何とか街への侵入は防ぎきっているが、兵士達は確実に疲弊してきている
このままではいずれ押し切られるのは確実であった 「一体、どれだけ攻めてくるつもりなんだ・・・」 「確かにこれは厳しいな」 本気で魔族はグラディアを潰しにかかってきている どれだけの被害がでようともここでグラディアを落しておけば後々楽になるということだろう 「アーツ!!」 ハクガが声をかけてくる 「ハクガ、戻ったのか」 「ああ、ユミルは置いてきたが・・・、今はどんな状況だ?」 「正直言うと、かなり厳しいな」 ハクガはそうかと言うと厳しい表情をしている 自身も今の状況が大体分かっていたということだろう 「兵士達もこのまま連戦はかなり辛いな」 「だが、戦わなければな・・・」 「ああ・・・」 辛い戦いである、後どのくらい敵がいるのかも分からない 「魔族、来ます!!」 伝令が再び魔族を襲ってきたことを告げに来た アーツ達は再び出撃する、例えどんなに疲れていたとしても、どれだけ厳しい状態になっても逃げるわけにはいかない 「押せ、押し返すんだ!!」 アーツは叫ぶが、疲弊してきているグラディアの兵士達に余力はあまり残されてはいない 「このままでは、まずい・・・!!」 その時だった、丁度、グラディアの軍隊と逆側すなわち、魔族の軍の後方から大きな爆発音が鳴り響く アーツ達や魔族達には急に何が起こったのか理解できなかった だが、後方の魔族が明らかに浮き足立っているのが目に入った 「こっちの援軍か!?」 完全に援軍と決まったわけではないが、浮き足立っている魔族達を追い払うチャンスは今しかなかった 「一気にいくぞ!!」 アーツ達は一気に魔族たちに追い討ちをかける 魔族は非情さを失いほとんどがただ逃げ惑っている そして、周囲の魔族が一掃され何とかグラディアを守りきる事ができた 「何が起こったかわからないが・・・助かった・・・」 アーツ達が集まり一息ついている 「アーツ、良かった、無事で」 「マヤこそ、ケガはなかったか?」 「ええ、私は大丈夫です、でも、戦況を変えたあれは一体・・・」 マヤもあの大きな爆発が気になっていた あれがなかったらグラディアは滅ぼされていたかもしれない 「隊長、魔族がまた来ました!!」 「またか!?もう、こっちには余裕はないぞ」 「いえ、ですが、少しおかしいのです」 伝令が伝えに来た事は今度現れた魔族はこちらを攻撃してくる意志は全く見受けられないということ 「まさか・・・」 アーツは一人そういう魔族を知っていた 「すぐに向かう」 「私も行きます」 アーツとマヤはその魔族がやってきたところへ向かった 勘が正しければその魔族は以前出会ったヘーテであると思ったからだった
by meruchan0214
| 2007-03-01 12:27
| 架空世界[フリトアネイス]
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