6輪 心のプライド

タキル達がケイナを待つことを承諾し
先へと進むハクガとアーシャ、子供達を早く安全な所へと連れて行かなくては
まだ、完全には逃げ切ったわけではないのだ

「みんな、大丈夫か?」
「う、うん」
「大丈夫」

口では大丈夫とは言うものの流石に疲れが見え始めている
けれど、ここで立ち止まっているわけにはいかない

「苦しいだろうが、頑張れよ」

ハクガは子供達を先導しながら、森を進む

ガサガサガサ

森の草木を掻き分けながら進む
いつ襲われてもおかしくはない、細心の注意を払い先へと向かう

「ハクガ兄、何か近づいてくるよ」

アーシャがいち早く何かを感じ取ったようだ
ハクガもまた近づいてくる何かを感じる

バサバサバサ

前から現れたんのは、人間大の大きな袋を持った男達が3人
何かを運んでいる最中のようだ

「ちっ、何でこんなところにガキどもがいるんだ!!」
「構うこたあねえ、さっさと行こうぜ!!」

男達はハクガ達を無視して、森の奥へと向かおうとする

「ムーッ!!ムーッ!!」

そのとき、急に袋がバタバタ動き出して中から声がした

「くそ、もう目覚めやがったのか!!」
「お前達、誘拐犯か・・・」
「うるせえ、お前達には関係ない、引っ込んでやがれ!!」

いくら魔族に追われている身なれど、悪を許す事はハクガにはできなかった

「すまないな、少し待っててくれすぐ片付けるから」
「早くしてね」

ハクガはツカツカと男達に歩み寄っていく
その姿は無防備で攻撃してくださいと言っているようなものだった

「正義の味方気取りか、これだからガキは!!」

男達はハクガに一斉に襲い掛かった

ヒュン!!

だが、男達の攻撃はハクガを捕らえる事はできなかった
人間とは思えぬ速さ、それがハクガの特徴である

「フッ、遅すぎるな」

ドガッ!!バキッ!!

ハクガは手刀で男達をあっという間にノックダウンさせてしまう
敗走したとはいえ、実力は本物、ゴロツキ程度では相手にならない

「さて、アーシャ!!」
「うん、分かってるよ」

ハクガとアーシャは袋を開けると
中にはエルフの女性がロープと猿轡をされていた

「時間が無いが、仕方あるまい」

ハクガはエルフのロープと猿轡を切る

「プハァ、助かったぁ~」
「助けたところで済まないが、時間が無いんでな、一緒に来てもらうぞ」

ハクガは無理やりエルフの腕を引っ張り連れて行く

「え、え、ちょっと!!」

訳の分からないエルフであったが、ハクガに無理矢理連れて行かれるため抵抗ができない
だが、たくさんの子供達を連れているのをみてたたごとではないことは理解した

「グラディアが見えたぞ」

村からここまでずっと逃げ続けてきた
ようやく、安心と思える場所まで逃げてこられたのだ

「タキル達も無事だといいが・・・」
「ねぇ、貴方達一体どうしたの?」

エルフの女性がハクガに問いただす
助けてくれたと思ったら無理矢理ここまでつれてきたのだ
おかしいと思っても当然だろう

「俺達も追われる身だったんでな、安全な場所まで逃げてきただけだ」
「ふ~ん、あ、私ユミル・ハイエ、助けてくれてありがとね」
「ハクガ・レヴォルだ」
「私はね、アーシャ・フォーズって言うんだ」

落ち着いたところでやっと自己紹介が始まる
理由を聞いてユミルも何となくは納得はしたみたいだった

「じゃあ、俺達はまだやることがあるから、これで失礼する」
「あ、待ってよ、私もさ行くところないからさ・・・、一緒に行ってもいいかな?」
「勝手にしろ」

ハクガ達はユミルを連れてグラディアの城下町へと入っていった
やっと安全な場所までこれた安堵感
だが、彼等は何も無い世界へと一瞬にして投げ出された
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by meruchan0214 | 2006-09-13 00:12 | 架空世界[フリトアネイス]


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