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Mission1 閃光の機兵

宇宙 どこまでも続く果てない空
人々の進出はとどまる事を知らない

「巨大要塞ウロボロスを攻める・・・か」

フリスはウロボロスを攻める一員として機兵に搭乗している

「難攻不落、さてどのくらいかな」

戦艦のカタパルトから機兵が次々へと射出される
この時代、戦争のほぼ全ては機兵によって戦っているといっても過言ではなかった

「バルディオン隊、いきます」

バルディオンとは、フリスが所属している国の主力機兵である
非常に高い水準で安定した能力は他の勢力を圧倒していた

「さて、相手のお手並みを拝見といきますか」

バルディオンを駆り、ウロボロスへと近づいていく
当然、ウロボロス側も機兵を展開してきている

「機兵データ照合、パンツァードか・・・」

ウロボロスはどこにも属さない機動要塞である
戦争には反対しているものの、その戦力は一国にも匹敵すると言われている
フリスの国では小さくても芽は摘み取ってしまうというものであった

「平和の為だ、恨むなよ」

フリスはこの時まだ自分の国が全てを統治できるものと信じていた
軍人の家系に生まれ、戦うことに何ら疑問をもたず戦ってきた

「ふん、この程度か!!」

一機、また一機と敵機兵を落としていくフリス
全体を見ても機兵の性能の差もあってか、こちら側の有利だった

「ウロボロスにはシールドのせいで、至近距離じゃないと攻撃が当たらないからな・・・」

数にも勝るバルディオン隊は次々へとウロボロスに取り付こうと近づいていく

「この程度か、不沈と言われていたがたいしたことないな」

ピカッ!!

一瞬の間だった、一筋の光が走ったかと思うとウロボロスに取り付こうとしていた機兵が破壊されていた

ズズゥゥゥゥゥン

新たにレーダーに映る反応

「何だ、機兵データを・・・」

ピ・・・ピピ・・・一致件数ナシ・・・・

「相手の新型か!?」

その見た目は一般的な人型の機兵と違い、竜に酷似している
大きさはガルディオンに比べ一回り小さいが機動力はバルディオンの比ではなかった

キュウウウウウゥゥゥゥン

竜の形をした機兵のブースター音

ドウゥゥゥゥ!!

一瞬にしての加速はバルディオンの動きではついていくことができなかった

「くそっ!!」

一機たった一機が戦場に出てきただけで戦況は覆されてしまった

「しまっ・・・・!!」

反応する間もなく攻撃を受けるフリスのバルディオン

「脱出ポッドが動かない!?」

ドオオオオオォォォォォォン!!

すさまじい爆発と共に閃光が宇宙空間に広がる
フリスが最後に見た景色であった



「いつっ・・・・」

体の痛みで目がさめた
頭がガンガンして記憶がまだ朦朧としている

「俺は確か脱出できなくて・・・」

自分は確かに爆発に巻き込まれたはずだった
何故生きているのかが分からなかった

「目が覚めたみたいだね」

部屋に入ってきたのは一人の少女
着ている服を見る限りでは軍人であろうか

「あなた運が良かったわね、ハイシェントのソードカッターが壁になって爆発から逃れたんだから」
「ハイシェント・・・?ソードカッター・・・?」

いまいち少女の話が理解ができない
少女はいらいらした表情で言葉を続ける

「自分が落とされた時の事も覚えてないの?ハイシェントは貴方の機兵を落とした機兵の名前」

明らかにこちらに敵意をもって話している
敵なんだから当然と言えば当然である

「まったく、リシェルさんの命令じゃなかったらとっくに殺してるのに」

過激な発言をする少女、それほどまでにフリス達の事を憎んでいるように思える

「あなたの処罰はリシェルさんが決めるからね、それじゃ」

少女は言いたい事だけ言うと部屋を出て行ってしまう

「俺は一体どうなるんだ・・・」

敵に機兵を落とされ、今敵のど真ん中にいる
どちらにせよ、ただでは済まなそうな気配にフリスは不安を覚えていた
by meruchan0214 | 2006-08-15 23:29 | 守護機兵 ハイシェント


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