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堕ちた天使 9

結局、朝子とはまた会うことはなく、次の日のリトルガーデンで隆康や恵に朝子の様子を聞くことになった

「朝子ちゃんならきっと分かってくれると思うよ」

恵の言葉、でも朝子は最初に目覚めたとき夕子のことを化け物といった
それはそうだ、夕子は元々人間ではないのだから
化け物と言われてもしょうがない

「とりあえず、朝子ちゃんも貴方も少し落ち着かないと」
「私は・・・落ち着いています」

言葉では落ち着いていると言ったものの、内心は気が気ではなかった
覚悟はしていたが、ここまで心に響いてしまうとは思っていなかった

「もしもの時の覚悟はある?」
「・・・っ」

もしもの時、朝子が夕子たち、妖を受け入れられなかった場合、朝子の記憶を消すことになる
朝子の中で私と過ごした時間はゼロになるのだ
当然、下手に記憶を呼び覚まさない為にも夕子が朝子と出会うことは禁じられる
夕子はそれが心苦しくて胸が張り裂けそうだった

「そうならないように、がんばりましょう」

恵は夕子の事を気遣ってか前向きな事をしゃべるが、ほとんど気休めでしかなかった
妖を認知したほとんどの人間が自分達と違う妖を拒否する
それが例え人間に友好的な存在であってもだ
人間は自分より優れた存在を拒否する傾向が強い
もちろんそれだけではないのだが、ほとんどの妖にとってはそれが現実だった

「朝子ちゃんは今日学校を休んでるわ、貴方の気持ちがついたら家に行きなさい」
「はい・・・」

何を話せばいいか分からなかった、一回は拒否された自分
しかし今までの思い出がとても懐かしく愛しく思えてしまう
失いたくない、一緒に居たい、例えそれが神の命に背いてしまうことになっても、その気持ちに偽りはなかった

「朝子達の両親の為にも、私が守るって決めたんだから・・・」

自分を変えてくれた朝子の両親達、その人達の代わりに朝子を守る
夕子は全てを隠さず、朝子に話そうと思った
自分が知っていること、全てを朝子に話そう、例え拒否されても心が痛んでも迷わない
朝子の為にすべてを話すときが来たのだ
by meruchan0214 | 2007-01-22 08:52 | 短編小説

41陣 狂乱 総て

洞窟内で戦う竜哉と棗
しかし、DEPSの罠によって、周囲は暗闇に包まれ棗は恐怖で体が凍り付いていた

「やめて・・・、これ以上・・・」

うわ言のようにしゃべり続ける棗
それほどまでに彼女はこの状態に恐怖している

「棗さん!!」

竜哉は必死に棗に声をかけるが、まったく効果がない

ブン!!

暗闇の中からDEPSの攻撃が飛んでくる
こちらの視界は完全に塞がれている、さらには棗があの状況だ

「相手の居場所さえ分かれば・・・」

竜哉はとりあえず勘で武器を振るうが適当に振っただけでは当たるわけがない
棗ならばもしかしたら打開できる案も浮かぶかもしれないが、今の状態では到底無理だった

「やだ・・・やだあああああぁぁぁぁ!!」

錯乱する棗、暗闇から急にエレストリカのサイコブラスターが飛んできた

ドガアアアアアアアァァァァァン!!!

とにかく乱射する、自分自身や竜哉、DEPSなど視界に入っていない
暗闇の中から逃げたいただそれだけの為にサイコブラスターを乱射する

「ピギャアアアアアアアア!!」

暗闇からDEPSの声が聞こえる、闇雲に撃っているサイコブラスターが命中したらしい

「うわ!!」

当然竜哉にもサイコブラスターは飛んでくる
至近距離の上に全く見えないこの状況、下手すればエレストリカにやられてしまいそうだった

「来るなあああああああ!!」

目の前にエレストリカが居た
手に持つサイコブラスターでハイシェントに斬りかかってきた
サイコブラスターが振り下ろされる前に気づいたのが幸いし、何とか受け止めることには成功する

「しっかりしてくれ!!棗さん!!」

竜哉の声は届いていない、暴れる棗を誰も止めることはできない
by meruchan0214 | 2007-01-19 13:05 | 竜の翼 ハイシェント

死神と呼ばれた少女

死神と呼ばれた少女が居た
彼女の周りでは常に死が付きまとっていた
両親、仲の良い友達、全て死んでいった

町の人間にも気味悪がられていた、自分も他人には心を開かないようにしていた
だが、彼女の周りに訪れる死は意思に関係なくやってくる

彼女を気味悪がっていた町の人間たちは全員死んだ
唯一人、彼女だけが生き残った

自分はこの世界には居てはいけない

まだ幼い少女は自分の存在を悟り自ら命を絶とうとした
自分が死ねばほかの誰かを死ぬのを見なくても良い、これで終わらせたかった

彼女は息を呑み、自らを深い深い谷底へと落ちていった

心地よい安堵感、暗闇の中暖かく包まれる自分の体
途端に自分の目の前が明るくなる
見知らぬ場所、自分は谷底に落ちて死んだはず

どこかの家の中、心地よい安堵感や暗闇の中暖かく包まれた体は全てこの部屋に居たからであった

部屋には長い黒髪の綺麗な女性、だがどこか子供っぽさも残っている
少女が気がついたことにとてもうれしそうな表情を浮かべた

しかし、少女は自分を殺してくれなかったことに深く嘆いた
彼女の善意は彼女に必ず不幸として降りかかるであろう
死という逃げることのできない定め

少女は逃げた、走った、少しでも関わらなければ助かるかもしれない
これ以上自分のせいで人が死んでいくのは耐えられなかった

少女は息が続く限り走った、どこをどう走ったかも覚えていない
けれど、その少女を追って女性は追いかけてきた
女性の優しさが心に染みる、自分と一緒にいてほしくないが暖かくしてくれる女性を自分が求めている

誰一人として死んでほしくない、けれどそれは望めない夢
彼女は死を呼ぶ星を持つ者、例えそれが自分の意思でなくても
by meruchan0214 | 2007-01-19 12:44 | 短編小説

大人になりたい少女

ある町の町外れの山の奥には一人の少女が住んでいました
その少女は自分がずっとずっと子供のままであることに疑問をもったことがありません
何故ならば、自分はいつも一人だったからでした
誰にも気づかれることなく、自由に、自由に生きていました

ある日、一人の旅人が山に入り込んで迷い、倒れていました
少女はその旅人が非常に珍しかったので家へと連れて行きました

目を覚ました旅人は少女に礼を言うと、「両親はいないのか?」と尋ねました
それに対して少女はずっと一人だったから分からないと答えた
旅人は少女はもしかしたら捨て子なのかもしれないと思い、その少女を哀れに思いました

少女は今まで友達といえば山の動物達や風、植物だけでした
同じ姿をした旅人と友達になりたいと思っていました
旅人もこの少女が一人では可哀想だと思い、しばらく一緒にいることにしました

少女は子供だというのに様々な事を知っていました
それはまるで何百年も昔から生きているようでありました
旅人も一緒に暮らし始めた当初は何も疑問に思いませんでしたが、月日が経つにつれて少女が普通ではないと気がつき始めました

少女は今までそんなことは知りません、生まれてからずっと一人だったのですから
当然、助けた旅人もそうであるとずっと思っていました

ある日旅人は少女に人間の生について教えました
人の一生生まれてから死ぬまでの事を教えました

少女は生きるということや死ぬということに理解が無いわけではありません
友達であった、動物達が死ぬということは知っていました
それが自分にも当てはまるということは知りませんでした

少女は自分が怖くなりました
旅人の話によって、自分がおかしいのではないかと気づいてしまったからです

旅人はこの事を後悔しました
真実を伝えなくても良かったのではないか、そうも思いました

しかし、彼女は新しい目的を見つけることができました
旅人の言うとおり、自分は子供である
だったら、大人になりたい、大人になれば何かが分かるかもしれない

少女は悩みました、どうすれば大人になれるのか
旅人が言うには時が経てば自然に大人になるといいますが、少女はその気配が一向にありません

旅人は誘いました、「一緒に旅に出よう」と
見た目が成長しているから大人というわけではない、見聞を広めそれをどう考えることができるというのが大人であると

少女は喜び、旅人と一緒に旅にでることにしました
旅立ちの日、動物達にお別れを告げ、旅人とともに長い長い道を歩くこととなったのです

いつか自分が大人になれることを信じて少女は旅立ったのです
by meruchan0214 | 2007-01-17 11:06 | 短編小説

堕ちた天使 8

隆泰達の助けもあり、何とかヴァンパイアを退けることには成功した
しかし、肝心の朝子がボーッとしたまま動こうとしない
心がここにない、そんな感じだった

「朝子!!」

夕子の声に反応して、目に生気が戻ってくるがその反応は今までとは違った

「いや!!こないで!!」

姉が人間ではないということを知ってしまった事実だろうか
人間は自分とは違う存在を否定してしまう傾向があった
覚悟はしていたけれど、実際に向き合ってみるのは辛い事である

「お姉ちゃんに成り代わった化け物!!」

夕子はショックを隠しきれない、命よりも大事にしてきた妹
それに拒否されるということは、自分の存在価値すらなくなってしまうかと思える

「しょうがないな・・・!!」

隆泰は独り言を呟くと、朝子に当身をして気絶させてしまう

「な、店長!!一体何を!!」
「今のまま説得した所で、逆効果だろ、朝子ちゃんはあんなに夕子になついてたんだ、落ち着いて話せば大丈夫さ」

隆泰はそう言うと朝子を抱きかかえる

「ま、落ち着くのは朝子ちゃんだけじゃないけどな」

隆泰に言われ、夕子は自分でも朝子に言われた事で感傷的になっていたことを認識させられた
朝子の両親の代わりに今までずっと朝子の面倒をみてきた
元の姿を見られれば拒絶される可能性があるということも分かっていた
確かに自分自身考える時間がほしかった

「朝子ちゃんは俺たちが責任持って家に連れていくから、しっかりしろよ」
「夕子ちゃん、朝子ちゃんはきっと分かってくれるから、頑張って」

隆泰と恵はそれだけ言うと朝子を連れて帰ってしまった
一人残された夕子、そのショックは計り知れないものがあった

「朝子・・・、もし分かってくれなくても」

自分自身に決意の表情が浮かぶ

「それでも、私は貴方は護り続けるから」

自分の正体を明かすリスク、それを真正面から受け止めなければならない
例え朝子にどんなに罵られようとも、朝子の両親に頼まれた事
絶対に朝子を護り続けることを止める訳にはいかないのだ
by meruchan0214 | 2007-01-16 00:08 | 短編小説

お出かけについての独り言

いつも読んでくださりありがとうございます
突然ですが、1月13,14日は私が結婚式の出席の為に更新ができなくなります
外泊するホテルにネットができる環境があれば、更新しますが・・・
あんまり期待はできないです

14日中には戻ってきますので、14日はなんとか更新したいところですがどうだろう・・・
とにかく、長い目で見守ってあげてください

ではでは、短いですがこれで失礼させていただきます
by meruchan0214 | 2007-01-13 00:38 | 独り言

40陣 恐怖 再臨

DEPSを追って洞窟の中にやってきた竜哉と棗
中は入り組んでおり、まるで迷路のようであった

「暗いよね」
「そうだな」

棗はいつもと違いどこかオドオドしている
どうも明かりがVACGからしかないみたいからだ

「棗さん、無理してないか?」
「う、ううん、大丈夫、平気だよ!!」

明らかに空元気だと言うものが分かる
暗いのが怖いというのは分からなくもないが、棗は少し異常に思える

「グルルルル」

奥にいるDEPSは竜哉達を待ち構えていた

ブン!!

DEPSは何かを投げると竜哉達が入ってきた入り口を塞いでしまう

「こいつ・・・!!」

入り口を塞がれた事により、退路を断たれた二人
しかし、DEPSの行動はそれで終わった訳ではなかった

ブシャアアアアアアア

辺り一面に真っ黒い霧を噴出する
一気に当たりは暗闇に覆われて何も見えなくなる

「やだ・・・やめて・・・」

急激に棗の戦闘意欲がなくなっていくのが分かる
嫌いと言うレベルでは済まない、ここまで来ると恐怖症だ

「やめてぇぇぇぇ!!」

錯乱する棗、DEPSはまるでこれを狙っていたようである

「棗さん、落ち着いて!!」

精神状態が非常に不安定になっている棗に言葉が通じる訳がない
視界が全く効かない、VACGについているレーダーだけが頼りだ

「棗さん!!」

必死の呼び声にも棗には届いていない、その間にもDEPSは自分達に近づいてきている

「くそ、奴は見えているのか」

真っ暗闇の洞窟の中、窮地に立たされた二人
竜哉は焦っていた
by meruchan0214 | 2007-01-13 00:36 | 竜の翼 ハイシェント

堕ちた天使 7

光と闇が交錯し、お互い決め手にかけながらも戦いは続く
どちらも司る属性が自分達の弱点だ、直撃したらその時は戦いが終わるときだ
夕子の光の属性はアンデットに対して非常に効果が高いが、夕子自身が戦い自体をそこまで得意とはしていない
ある程度は戦えるとは言っても、元々支援が得意な夕子にとって大変な戦いだった

「く、以前よりも力が増してる!!」

一発一発が夕子をギリギリ掠める、命中こそしないものの何時当たるか冷や冷やものである
一方、夕子もただやられているだけではなく、反撃もする
光の弓などで応戦するが、相手に決定打を決める事はできていない

「いざとなったら・・・あれしかないか・・・」

夕子は最悪相撃ちになっても構わないと思っていた
朝子が助かるのならば自分の命を捨てても助けようとしていた

ガスッ!!

ヴァンパイアの一撃が夕子の肩をえぐる
闇の一撃は夕子の体を侵食し、激痛を夕子に与える

「・・・・っ!!」

なんとかこらえるものの自分が不利とする攻撃を受けただけでもかなりの痛手である

「どうした、動きが鈍くなったぞ?」

ヴァンパイアの言うとおり、攻撃を受けてから夕子の動きが明らかに鈍くなった
痛みだけではない、闇の力が夕子の動きを阻害しているのだ

「あれを使うしか・・・・ないのか・・・」

夕子は自分の最終武器である、銃のようなモノを取り出した
自分の命を弾丸に変え、相手を消滅させる
生涯で一発しか撃てない銃であった

「これさえ、掠りでもいい当たりさえすれば・・・」

肩の痛みに耐え、相手の攻撃を受けながらも銃を撃つタイミングを見計らう
まだ、自分にはやりたいことはあったが、それももう叶いそうにない
夕子は銃の引き金を引き絞ろうとした瞬間

「間に合ったか!!」

急に部屋の中に現れた人間の気配、隆泰と恵が出現した
恵は一瞬で朝子をこちらまで連れてくると、安全な場所、結界を張った

「店長、恵さん・・・」
「こんなことだろうと思ったよ、まったく」
「間に合って良かったよ、相撃ちなんてものはなしだからね」

自分の心を見透かされたような言葉、だがとても嬉しかった
夕子がケガを負っているとはいえ、隆泰と恵はトップクラスの狩人だ
これで完全に形勢は夕子達にあった

「おとなしくこの街から出ていくなら、命だけは助けてやってもいいぞ」
「何を・・・・人間風情が・・・逆に我が奴隷としてくれる!!」

ヴァンパイアは隆泰達に襲いかかるが、隆泰達のコンビネーションはヴァンパイアの実力以上だった
攻撃をギリギリで完全に避け、確実に敵の体力を奪っていく
ダメージこそほとんど与えていないものの、ヴァンパイアに焦りの表情が浮かぶ

「夕子、いまだ!!」

ヴァンパイアが気がついたときにはもう遅かった
夕子が最大まで溜めた光の矢によって、ヴァンパイアは撃ち抜かれ消滅した

「朝子!!」

戦いが終わるやいなや、夕子は朝子の傍へと駆け寄った
朝子はただ何かを眺めるかのようにボーッとしており、意識ここにあらずといった状態だった



by meruchan0214 | 2007-01-11 23:45 | 短編小説

堕ちた天使 6

屋敷に侵入した夕子は次々と敵を蹴散らし奥へと進んでいく
朝子の両親の忘れ形見、絶対に護りたい
大事な事を教えてくれた彼等の恩にまだ報いていない

「待っててね、朝子」

それだけではない、朝子は自分にとっても大事な、大事な妹だ
無事でいてほしいのは当然である

「こっちか!!」

夕子はどんどんと先へと突き進む
自分には朝子がどこに居るか感じることができる、ただそれを追っていけばいい
夕子が朝子の居るであろうと思われる場所についたのはすぐだった
しかし、その扉の奥からは朝子だけの気配ではない、邪悪な気配が感じ取れた

「退くわけにいかないしね」

夕子は扉を勢い良く開ける
そこには猿轡をさせられ縛られている朝子と以前倒したはずの妖が立っていた

「朝子を帰しなさい・・・!!」
「君にできるかな、今の君に」
「ムーッ!!ムーッ!!」

朝子は何かを言おうとしているが猿轡のせいで声にならない
夕子は本来の姿に戻りたかったが、朝子の目の前でもある
自分の正体を知らない朝子、この世界の事を知ってほしくなかった、巻き込みたくなかった

「ククク、さあ、お前の姿を見せてみろ!!」

銃を持った男達が現れる、その顔色は青白く既に生気はなかった
男たちは一斉に夕子に向かって銃弾を浴びせる

「どうした、変身しないのか?」
「くっ」

夕子は本来の姿、天使に戻る事を躊躇っていた
今まで自分を信じてきた人間に正体を明かす危険さは良く知っている
朝子が全てを受け入れてくれる可能性は100%ではないのだ
部屋の中を激しく動き回る夕子、少しでも銃の狙いを定めさせない為だ

「こいつ等はまだ何とかなるとしても・・・、やるしか・・・ないのか」

朝子を助けるには天使の姿を取るしかない、例え嫌われても良い
助ける事を第一と判断した夕子は意を決し、敵の前に立った

「朝子、私は貴方を本当の妹のように思ってたよ」

夕子は朝子に声をかけると、訳の分からない顔でキョトンとしていた
その直後に夕子の体が光に包まれ、天使の姿へと変わっていく

「貴方達は絶対に許しません!!」

天使の姿を取り戻した夕子、その手をかざすと光が亡者たちを包み、無へと帰す

「そうでなくては、面白くないな、天使フィリアムよ!!」

夕子が本来の姿に戻るのを待っていたかのように、敵も本来の姿、ヴァンパイアとしての姿を曝け出した

「私だけならともかく、朝子をさらったこと、絶対に許さない!!」

強力な妖同士の戦いが始まった
夕子は朝子を護るため、全てを捨てようとして戦いを挑もうとしていた
by meruchan0214 | 2007-01-10 23:11 | 短編小説

38陣 力の 均衡

竜哉達がNATSに戻ると、リーシェ達が出迎えてくれた
ただ、出迎えてくれるだけではなく、お茶やお菓子を用意していてくれた

「お疲れ様、お二人とも」
「すいません、いつもいつも」

もちろん、そこら辺で買ってきたものではなくリーシェの手作りである

「良く、目が見えないのに細かいことできますね」

リーシェは目に目隠しをしており、到底見えるとは思えない
しかし、リーシェが言うには全て分かるらしい、どうして分かるのかは秘密だそうだが

「何で最近こんなにもDEPSが現れるようになったんだ・・・」
「私達が裏切ったってのが一番大きな要因でしょうね」

リーシェ、レドン、ナイーズの三人は確かにNATSに取っても大きな戦力だ
特にリーシェの力は群を抜いている

「後は自分達を探せないように・・・かな」

リーシェの説明でなるほど、と頷く
頻繁に出撃が起こってしまえば、L&Cを見つけるのにそれだけ時間を割くことになる
少しでも表立とうというつもりはないのだ

「まあ、奴らが表舞台に出てきてからが本当の勝負だけどね」

そうだ、その為に今まで戦ってきたのだ
一刻も早く奴らを表に引きずり出さなければならない

「でも、僕らだけで勝てるんですか?」

竜哉は少し不安に思った事をついポロリと口に出してしまった
リーシェはそれを聞いてもにこやかに話していた

「大丈夫ですよ、あなた方は自分達が思っているほど弱くはありませんよ、ずっとずっと強いですから」

生きている差というものであろうか、リーシェの言葉は聞くだけで安心できる
本当にそうだと思えてしまうのが不思議だった

「次はレドンとナイーズですから、竜哉さんはゆっくり休んで下さいね」
「そうさせてもらいます」

緊張と緩和、それが上手く交じり合って今の自分達が居る
それだけで十分これからを戦い抜く自信がついてくる
by meruchan0214 | 2007-01-09 22:44 | 竜の翼 ハイシェント