1夜、始まり

ある晴れた昼下がり、真は特に何かあるわけでもなく街をぶらついていた
特に目的があるわけでもなく、ただぶらついている
やることがないのだ、部活にも入らず、ただダラダラと過ごす毎日
退屈な時間だけが進んでいく

「あ~、何か面白いことでもないかな~」

口で言っても、そうそう面白いことがあるはずもない
アルバイトも考えたが、何かが違う、それがアルバイトをやる気にはさせないのだ

「やめてください!!」

裏路地の方から女の人の声がする

「申し訳ないが、我々と一緒に来てもらおうか」

男の声もする、どうやら女の人が男に絡まれているらしい

「どうしよっか・・・」

悩む真、今目の前で起きていることに巻き込まれたくは無いが
様子は見たい、自分の安全が確保されているのならば行ったであろうが
もしも、巻き込まれたら嫌だなと考える

タッタッタッ

こちらに近づいてくる足音、薄暗いビルの影からその姿が徐々に明らかになる

「あれは、うちの学校の制服・・・というか、どこかで見たことあるな・・・」

近づいてきている女の子は真の通っている高校の制服、
更に見ると、その子は同じクラスの女の子だった

「確か、沖原 千夏さんだっけ、誰かに追われているみたいだけど」

千夏の後ろからは黒服の男が数人
だが、人通りの多いところにでたせいか、千夏を追うのをやめる

「ふぅ~助かった~」
「あの、沖原千夏さん?」
「えっ!?」

真が千夏に声をかけると、千夏は驚いたような声をあげた

「あ、な~んだ、篠原君か~って、もしかして・・・さっきの見た?」
「見たっていうか、あんな大きな声を出してたら気付くと思うけど・・・」
「う~・・・、まあ、いっか、今見たこと気にしないでよね」
「気にしないでよって、凄い気になるんだけど」

気にしないでといわれて余計に気にするのは人間の心理だろう
だが、漫画とかで見るような黒服に追われているのを実際に見たのは
真にはかなり衝撃的な出来事であった

「ん~、とにかくなんでもないから、ね?」

ね?といわれても納得できるはずもない
千夏にはどうしても聞かれたくない事情があるらしい

「分かった、じゃあこれあげるから、今見たことは忘れてね」

千夏は真の手に何かを握らせ走り去っていった

「なんだったんだろう?」

真は握らされた手をみると、なにやら宝石のようなものだった
赤く透き通った石、ルビーに近いようだが少し違うようだ
なにより、石というものは冷たいイメージがあるが
これはなにやら熱を持っている、普通の石とは確実に違うと分かった

「ん~、宝石・・・なのか・・・?」

訳の分からない真だったが、とりあえず家に帰ることにした

家に帰ってからも、真は街での出来事が気になっていた
それに千夏が渡したこの石も不思議でたまらない

とにかく、明日千夏に聞いてみようと心に思いながら夜を迎えた・・・

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by meruchan0214 | 2006-04-27 23:53 | LittleGarden


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