歓迎パーティーが始まり、1時間ほどが経った
真はハイテンションな他の人に圧倒されながらも楽しい時をすごしている 「まことくぅ~ん、のんでるぅ~??」 ベロベロに酔っている、恵が真に絡んできた 恵は真に体を寄せ隣にと座る だが、少し妙な事がある、恵はお酒を飲んでいるのは真は分かっていたが 空いたお酒は1缶もない ということは、恵はその一缶でベロンベロンになっているのだ 「わたしもね~、さいしょはこんなのできるか~!!っておもったのよ~」 「は、はぁ・・・」 「でもさぁ~、なれっていうの~?じっさいやってみたらどおってことないよね~」 キャハハハハと笑い声をあげて笑う恵、真には何が面白いのかが分からない 「たかやすなんてさぁ~、さいしょ~すごいおもしろくてさ~」 喋りだすと止まらない、恵は絡み酒だったみたいだ 「お~い、恵~、ちょっと話があるんだけど」 「は~い」 隆泰の呼ぶ声に反応してフラフラと歩いていく恵 ガン!! ドガ!! 途中、テーブルやら機械やらにぶつかりながらも進んでいく 『大丈夫なんだろうか・・・』 内心、恵のことが心配になるが、動き回っているところをみると大丈夫みたいだ 「や!!真君!!」 次にやってきたのは沖原 千夏だった 千夏は手にはジュースのペットボトルを持っている 「飲む?」 千夏はペットボトルを真に突き出す まるで、『私のお酌を断るなよ!!この野郎』とでも言っているみたいだった 「あ、じゃあ、ください」 真は逆らう勇気が出なかった、千夏はそんなことお構いなしである 「いやあ、怪我の功名って奴?助かったよほんと」 「助かったよって、僕は良い迷惑だったんだけど・・・」 「あはは、まあお陰で知り合えたんだしそれでチャラってことで」 明るく話す千夏、その表情は本当に嬉しそうだ 「千夏さんはどういった経緯でここに?」 真は気になっていたことを質問する だが、千夏はそれに対して少し考えているようだった 「ん~・・・、私ってね、ちょっと変わった病気持ちなんだ」 「病気?」 「うん、病気っていっても、そんな癌とかそういったものじゃなくて、異常現象というのかな・・・、そういったものを扱えるようになる、言うなれば超人になる病気」 「凄いな、まるでゲームみたいだ」 真は素直に感心する、しかし、千夏はその返答にはあまり良くは思っていなかったようだ 返答というのは正しくないかもしれない、その力を持っていることについてに表情を曇らせたのかもしれない 「そんなにいいのかな・・・、私はこんな過ぎた力なくなればいいと思ってる」 「え、どうして?」 暗い表情のまま話す千夏、真には理解できない何かがあるみたいだ 「この力はね、使いすぎると理性を失うほど危険なの、私はこの力を持った人間が堕ちていくのを何人も見てきたから・・・」 真はそれで理解した、その力を持つことによって得られるものの変わりに失うものも大きいということみたいだ 「じゃあ、なんでこの仕事を?」 「この力を必要としている人が居るから・・・」 悲しい声だが、非常に力強かった、力を必要としてくれている人が居る それだけで人は強くなれるものなのかもしれない ある程度話終えると千夏にいつもの表情が戻る 「ま、これからもよろしくね」 それだけ言い、千夏は真の傍を離れていく 「色々な事情があるんだな・・・」 真の興味本位とは全く違う、力を必要としてくれている人の為にここでやっている 少し自分が場違いな気分になって真はブルーになる 「よ~し、今日はこれくらいにしとこうか」 隆泰の終わりの言葉をかける 気付いたら既に時計は12時をまわっていた 「真君はそうだな、千夏、送ってってやれ」 「えー、普通逆じゃないの~?」 「千夏の方が強いだろ、それに巻き込んだのは千夏何だから責任は取れよ」 「は~い」 しぶしぶ了承する千夏、確かにここで働くこととなったとはいえ、 真を巻き込んだのは千夏のミスである 「それじゃ、送っていくよ」 「あ、よ、よろしく」 真と千夏は夜の道を歩いていく 「あのさ、さっきの話の続きだけど」 何か話題がないかと咄嗟に出た言葉だが、すこし話題にするには話が重い気がした 「ん?もしかして、この力のこと?」 「あ、うん・・・、嫌ならいいけど、具体的にどんなことができるの?」 「ん~とね、空気中にある物質を取り入れて、違う物質を生成して散布したりできるの」 真には少し意味が分からなかったが、詳しく説明してくれる 要するに自分の体が科学プラントとなっているようなもので、 薬から毒まで様々な物質が作れるらしい、だが直接的に効果を及ぼすもの コンクリートを壊すとか、水の流れを止めるとかそういったものはできないらしい 「ふ~ん、それでも凄い力だなあ」 「ん~、まあ、これは現在発見されている症状の一つだけであって、物理的な効果を及ぼすのも存在するけどね」 これはどうやら同じ病気でも様々な種類があるらしい ウィルスから感染するのだが、人によって発病しないこともあるし、 発病しても必ず同じ力を持つとは限らないらしい 「私は生まれた時から使えたんだ、親からの遺伝で」 「遺伝!?」 真は驚いた、この病気は親から子へと遺伝するらしい だが、そういった事例はあまり見られることはないらしく、研究が続いているとのことだった 千夏はこのことを話すときはどことなく悲しい表情を浮かべている だが、決して後悔や懺悔という意味での悲しい表情ではないみたいだ 「私の家の両親は医者だから、これを治そうと努力したみたいだけど、結局まだ治療法は見つからずじまい」 「理性を失う前にこの病気を治すってこと?」 「うん、確かにこの病気で理性を失わない人も居る、私や私のパパとママもそういった人間の一人、でもそれが出来る人よりも出来ない人の方が圧倒的に多くて・・・」 千夏の悲しい表情はここにあった 自分が行使するには問題ないが、発病している人間が大切なのだ 彼女の言うとおり、理性を保てない人間が多いのであれば、非常に危険である だからこそ、千夏の両親はこの病気を治そうとしているのだ 「何だか、話が暗くなっちゃったね、気にしないでね、真君はそんなもの使わなくても強くなれる」 千夏はわざと明るい声を出して真に話す 『彼女って、身も心も強いんだな』と思う真 「さ、ついたよ」 いつの間にか真の家の前に到着していた 「それじゃ、また明日、学校でね」 千夏は手を振って、帰っていく 「僕も頑張らないと」 少し心変わりした真、明日からの決意を抱く そして、夜は更けていった
by meruchan0214
| 2006-05-09 20:47
| LittleGarden
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