうですね」

元気になってよかったとフリスは思った
やはりリシェルはこうでなくては、リシェルっぽさがない

「モイライ、ありがとね」
「いえ、私は別に・・・、ノルンはどうされますか?」
「そうね・・・、モイライからあと少しだからと伝えてちょうだい」
「了解しました、ですがあまり時間はありませんよ」
「分かってるわ」

何の時間が無いのかは相変わらずフリスには理解できなかった
しかし、リシェルはかなり真面目な表情であった

「グランデイズって、まだ誰にも見つかってない?」
「見つかっておりませんが・・・、使用なさるつもりですか」
「ええ、そろそろ使うときだと思うから」

グランデイズ、聞いた事もない、何かの兵器なのだろうか

「それじゃあ、格納庫開けてもらえる?」
「わかりました」

リシェルに言われモイライは格納庫を開けた

「さて、行きますか」

格納庫にはハイシェントに似ているものの、武装が目に見えて違う
ハイシェントよりも一回り大型の機兵であった

「これが、グランデイズ?」
「ええ、長らくここに置いてたのだけど、これを使うときがきたから」

リシェルはグランデイズに乗り込み起動させる

「さあ、フリスさん、アコナ行くわよ」

リシェル達はウロボロスへと戻っていく
戦場の地へと、ウロボロスを守る為に
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by meruchan0214 | 2006-10-06 22:26 | 守護機兵 ハイシェント

Misson 38  空蝉の体

モイライに案内され、辿り着いた先
そこにはリシェルと瓜二つの体がいくつも並んでいた
中には数体のロボットがおり、その体を整備していた

フリス達が部屋に入ると、ロボットのうちの一体がこちらに近づいてきた

「リシェル様ですね、モイライから伝達がきております」

ロボットはフリス達を案内する
奥の機械にはすでにリシェルの体が設置されており、いつでも始められる準備が終わっていた

「フリスさん、あそこのベッドに私を寝かせてもらえる?」
「分かりました」

フリスはリシェルに言われたとおり、ベッドにリシェルを寝かせる
すると、辺りの機械が動き出し始めた

「時間がかかりますので、お連れの方々はモイライの所でお待ちください」

丁寧ではあるがやはりどこか機械的な部分を感じる
これが、フリス達も知っているロボットであった

「こうしてみると、リシェルさんの体って本当に機械なんだね・・・」
「ああ、そうだな」

今までの行動などからは決して想像できない姿であった
辺りの機械が凄い音を立てて動いており、激しさが目に見える
リシェルは黙ってそこに横たわっている、既に意識はそこにはないのだろうか

「こちらへどうぞ」

ロボットに案内されモイライのところへと戻るフリス達

「リシェルのデータ移行は1日程で終わります」

モイライがフリス達に話しかけてきた

「そうですか、時に貴方はどういったシステム何ですか?」
「どういった、と言われても返答しかねますが、ここの辺り全域を監視しています」
「何の為に作られたのですか?」

フリスは疑問に思った事、リシェルしか知らない事を知るチャンスだと思った

「そうですね、地球を守る為に・・・です」
「地球を守る為に・・・ですか」

余りにも漠然とした答え、だがそれが冗談には聞こえない

「地球を守る為って具体的にはどんなことですか?」

フリスの後を継いでアコナがモイライに問いかけた

「地球が死の星にならない為、ですが・・・」

モイライはそれ以降の言葉を詰まらせた

「今もまだ死の星に向かっていると?」
「その通りです、我々の再三の警告に対して人間は理解しようとしていません」

その言い方には何か含みのある言い方だった
聞き入れなければまるで人間を滅ぼすような言い回しである

「とにかく、ここはアースラインの兵士達も入れません、ゆっくりなさってください」

アースラインが入ってこないと言うだけで安心ではあるが
残してきたハイシェントが少し心配になった

「モイライさん、この辺りに機兵を収納できる場所ってありますか?」
「貴方がたが乗ってきたものですね、分かりました、ハッチを開けますのでそちらへ移動してください」
「ありがとう」

フリスとアコナはハイシェントとエルブラストを研究所内へと格納する
モイライが裏切らない限りはこれで大丈夫なはずだ

「足りない事がありましたら、私に申しくださればできる限りご用意させていただきます」

モイライはそういうと様々な機能を説明し始めた
ゲームから、食べ物、音楽、ほぼ全て用意されているみたいであった

「ああ、大丈夫ですそれよりも貴方に聞きたい事が」
「何でしょう?」

フリスは今まで疑問だったリシェルの事についてたずねる

「リシェルは私やノルンを作った研究員の一人です、私が作られたのはもう150年ほど前になりますでしょうか」

ジョニカが言っていた通りだった、100年以上も前の存在
しかし、技術力は今よりも上と言っても良いかもしれなかった
こんなものを開発するくらいなのだから、よほど優秀な科学者だと分かる

「貴方達は何も知らないかもしれませんが、人間を宇宙で暮らす為のベースを作ったのもリシェル達を含む研究員達の成果です」
「アルカディアもか!!」

今は月や火星などに当たり前にあるアルカディア
それの礎もリシェル達が作ったという事には驚いた

「しかし・・・いえ、ここから先は言わないでおきましょう」
「一体どうしたんだ?」
「いずれ分かる事です、私が言うべき事ではありません」
「答えてくれよ!!」

聞いてもモイライは答えてはくれなかった
結局リシェルが150年前から居る人間だという事くらいしか分からなかった
フリスはモイライの最後に口を止めたことが気になってしょうがなかった

「まぁまぁ、モイライさんも言いたくないんだし、いいじゃない?」
「でも、いずれ分かるっていつのことなんだよ」

ふてくされるフリスをアコナがたしなめる
しばらくはそういったことが続いたが、そのうちに二人は眠りについてしまった

「私はまだマシなほうですよ、お二人とも」

モイライは小さい声で呟いた

「時間はもう迫ってきています、貴方方が思っている以上に」

寝ている二人には聞こえていない
モイライは優しく二人に話しかけていた
まるで未来を二人に託すかのように
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by meruchan0214 | 2006-10-05 22:20 | 守護機兵 ハイシェント

Misson37  完全なる知識

ジャパンへと向かうフリス達、そろそろ敵の警戒網に引っかかる頃までやってきた

「ステルスモードで行きましょうか」
「そんなのあるんですか?」
「あるのよ、まあ、武装は使えなくなるけどね」

リシェルに教わりながらステルスモードをオンにする
極端に出力などの音などが減り、近くにいるアコナのエルブラストですらレーダーで捉えずらい

「視覚でみたら分かるけれど、それ以外ならごまかせるでしょ」

武装が使えなくなるとはいえ、視覚で捕らえづらくなるのはありがたい事であった
フリス達は機兵の速度を抑え少しずつ向かっている

「それで、ジャパンのどこにいけばいいですか?」
「そうね・・・、ホンシュウと呼ばれる一番大きい島、そこの中心かな」
「分かりました」

リシェルが示す場所、ナガノと呼ばれる場所であった
一気に接近して、森の中に隠れる
元々機兵が小さい為に森の中にすっぽりと隠れてしまう

「ちょうどいい辺りね、ここからなら・・・」

リシェルはフリスに連れられる、もうそのくらいリシェルの体は動いていないのだ

「リシェルさん、大丈夫ですか?」

アコナがリシェルの心配をする、リシェルの表情は心配するなといっている表情だった

「大丈夫よ、体は動かないけどね」

フリスはリシェルの体を支えているが、思っていたよりも重くは無かった
ほぼ人間と同じくらいの重さでびっくりした

「あっちに行ってもらえる?」

フリスやアコナは当然初めて来た場所である、リシェルに案内してもらわなければ地理なんてさっぱり分からない

「やっぱり、実際の自然は違うな」

フリスはアルカディアやウロボロスで見た自然との違いに驚いた
整備されているのではなく、何もされず力強く生きている、そんな偉大さを肌に感じていた

「フリスさん、あっちに」
「はい」

本当につくづく今が戦争中じゃなかったらとフリスは思う
ゆっくりしていきたいがそうもいかないのが非常に残念だ

「あ、まだ残ってたわね、よかった」

リシェルの案内で到着した場所は自然の中に不自然についている扉
かなり年代は経ってはいるものの、いまだにしっかりとした造りである

「ここが研究所・・・ですか?」
「裏口だけどね、ここを知っている人はもう私くらいしかいないんじゃないかな」

フリス達は研究所内へと足を踏み入れた

カツーンカツーン

通路を歩く音が嫌に大きく聞こえる
塗装がはげているのかところどころ灰色の石らしきものがのぞいている

「また、扉ですね」

通路の奥には近代的な扉があった、その横には何かを入力するような機械もある

「フリスさん、そこの機械までいいですか?」

リシェルに言われフリスは機械へと近づく

ピッピピピ

慣れた手つきで機械を操作するリシェル

「確認いたします、目をセンサーに近づけてください」
「フリスさん、あそこ」

フリスはリシェルの顔がセンサーへ行くように動く

ピッ

「照合しました、登録ID リシェル 扉開きます」

ウィィィィン

機械的な声と共に道をふさいでいた扉が開く

「さあ、行きましょう」

どんどんと奥へと進んでいくフリス達
途中何度も最初と同じようなチェックを済ませていく
スーパーコンピューターが置いてある場所だ、それだけに厳重な警備をしているのだろう

「ここが最後よ」

ピッ

最後の扉が開かれるとそこはまるで別世界のような空間が広がっていた
あたり一面にはコンピューターの数々、その全てが今もなお休むことなく動いていた

「久しぶりね、モイライ」

誰も居ない空間にリシェルが話しかける

「お久しぶりです、リシェルさん」

すると、何も無い空間から、正確にはコンピューターが返答する

「やはり、地球に降りてきたのはリシェルさんだったのですね」
「ええ、他にも仲間が一緒だけどね」
「その方達が希望なのですか?」
「そうよ、彼等だけじゃないけどね」

フリスはいまいち話が飲み込めていないが、ここまで高度なAIははじめてみた
何年、何十年も前に作られたはずなのに、その性能は今のコンピューターを上回るのではないかと思うほどであった

「初めまして、私はモイライといいます、ナガノ支部を中心に機能を展開させています」

礼儀正しい挨拶にフリスは慌ててこちらこそと返事を返す

「それよりも、私のスペアのボディってとってある?」
「ありますよ、こちらに保存してあります、整備も定期的にしてあるので30年はもつかと」
「ありがと、助かるわ」

モイライと呼ばれる意思を持つコンピューター
これすらも全てプログラムで作られているのだろうか
そうだとすれば、恐ろしい技術である

だが、今はリシェルの体を入れ替えなければいけなかった

フリス達はモイライの案内でリシェルのボディの場所まで向かう
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by meruchan0214 | 2006-10-05 01:02 | 守護機兵 ハイシェント