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タキルの章 12輪 浮かぶ疑問

部屋に戻ったタキルはただボーっと窓の外を眺めていた

「どうしたのタキル?」
「うわっ、びっくりした!!」

後ろからケイナに話しかけられ驚きを隠せないタキル
普段なら気配に気付くだろうに気がつかないほどボーッとしていたのだ

「あの二人、いや、ルエスと話してから何か変よ」
「いや、そんなこと・・・と言いたいけど」
「恋煩い?」
「違うよ」

ケイナが聞くとタキルはあっけなく即答する
しかし、少なくともルエスを気にしているのは確かである

「ゲルデイグに居るにしては変な奴だと思ってさ」
「確かに彼女は初めて見るタイプだわね」

ルエスは名前は聞いていたし、姿も知っていた
面と向かって話したのはあれが初めてであるが、想像以上に予想と違ったのだ

「でも、敵である以上は倒さなければいけない」
「そうね、私達と考え方が違う以上摩擦は生まれるもの」

タキルとケイナは少し暗い雰囲気になってしまい、二人共黙ってしまう

「あれ、お兄ちゃんとケイナさん、どうしてそんなに暗くなってるの?」

続いて部屋に入ってきたのはティリカだった

「ん、あ、いや、なんでもない」
「お姉ちゃんが忙しいから手伝ってくれって」
「あ、ああ、分かった」
「私も手伝うわ」

暗くなった雰囲気を払拭するかのように、ティリカに言われたとおりにタキルは下の階へと降りていった
もしかしたら、ゲルデイグ軍にも話が分かる奴が居るのかもしれない
そう思っていたのはタキルだけではなかった
by meruchan0214 | 2007-03-22 12:20 | 架空世界[フリトアネイス]


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