13輪 過信

アーツは一人森の中を勇んで歩く
自分が一番活躍したいそう思っていた

「魔物か・・・」

ザワザワと囁く森、辺りは薄暗く今にも何か出そうだ

ガサッ!!

茂みが動いた、何かが居る
アーツは手に剣をかけ、慎重に近づいていった

バッ!!

一気に間合いを詰めるアーツ、だがそこに居たのは小さな動物であった

「なんだ・・・」

アーツは溜息をつき、その場から離れようとする

シャキン!!

不意に後ろから殺気を感じ、慌てて横に飛びのく

「うわ!!」

間一髪の所で攻撃を避けるアーツ
見ると今度は巨大な魔獣がアーツの目の前に立っていた

「一体なんだってんだ!!」

アーツは剣を取り、魔物と戦う

ガキィィィン!!
ズバッ!!

巨大ではあるものの、動きは遅い
アーツは敵の攻撃を受け流し、空いた脇を攻撃する

ザァァァァァ

巨大な魔獣は砂となって消え去っていく

「ふぅ、危なかった」

しかし、一息ついたのも束の間であった

「グルルルルル」

先ほど倒したはずの魔獣が再びアーツの目の前に現れたのだ

「ちっ」

再びアーツは魔獣を切るが、次から次へと魔獣が現れる

「一体なんだっていうんだ!!」

倒しても倒してもきりが無い、だんだんとアーツにあせりの表情が浮かんでくる

ズバッ!!ドサッ!!

まるでゾンビのように現れる魔獣たち
いくらこちらの方が実力で上回っていてもいつかやられてしまう

「アーツ!!上だ!!」

突如響く声にアーツは咄嗟に反応した
持っていた投擲用のナイフを上に向かって投げつけた

ドス!!

何かに当たった手ごたえだ
その瞬間、魔獣は見る目もなくなってしまった

どすん!!

上から落ちてきたのは何かの儀式に使うような像であった

「これは・・・?」
「幻影の魔術に使う儀式の道具だよ」

先ほどの声の主、ヒリウがアーツに話しかけてきた

「戦場では敵はどんな手段を使ってくるか分からない、それを頭にいれておけよ」
「はい・・・」

自分ひとりでも何とかなると思っていた
確かに本当にさっきの魔獣だけだったら何とかなっていただろう
だが、魔術でありえない幻影とずっと戦わされていた
あのまま続いていたら確実にアーツは死んでいたことだろう

「自分の力を試したい事も分かるが、それを過信しすぎるなよ」

ヒリウの言葉に返す言葉もないアーツ

ドォォォォォォン!!

そのとき、森の奥のほうから爆発音が聞こえてきた

「誰かに何かあったのか!!」
「行くぞ、アーツ!!」

アーツはヒリウの後をついていく、自分の過信を戒めながら
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by meruchan0214 | 2006-10-17 15:13 | 架空世界[フリトアネイス]


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