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アーツの章 6輪 襲われる都

あれから一ヶ月が過ぎた、魔族にも色々な者が存在するということ
タキルが生きているという事など良い報告がたくさんあった
しかし、当然良い結果のみというわけにもいかなかった
魔族に襲われた村が間に合わず救えなかったなど少なからずあった

「きりがないな・・・」
「そう、ですね」

魔族は倒しても倒しても現れる、ヘーテの話では魔界はこの地上と同じくらい広いらしい
星の数ほどの人間がいるとすれば、星の数ほどの魔族が存在するのと同じ事だった

「皆は大丈夫かな」
「大丈夫ですよ、そんな気がします」
「そうだよな」

本当はマヤも心配でたまらないだろう、聞けばルティ達も旅に出たらしい
タキル達の事は知っているとは思うがそれでも女だけなのは心配だ
合流しようかと考えたが、アーツ達にも任務があり、ルティ達も考えがある為それもできなかった

「アーツ様!!」

伝令が慌ててアーツのところへとやってきた

「どうしたんだ?」
「魔族がグラディアを襲ってきました!!」
「何だって!!」

アーツ達は急いでグラディアへの道を走った
ここからどんなに急いでも一週間近くかかってしまう
それまでグラディアが持ちこたえてくれていればと信じるしかなかった

「くそ、想定していたことなのに!!」

グラディアに戻った時にはひとまず戦闘は終わっていた
多少、壊れた城壁が目立つものの何とかグラディアは持ちこたえたみたいだった

「アーツ、只今戻りました!!」
「アーツさん、お待ちしておりました」

王女であるアーシャがアーツを出迎えた

「今の状況は一体どうなっているんですか?」
「ヒリウが率いた近衛隊が何とか退けましたが、いつまた襲ってくるか・・・」
「分かりました、私の部隊も防衛に回ります」
「お願いいたします」

アーツは旅の疲れがとか言ってはいられない
グラディアを故郷を守る為に戦わなくてはいけなかった
by meruchan0214 | 2007-02-23 12:31 | 架空世界[フリトアネイス]


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