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2007年 01月 30日 ( 1 )

44陣 代償 力

ドクン、ドクン

心臓がいつもより強く鼓動する

ドクン、ドクン、ドクン

自分の内側から迫ってくる力、飲み込まれそうになる

「はぁ、はぁ」

布団から飛び起きるように目覚めるリーシェ
横ではルピナがまだ気持ち良さそうに眠っている

「また、"あれ"がきたか・・・」

リーシェはルピナを起こさぬようにそっと部屋を出ていった



「た~つ~や~く~ん」

メルが竜哉を呼んでいる、朝から何事だというのだろうか

「リーシェさん見なかった?」
「いや、見てないけれど」

どうやらリーシェがNATSからいなくなったらしい
自分達と一緒に戦ってくれるとはいえ、今だ監視中の身であるリーシェ
NATSから勝手にいなくなるというのは考えにくかった

「まさか、リーシェさんに"あれ"がきたんじゃ・・・」
「あれ?」

竜哉にはアレと言われても何の事かサッパリ分からない

「発作みたいなものでね、その時のリーシェに近づいたら殺されるよ」

殺されると言う言葉を聞いてゾッとする竜哉
しかし、メルが冗談で言っているようには見えない

「まいったな、今のリーシェさんだと抑えられないだろうし・・・」

メルは本当に心配そうな顔をしている

「竜哉君!!メルちゃん!!DEPSが現れたわ!!」

棗が二人を呼びにきた、メルはリーシェを探しに行きたそうであったが、先にDEPSを何とかしなければならない
竜哉達は現場へと急行した

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!」

現場ではDEPSが何匹か暴れ回っている
全て倒すのには時間がかかりそうだ

「レドンとナイーズはあっちを頼む」
「了解」

皆で手分けして戦う、リーシェもいれば良かったのだがいないのはしょうがない

「いくぞ!!」

戦闘態勢に入った瞬間だった、レーダーに何かが写ったかと思うとDEPSが血しぶきを上げて崩れ去っていった

「何だ・・・?」
「リーシェさん・・・」
「まずいわね、メル」

空中に浮かぶ一人の影、それは紛れもなくリーシェであった
一目見ただけでも竜哉にすら、それがまともではないことは分かった
いつもつけられている目隠しがされておらず、覗かせる赤い瞳は見ただけでも気を失いそう
そして、いつも彼女にあった優しい雰囲気は一切なく波動みたいなものを感じ取れる

「覚悟を決めてね・・・、皆」

ダリアの言葉に皆が息を飲む
ゆっくりとリーシェは上昇すると、徐々に形態を変化させていく

「全てを狩る者、あれに近づいたモノは全て壊される」

メルがリーシェではなく全てを狩る者と呼んだ
リーシェの姿は徐々に魔獣のような姿と変化していく

「グォォォォォォォォォォォォォ!!」

辺りが地鳴りをするような声をあげる
穏やかな声ではなく、それはまさに獣が獲物を狙う咆哮であった

「まさか、こんな所で"あれ"とやりあうことになるなんてね・・・」

いつも強気なダリアですら弱気の声がする

「くるよ!!」

リーシェ・・・、全てを狩る者はこちらに殺気を向け、襲いかかってきた
by meruchan0214 | 2007-01-30 00:03 | 竜の翼 ハイシェント