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Misson 56 感情無き力

アースラインの機兵たちを退けたフリス達であった
しかし、アースラインの機兵にはパイロットは誰一人乗っていなかった
リシェルは急がねばならないと、ヴェルゼに降りホルド大将と会う事にした
フリスやラユ、レオルもウロボロス側の人間としてリシェルに同行した

「お初にお目にかかります、ホルド大将」
「こちらこそ、リシェル司令官」

お互い儀礼的な挨拶をする、長いテーブルにお互い向き合うように座る

「早速、統治の件に関してでしょうか?」
「いえ、統治に関して言えば私はヴェルゼの人に決めてもらうつもりです、今回は別の件でお話をしたく参りました」
「その話とは?」

ホルド大将はリシェルの別の件という話に耳を傾ける

「地球にあるノルンというコンピューターが全人類を殺そうとしています、それを防ぐ為に協力をお願いしたいのです」
「コンピューターが人間に対して反乱ですか・・・?」

にわかに信じがたい話ではある、ホルド大将もすぐには信じられないといった顔つきではある
だが、負けた以上は従わなければならない

「恐らくもうじき彼らから何かしらの接触があるはずです」

フムとホルド大将はあごに手をつける
すると、急に辺り一体の通信機という通信機に声が響いた

「私の名前はノルン、全てを管理するものです」

機械的な女性の声、その声はありとあらゆる場所へと届いていた

「人間は実に愚かな生き物です、全てを破壊する事しかできないモノなどこの世界に不必要です、よって、私は全ての代表として宣言する」

淡々と感情をあらわさない声、皆はただ黙ってそれを聞いていた

「全人類をこの宇宙から排除する」

冷たく言い放たれたその言葉に誰もが驚きを隠せない
ただ一人リシェルだけが表情を変えず、黙って聞いていた

「まずは地球、その次は宇宙に住む全ての人間です、人間達よ今までの罪を悔い改め、滅んでいくがいい」

その言葉を最後に通信はぷっつりと途絶えた

「信じてもらえたでしょうか」
「信じるしか・・・あるまい」

ホルドは今聞いた言葉を信じるほかしかなかった

「ヴェルゼの残った軍は全てウロボロスと行動するよう指示させよう」
「ありがとうございます」

リシェルは勝ったはずなのにヴェルゼに対して頭を下げる

「では、私はこれで失礼させていただきます、統治の事はさきほども言いましたがヴェルゼの皆さんが決める事です、私達はそれをお手伝いさせていただくだけですので」

リシェルは再び頭を下げると部屋を颯爽と出て行く
フリス、ラユ、レオルも慌ててそれに続く

「リシェルさん、これからは・・・」
「地球に降りることになるわね、ノルンを止めなくてはならない」
「ノルンとは一体どんなものなんですか?」

レオルが聞くと、リシェルは少し溜息をついて話し始める

「そうね、そろそろ全てを話すときなのかもしれない、ウロボロスに戻ったら他の人達も集めてもらえる?」
「分かりました」

フリス達はウロボロスへと戻っていく
全てを管理するものと自分を表現したノルン
リシェルはコンピューターと言っていた、モイライからも聞いた事がある言葉
そのコンピューターが人間に対して戦争を仕掛けてきた

人間と機械、新たな戦いが始まる
by meruchan0214 | 2006-10-23 23:22 | 守護機兵 ハイシェント


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