10夜 人と妖

人類が生まれてから既に何万年も経っている
だが、人類が知らない存在がこの世にはいる

それが妖である

「おはようございま~す」

真が事務所に入ると、真宮 夕子が休憩中であった

「あら、真さん、これからですか?」
「はい、夕子さんは休憩中みたいですね」
「ええ、と言っても、仕事は接客ではありませんけどね」

接客ではない、すなわち裏の仕事を意味する

「そういえば、夕子さんは妖なんでしたっけ?」
「ええ、そうですよ」

妖にもいろんな種類がいるのはこの前教わったこと
だが、それでもまだ真は色々な疑問が残っていた

「あの、少し聞いてもいいですか?」
「はい?」
「妖同士で戦うってどんな感じなんですか?」

夕子は少し考えるが、すぐに喋りだす

「悲しいことだと思いますけど、お互いの存在理由が違うのであれば、衝突は避けられないと思っていますよ」
「仕方がないということですか?」
「そうですね、私にも守りたいモノがありますし、戦う相手も存在意義がある。だからこそ、相容れないのですね」

妖といっても、人間がひとくくりにできないものを全て妖と言っているだけだ、
だから、当然妖個人が全て存在意義を持っているといってもいいのかもしれない

「まあ、私の仲間から見れば、私も異端なんですけどね」
「え、どういう意味ですか?」
「私はあなた方で言う、天使と呼ばれるものと言うのは以前に言いましたよね?」
「はい」
「私達という存在は人間を守るために存在しているわけではないんですよ」
「え、どういう意味ですか?」

真は言っている意味が全く持って理解不能であった
天使と言うのは、神話など見る限りでは正義であり悪を倒すものだと書いてある
それが、結果的に人間を守るということなのではないのか、そう思っていた

「私達が守るのは人間ではなく、神の教えなんですよ。絶対の法とでも言うべきでしょうか、それを破ると言うのであれば、本来は人間でも粛清します」
「でも、その法と言うのを守っている限りは、味方なのでは?」
「そうだと良いのですけどね」

意味深な言葉を言う夕子、だが真はいまいち理解に悩んでいた

「まあ、いつか分かる時が来ると思いますよ」

夕子は立ち上がると地下へのスイッチを入れた

「それじゃあ、そろそろ行きますね」
「あ、はい」

夕子は裏の事務所へと消えていく

「どういう意味なんだろ・・・」

真は一人で悩んでいる

「お~い、真君、準備できてるなら、早く着てくれ~」
「あ、はい」

隆泰に呼ばれて慌てて準備をする

妖というのは何なのか、一人一人違う存在なのは分かる
夕子の話を聞く限りではまるで人間と変わらない

いや、きっと同じなんだろう、性質そのものが同じなんだと真は思った
力がある、生まれが違う、ただそれだけの差なのかもしれない

真は妖について深く興味を抱く、
人間に味方する妖、敵対する妖、全てを包めて興味を示した
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by meruchan0214 | 2006-05-26 20:23 | LittleGarden


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