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58陣 使命を 終える

あれから一ヶ月が過ぎていた、L&Cの脅威もなくなりNATSの仕事もDEPSとの戦いではなく、平和維持の活動へと変わっていた
竜哉と棗は普通の高校生に戻り、レドンとナイーズもそれに付き添う形で高校へと入った

「ハイシェントあれから動かないんだって」

ハイシェントは自身の役目を終えたかのように動かなくなっていた
何をしても動かない、分解もできない、ただそこにあるのは機械の固まりだった

「大きすぎる力は平和な世界には不要ですからね」

一ヶ月経つとリーシェの傷もほぼ全快になっていた
しかし、リーシェの傷が治るということは別れの時が来たという事だった

「元の世界に帰るのですね」
「ええ、私やルピナがもうここに居る訳にはいきませんから」

リーシェ達が元の世界に帰る、それはL&Cを倒した今分かっていた事ではあった

「短い間でしたけれども、ありがとうございました」
「ありがとうございました」

リーシェに続いてルピナも真似するように頭を下げる

「いえ、でも、メルやダリアが・・・」
「過ぎた事です、それにまだ一ヶ月です」
「そう・・・ですよね」

無理やり納得させている自分が居る

「また、いつか会えますよね」

棗の言葉にリーシェはにっこりと微笑んだ
ルピナもそれに釣られてか大きな笑顔を見せた

「さあ、ルピナそろそろ帰るわよ」
「うん!!」

街外れの山の中、リーシェとルピナは大きな魔方陣を描くとそこに大きな洞窟ができた

「それでは、またお会いしましょう」
「お元気で」

リーシェとルピナが洞窟に入ると、その洞窟の入り口は閉じてしまった

「さて、行くか」
「あ、ちょっと待ってよ」

竜哉達は歩き出す、あの戦いがまるで夢だったかのように
でも、積み重ねたものはなくなっていない
仲間ができて、大切なものを守る、失って悲しい事も分かった
けれど、今もなお時は静かに動いている





リーシェとルピナは洞窟を通り、自分達の世界へと戻ってきた

「あ、やっと帰ってきた」
「遅い!!待ちくたびれたんだから」

リーシェ達を待っていた二人の影

「ごめんなさい、でも、本当に良かったの、最後の挨拶をしないで?あの子達貴方達が死んだと思ってるわよ」

その二人はあの爆発に巻き込まれたメルとダリアだった

「あの子達の心に残ればそれでよし、勝つだけが戦いじゃないってことを教えたかったからね」
「まあね、それにまたいつか会う機会もあるでしょう」

元の時間がまた動き始める、止まっていた時間が動き始めたのだ
by meruchan0214 | 2007-02-28 08:56 | 竜の翼 ハイシェント


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